第124 話:ジジイの乗っ取り計画と、ハニトラ継続中の裏切りエロ剣なんですけどぉ!
完全なる勝ち確を確信し、極寒の夜空に醜い高笑いを響かせるネクロス。
身動きの取れない凛愛を前に、実体のない精神体となった死霊術師は、我が世の春を謳歌するように言葉を重ねる。
「ウィッヒヒヒ! 全て儂の思惑通りよ。アザエルが妙に期待を寄せておる勇者とやらも、儂の手にかかればこの有様じゃわい!……ふむ、そうじゃな。ここでただ殺すより、その勇者の身体を儂が乗っ取って、儂自身がその身体で聖光剣を振るうというのは、どうじゃ?」
「は、身体を乗っ取る……!?」
「さすれば、アザエルをも欺き、この魔界を統べるのなど容易かろうて! ウィッヒッヒ!」
ネクロスの恐ろしい提案に、凛愛は全身の毛が逆立つような恐怖を覚えた。
「いやあぁぁあっ!! ギャルの中にジジイが入ってくるとかマジで世紀末のホラーすぎて無理だから!!」
『ふん、ジジイに乗っ取られ、自分の身体で魔界征服の成りすましをされる……か。おいバカ人間! 本当にそれで良いのか?』
髪の毛の中から、チュンペーがこれまでになく真剣で、どこか焦りを含んだ念話を飛ばしてくる。
「良いワケないでしょー!! ちくしょー! あたしの運60! 頼むから今すぐ仕事してっ!!」
「ウィッヒ! 嫌がっても無駄じゃて。さて、主を失って儂の乗り物となるその様を、あの忌々しい聖光剣の野郎にも特等席で見せてやろう! お前たち、あの剣をここへ持ってこい!」
ネクロスが虚空に向かって命じると、闇の奥から気の抜けた、だけど若々しい声が返ってきた。
「はぁい、ネクロスさまぁん」
現れたのは、先ほど冥王寮からエロ剣を連れ去った、あの謎の4人の美女たち。
そしてその中央には、お姉さんたちの柔らかな手できっちりとホールドされた、黄金の聖光剣アルスカイゼリオンの姿があった。
しかし、いぜんとしてその変態聖剣は、ネクロスの城に捕らえられているというのに「むほぉぉ!」っと、だらしのない興奮の念波を撒き散らしている。
「ちょ! エロ剣!! あたしがマジで人生最大のピンチ迎えてんのに、あんた何いまだに大人しく捕まったままデレデレしてんのよ! 早くその聖なる光で周りのお姉さんたちを……じゃなくて、あたしを助けなさいよ!!」
凛愛が必死の形相で叫ぶと、エロ剣は実に情けない、締まりのない声で返してきた。
「すまぬ! 勇者よ! ワシとて凛愛を助けたい気持ちは山々なのじゃが……この4人の美女達があまりにも艶めかしくてな! この肉感、この芳醇な香り……! ワシの聖なる本能が、どうしても彼女たちに抗えぬのじゃ! いやむしろ、もっと強く握ってくれーー!!」
「このバカーーーッ!! 何が聖なる本能よ、ただの煩悩の塊じゃん!!」
勇者と聖剣の、あまりにも緊張感の欠片もない内輪揉めを前に、ネクロスはフンと鼻で笑った。
「ウィッヒ! 勇者も聖剣も形無しじゃな? では、その若くてピチピチした身体、儂が美味しく頂くとしよう!」
声だけのネクロスが、ネバついた魔力の気配を膨らませて凛愛の身体へと迫る。
エロ剣の買収ハニートラップが継続する中、ついに肉体を奪われる寸前まで追い詰められたギャル勇者は、この絶対絶命の状況でさらなる奇跡を引き起こせるのだろうか。
現在のステータス
・名前: 星凛愛
・状態:
・乗っ取りの危機(超絶拒絶): 「ジジイが中に入ってきたら、あたしの知力2がマイナスになっちゃうじゃん!」と、別の恐怖でもパニックを起こしている。
・相棒:
・臨戦態勢雀: バカ人間が乗っ取られれば自分の隠れ家(髪の中)も失うため、いざとなれば雀の姿のまま魔王の片鱗を見せてネクロスの精神体を噛みちぎろうかと画策している。
・聖光剣アルスカイゼリオン:
・ハニトラ永続中: 「凛愛のピンチは大変遺憾じゃが、ワシを抱くこのお姉さんの二の腕の柔らかさもまた、国家予算レベルの遺産じゃからな……」と、脳内で勝手に言い訳を作っている。
・周囲の状況:
・ネクロス(精神体): 聖剣の無力化が完璧である(※エロいだけ)ことを確認し、意気揚々と凛愛の精神世界へと侵入を開始しようとしている。
・4人の美女: 「ネクロス様、この剣、さっきから刀身がすごく熱を帯びてて、なんだかエロい目で見てくるような気がするんですけど……」と、少し引きながら聖剣を差し出している。
力: 1
体力: 1
素早さ: 3
知力: 2
魔力: 0
運: 60
スキル: 逃走の極意、魔力感知?




