第118話:あの超絶覚醒を再現せよ!エロ剣のポンコツアドバイスと、元魔王のガチ説教なんですけどぉ!
「あの超絶覚醒を自在に操る……かぁ」
ベッドの上をゴロゴロと転がりながら、凛愛は知力2の脳みそをフル回転させて考えていた。
だけど、どれだけ考えてもやっぱり答えなんて出てこない。
あのマグマ地獄のとき、腰の聖光剣アルスカイゼリオン――通称エロ剣も、覚醒した瞬間はまるで別人のように神々しくて格好良かった。
つまり、あの現象は凛愛だけの問題ではなく、装備も含めて何かが完全に噛み合った瞬間にだけ起きる奇跡のようなものだったのだ。
「今のあたしに何が足りないんだろう?」
凛愛は、ベッドの隅に立て掛けてある聖光剣に聞いてみる。
「ねぇ? エロ剣。あのときの覚醒でさ、何か気づいたことない?」
すると、鞘の中からいつもの軽薄で、締まりのない鼻息混じりの声が返ってきた。
「むふ、ズバリ色気じゃな! 凛愛のギャルな姿も良いが、あのミラ殿のような、大人の余裕から溢れ出る妖艶さ……! ああいう艶やかな色気が加われば、ワシも一瞬で限界突破して真の力を解放できる気がするぞ!」
「そんなコト聞いてんじゃねーよ!!」
凛愛はベッドの枕を掴み、容赦なく腰の剣に向かって叩きつけた。
「ダメだ、こいつ!シリアスな話をしようとしたあたしがバカだったわ……」
中身はいつものブレないポンコツエロ剣である。
だけど、冗談はさておき、あの時の感覚だけは今も確かに身体が覚えているのだ。
グラディアスの圧倒的なマグマを前にしたとき、確かに勇者セリアの神聖な意思を感じ、メモリエルとエロ剣をどう扱えばいいのか、その最適な正解ルートが身体の奥から勝手に湧き上がってきた。
なのに、今はあの感覚にどうやってアクセスすればいいのかが、さっぱり掴めない。
そんな凛愛の葛藤を見透かしたように、髪の中からチュンペーが、いつになく真面目で重みのある苦言を呈してきた。
『……バカ人間よ。あの時、グラディアスとの対峙で見せたあの覚醒は、セリアの力だけではない。紛れもなく貴様自身の魂が引き起こした姿だ。今の貴様に圧倒的に足りないものがあるとすれば、それは「意思の強さ」だ』
「意思の強さ……?」
『そうだ。貴様はいつも、目の前の危機を運良く脱した途端、すぐに腑抜ける悪癖がある。喉元過ぎれば熱さを忘れる典型だ。あの時の「絶対に生き残る、何としても目の前の絶望を打ち破る」という極限の意思を、セリアは伝えたのだ……平穏な時でも常に保ち続ける精神力がなければ、あの領域に自力で至ることなど到底不可能だぞ』
元魔王らしい、本質を突いたガチの説教。
図星を突かれた凛愛は、ぐぬぬ……と声を詰まらせて布団に顔を埋めた。
運60という幸運のチートにかまけて、すぐに緊張感をゴミ箱にポイしてしまうギャル特有のハッピー脳。
自力覚醒への道は、スキルやステータスの問題ではなく、凛愛の「腑抜けメンタル」を叩き直すという、一番過酷な精神論の壁に阻まれているのだった。
現在のステータス
・名前: 星凛愛
・状態:
・メンタル課題直面: チュンペーのガチ正論に言い返せず、知力2の頭で「意思の強さとか、ギャルに一番遠い言葉なんですけど……」と頭を抱えている。
・エロ剣への怒り: 真面目な雰囲気を台無しにしたアルスカイゼリオンを、あとで泥水に突っ込んでやろうかと画策中。
・相棒:
・ガチ指導官雀: 凛愛をただのラッキーガールで終わらせないため、『あの覚醒をコントロールできれば、魔界のパワーバランスを完全に我が手中に……いや、このバカ人間の生存率が上がるからな』と、ツンデレ混じりに彼女の精神的成長を促そうとしている。
・聖光剣アルスカイゼリオン:
・反省の色なし: 「枕をぶつけるとは何事じゃ! ワシはただ、ミラ殿の素晴らしいプロポーションについて熱く語っただけではないか! 表現の自由を弾圧するな!」と、相変わらず騒いでいる。
・周囲の状況:
・冥王寮の廊下: アザエルが「星凛愛、ルクレシア戦のあとも一切油断した様子がないな。あの沈黙……早くも次なる高みへと至るための瞑想に入っているというのか」と、部屋の外で勝手に評価を高めている。
力: 1
体力: 1
素早さ: 3
知力: 2
魔力: 0
運: 60
スキル: 逃走の極意、魔力感知?




