第140話:0.8パーセントの衝撃!理系イケメンがガチの真顔になった理由なんですけどぉ!
超巨大魔核炉の内部に到着すると、モリエは案の定、もうもうと蒸気が立ち上るメインボイラーの配管の上で、せっせとデータ収集を行っていた。
制限時間内に見事ターゲットを捉えた凛愛は、腰に手を当てて完璧なドヤ顔を決める。
「やったー! あたしの勝ちー! ギャルの直感ガチだかんね?セルヴァインさん!」
しかし、横に立つセルヴァインは冷徹に時計をパチリと閉じ、静かに首を横に振る。
「……半分正解だ」
「え? なんで……ちゃんと3分以内に見つけましたが!?」
「メモリエルを見つけるだけなら、先ほども言った通り、わたしの管理システムを使えば一秒だ。そんなものに時間を割く意味はない」
「ぐぬぬ……」
手厳しいツッコミを喰らい、凛愛は返す言葉もなく不満げに頬を膨らませる。
「だが、この課外授業において重要なのは、彼女がなぜそこに居るか、だ。それを理解して初めて、情報を行動に結びつけたと言える」
セルヴァインの意図を測りかねて凛愛が首を傾げたその時、ボイラーの上のモリエが、チカチカと電子音を鳴らしながら解析結果のログを空間に投影した。
「警告。魔核炉出力低下を確認。原因、不明。エネルギー損失率、0.8パーセント」
無機質なモリエの報告を聞いた瞬間、それまで余裕を崩さなかったセルヴァインの表情が一変した。
いつも薄く笑みを浮かべていた口元が完全に引き締まり、その瞳の奥に鋭い警戒の色が走る。
ここで初めて、完璧主義者の理系イケメンが完全に真顔になった。
不穏すぎる空気の変化に、凛愛はますます首を傾げる。
「え、ちょっと待って……0.8パーセントって、ぶっちゃけスマホのバッテリーがちょっと減ったくらいで、そんな大したことなくない? スマホならまだ全然余裕でSNS見れるレベルなんだけど……」
そんなのんきなギャルの疑問に対し、セルヴァインはいつになく硬く、緊迫した声で即答した。
「致命的だ。このアーベルーナ・クロニクルにおいて、その数値は都市の崩壊を意味する」
完璧に管理された機械仕掛けの街で起きた、原因不明のわずかな狂い。
それは、力や魔力といった目に見える数値の戦いよりも、遥かに恐ろしい「未知のバグ」がこの領域を蝕み始めている不吉な前兆だった。
現在のステータス
・名前: 星凛愛
・状態:
・ドヤ顔からの空気読み(ビビり): ドヤ顔を完全につぶされ、「え、何この急にシリアスなRPGの裏ボスイベント始まったみたいな空気……ジジイが自爆した時より空気重いんですけど」と、場の緊張感に圧倒されている。
・相棒:
・目を細める雀: セルヴァインの焦りを見逃さず、「フン、あの完璧主義のアーベルーナがこれほど取り乱すとはな。バカ人間、この0.8という数字、お前のスマホの画面とはワケが違うぞ。都市を動かす巨大な魔力のシステムにおいて、1パーセント未満のズレは連鎖爆発の引き金になり得る」と、髪の中で真剣な表情になっている。
・聖光剣アルスカイゼリオン:
・便乗して震える刀身: 「ひえぇ、お、0.8パーセントじゃと!? ワシの切れ味が0.8パーセント落ちたら、大根を切る時にちょっと皮が残るレベルの大問題じゃ! これはガチでヤバい気がするぞ!」と、相変わらずズレた次元で騒いでいる。
・周囲の状況:
・セルヴァイン(ガチ分析中): モリエの出したデータを即座に自分の端末と同期させ、「あり得ない……すべての魔力配管はミリ単位で最適化されている。外部からの干渉か、あるいは……」と、完全に凛愛の存在を忘れて仕事モードに入っている。
・モリエ(データ継続解析): ボイラーの上で、「エネルギーの指向性を追跡中。未知のノイズを感知」と、淡々とトラブルの原因を探っている。
・力: 1
・体力: 1
・素早さ: 3
・知力: 2
・魔力: 0
・運: 60
・スキル: 逃走の極意、魔力感知?




