第136話:学校サボって連行!魔界の最先端なんですけどぉ!
アザエルから「戦う力を学ぶのだ」と言われ、どーいうコト?と頭を悩ませながら登校していた、いつも通りの朝の途中。
「うわっ、なんか急に暗くなったんだけど……って、ええええ!?」
凛愛の姿をすっぽりと覆い隠す巨大な影が、突如として上空に現れた。
雲を割るようにして現れたその正体に、凛愛は思わず上を見上げて声を上げる。
空に浮いていたのは、ピンクの雪が舞う空を優雅に泳ぐ巨大な魔導船だった。
ファンタジーのゲームでしか見たことのないような非現実的な光景に呆気に取られていると、魔導船の底から凛愛の目の前に向かって、一筋の眩しい光がスッと降りてくる。
その光の粒子が収まると同時に姿を現したのは、セルヴァイン・アーベルーナだった。
彼は、魔界にピンクの雪を降らせ、魔界全体のインフラを構築したとされる七大貴族アーベルーナ家の現当主であり、魔導族を束ねる長でもある超大物だ。
凛愛の髪の中に隠れていたチュンペーも、その姿を見て事態を察し、小さく舌打ちをする。
「ふん、さっそくお出ましか。アザエルの奴、本当に時間がないようだな……」
セルヴァインは冷徹ながらも知性を感じさせる瞳で凛愛を見下ろすと、用件を端的に告げた。
「アザエルに言われてな。今から、君に特別な課外授業を受けてもらう」
「え? いまから? 待って待って、ガッコは!? 」
突然の拉致予告に、凛愛はスクールバッグを抱え直して大慌てで抗議する。
「特例だ、すでに手続きは済ませてある。来てもらうぞ」
セルヴァインがパチンと指を鳴らすと、凛愛の足元が再び強い光に包まれた。
「ちょっとー! ギャルの拉致とかガチでコンプラ違反だからーーーっ!」
抵抗する間もなく、凛愛の身体はフワリと浮き上がり、そのまま上空の魔導船へと強引に吸い上げられてしまった。しかし、なぜか運良く着地した場所にはふかふかのクッションが敷かれており、無傷どころか非常に快適な拉致であった。
魔導船がガタガタと音を立てて進路を変え、猛スピードで向かう先は……。
東方機械領域「アーベルーナ・クロニクル」
そこは、魔導機兵と蒸気機関が異常なまでの発達を遂げた、黒い煙と歯車が噛み合う巨大な工業地帯。そして、今まさに凛愛を連行したセルヴァイン・アーベルーナの絶対的な本拠地であった。
戦う力を学ぶための、あまりにも容赦のないガチの課外授業が、ギャルの意思を完全に無視して幕を開けようとしていた。
現在のステータスと状況の後書き
・名前: 星凛愛
・状態:
・強制拉致: 「朝のJKを拉致るとか!」と荒ぶっているが、運60のおかげで船内のVIPルームの高級ソファーにすっぽり収まっており、お菓子まで支給されている。
・相棒:
・冷静な雀: 魔導船の豪華な内装を見渡しつつ、「フン、アーベルーナの小僧の船か。バカ人間、大人しく腹を括れ。アザエルがわざわざこいつに預けたということは、それだけ過酷な授業になるということだ」と、髪の中で羽を整えている。
・聖光剣アルスカイゼリオン:
・船酔いしかけの刀身: 「うぷっ……ワシ、実は乗り物に弱いんじゃ……誰かワシの柄に酔い止めバンドを巻いてくれ……いや、それにしてもあのセルヴァインとかいう男もなかなかの男前じゃな。この物語、イケメンが多すぎてワシの影が薄くならんか心配じゃ」と、別の意味で震えている。
・周囲の状況:
・セルヴァイン(淡々と操縦): 凛愛の抗議を綺麗にスルーし、「これよりアーベルーナ・クロニクルへ入る」と、冷静に魔導船を加速させている。
・アーベルーナ・クロニクル(接近中): 窓の外には、無数の歯車と蒸気の煙が立ち上る、ファンタジーとスチームパンクが融合した壮大な機械都市が見え始めている。
・力: 1
・体力: 1
・素早さ: 3
・知力: 2
・魔力: 0
・運: 60
・スキル: 逃走の極意、魔力感知?




