第137話:数値がすべてじゃない!?理系イケメンの説く強さの定義なんですけどぉ!
東方機械領域アーベルーナ・クロニクルへと向かう魔導船のVIPルーム。
窓の外を流れるピンクの雪景色を眺めながら、ソファーに座るセルヴァインは静かに紅茶のカップを置き、凛愛へと問いかけた。
「リア、君は戦う力を、どう捉えている?」
「え? うーん……」
突然の真面目な質問に、高級クッキーをモグモグしていた凛愛は、人見知りを発動させつつも知力2の頭をフル回転させる。
「グラディアスとかモッフルちゃんみたいな、こう、パワーでオラオラいく脳筋的……な? あとは、ネクロスのジジイみたいな……ウネウネのドレス着てすっごい魔法ぶっ放すやつとか……です、かね?」
「確かに、それらも間違いではない。彼らは、その圧倒的な破壊力を常に100パーセントで出すことができるからな」
セルヴァインは眼鏡のブリッジを指先で押し上げ、冷徹な瞳を凛愛に向けた。
「だが、君は? 突発的に覚醒する事はあるようだが……その不安定な運頼みだけで刹那の生死を分ける状況に挑むのは、命取りに成りかねない」
痛いところを突かれ、凛愛はスクールバッグの紐をぎゅっと握りしめる。
「だって、あたし、ステータスの力も魔力もぶっちゃけゴミだし……どうすればいいわけ?」
「ふむ、わたしも数値的に見れば、冥王クラスでは最下位だ。力も魔力も、下手をすれば君にすら遅れをとるかもしれないな」
「え……? マジで!?」
魔界の頂点に近い七大貴族の長が、まさかの「数値的には最弱」宣言。
驚きのあまりソファーからずり落ちそうになる凛愛。
すると、彼女の髪の中からチュンペーがひょっこりと顔を出し、同意するように鳴いた。
「ふん、嘘ではないようだ。ヤツの肉体から、数値的な強さは何も感じないからな」
元魔王のお墨付きが出たことで、凛愛の脳内はさらにハテナマークでいっぱいになる。
「じゃあ、何でそんなステータスで冥王クラスにいられるの? もしかして、実家が太い七大貴族だからっていう政治的なアレ?」
「ふっ……そうかもな。だが、強さとは、力や魔力が高いだけでは測れないものだ」
セルヴァインは不敵な笑みを浮かべ、眼下に広がり始めた歯車と蒸気の街、アーベルーナ・クロニクルを指差した。
「今のわたしが彼らに比肩する理由は、知識だよ」
力なき者が、いかにして世界の頂点と渡り合うのか。その答えが、今まさに目の前に広がる鉄と蒸気の要塞に隠されているようだった。
現在のステータスと状況の後書き
・名前: 星凛愛
・状態:
・ガチ驚き(フリーズ): セルヴァインが自分並みにステータスが低いと知り、「魔界のボスって全員脳筋のチート野郎だと思ってたのに、まさかの非力枠がいたとか親近感湧くんですけど!」と、少しだけ緊張が解けている。
・相棒:
・値踏みする雀: セルヴァインを観察しながら、「フン、数値が低かろうと、これだけの魔導技術をワンオペで制御する頭脳がある。バカ人間、力任せに勝てぬなら頭を使えということだ」と、珍しく真面目に相棒にアドバイスしている。
・聖光剣アルスカイゼリオン:
・ちょっと復活した刀身: 「なんじゃ、あのイケメンはワシと同じ知性派キャラということか! 親近感が湧くのう! 凛愛、ワシのこの美しく輝く刀身も、知識と洗練されたデザインの結晶なんじゃぞ!」と、船酔いを忘れて自慢を始めている。
・周囲の状況:
・セルヴァイン(不敵な笑み): 自分の領域であるアーベルーナ・クロニクルに魔導船を滑り込ませながら、「ようこそ、知識が力を凌駕する私の箱庭へ」と、これからの授業に自信を覗かせている。
・アーベルーナ・クロニクル(到着): 船の窓の外には、巨大な歯車が噛み合い、蒸気が白く吹き出す、ゴリゴリの機械都市がその全貌を現している。
・力: 1
・体力: 1
・素早さ: 3
・知力: 2
・魔力: 0
・運: 60
・スキル: 逃走の極意、魔力感知?




