第26話:チャンプの無茶振り!スマホ片手に闘技場とか、マジ無理ゲーなんですけどぉ!?
マルコは、スマホの画面を名残惜しそうに指でなぞりながら、ふふん、と鼻を鳴らした。
(変人とアルメリアを味方に付けてる、この娘…なんなの…なんか持ってるわねェ)
「ンン〜ん、確かに見た事ないし、カネだって幾らでも出したげる……のは、カンタンだわぁ。でも、なぁんか面白くないわネェ。アタシが独占したい技術だしぃ? んまぁ、アヴェントリア全体がコレで埋め尽くされたら革命だわねェ……」
一瞬、冷徹な商人の目が光る。
でも、すぐにまたキラキラした「乙女」な表情に戻って、あたしを指差した。
「ナンカ条件付けさせてもらうわ。そぉねェ……アンタ、闘技場は知ってるかしら? アタシね、昔アソコのチャンプだったのよ? バーサーカーマーコって、名でね。それは、毎日がパラダイスだったわぁ、対戦相手か、魔導器弄くり回すのがアタシの生き甲斐なのよぉぉンッ!って感じで…」
「バ、バーサーカー……マーコ……!? ちょっと待って、その名前のギャップ萌え(?)えぐいんですけどぉ! 5メートル超えのチャンプとか、対戦相手マジでオワタ案件じゃん……!」
凛愛は引きつった笑顔で、マルコの圧倒的な威圧感に耐えていた。
金貨を積んで終わりじゃない、さすがは商業区のドンだ。
ただの「買い上げ」じゃなくて、何かヤバい「条件」をブっ込んでくる気配がぷんぷんする。
「……闘技場、ですか? いや、あたし、ステータスとかガチで詰んでるレベルに弱いんですけど……?そこで戦えって……コトですか?」
凛愛は自分のステータス画面を思い浮かべて、白目を剥きそうになった。
戦場に出たら一秒でログアウトする自信がある。
『……このバカ人間を闘技場に出すとは、マルコとやら、なかなかの審美眼(ドS)だな』
髪の中でチュンペーが、楽しそうに喉を鳴らす。
「ちょ、チュンペー! 笑い事じゃないんですけどぉ! あたしがミンチになったら、アンタの呪いも解けないんだからね!?わかってんのっ!?」
マルコは、凛愛の反応を楽しそうに眺めながら、巨躯を揺らして笑った。
「んっフー!安心なさいなぁ! アンタを直接殴り飛ばすなんて、そんな野蛮なコトしないわよォ。アタシが見たいのは……アンタが、その『魔導器』を武器にして、どこまでアタシをワクワクさせてくれるか、よォン!」
「……スマホを武器に……?」
「そォー! 次の闘技大会で、そのプロトタイプを使って『最高にホォットな戦い』を見せてみなさいな。もしアタシが満足したら……融資どころか、アタシの商網も、アンタの望みも、ぜ・ん・ぶ・叶えてアゲちゃうわよオォン!」
「……あたしの望み……」
孤児院に雑貨屋。あたしの胸に輝くポーション瓶とフィオちゃんの小さな手が蘇った。
エルドリンも興奮し、鼻息荒く身を乗り出す。
「ホォ…面白いじゃないか! 最高の発明には最高の舞台が必要だ! リアちゃん、吾輩がスマホを最強の戦術魔導器にアップデートしてあげるよ。量産化のデモンストレーションとしてはこれ以上ない演出だ!腕がなるね!吾輩!」
アルメリアが妖艶に微笑みながら、凛愛の肩に優しく手を置いた。
「……ふふ、マルコらしいわね。でもリア、心配しなくていいわ。あなたがスマホを通して見せようとしている『新しい戦い方』……私たちがしっかりサポートするから。錬金術の粋を集めた触媒、作らせてもらうわ」
ミリナも、小さな拳をギュっと握って、期待に満ちた無垢な瞳で凛愛を見つめている。
「お姉ちゃん、私、一生懸命応援するからね!」
皆の期待に覚悟を決めた凛愛。
「みんなぁ……マジですか……や、やってやろうじゃん! 物理で殴るのが無理なら、あたしは『ゲーム脳』で勝負してやるんだからねっ!」
凛愛は、自分でも信じられないくらいのデカい声で、マルコの挑戦状を受ける。
現在のステータス
• 名前: 星凛愛
• レベル: 5
• 状況: マルコからの「闘技大会での実演」という難題を受託!
• 次の目標: スマホを使った「戦術」の構築




