第16章:毒対毒
第16章
リー・サンは深く息を吸い、アレックスに尋ねた。
「アレックス、今の俺のステータスポイントとゴールドはどれくらいある?」
アレックスは答えた。
「現在、20ステータスポイントと50,025ゴールドを所持しています。ステータスポイントを使用しますか?」
リー・サンは迷うことなく答えた。
「そうだ。俺はまだ十分に強くないと気づいた。二度とあの無力感を味わわないためにも、もっと力を高める必要がある。」
「筋力:25 敏捷:14」
「速度:21 防御:10」
「スタミナ:10 シャドウエネルギー:5」
「知力:10 知覚:10」
画面を見ながら、リー・サンは静かに言った。
「フロア2で、どんな敵が俺を待っているのか気になるな。でも今回は……俺は一人じゃない。」
アレックスは答えた。
「あなたは司令官やジェネラルを支援として使用できます。ただし、彼らはあくまで支援としてのみ使用できます。全ての司令官と全てのジェネラルは、あなた自身の手で倒さなければなりません。そうでなければ、そのフロアはクリアされません。」
リー・サンは言った。
「なんだ、そのルールは?」
アレックスは答えた。
「これがシステムのルールです。その目的は、あなた自身が全ての戦闘から経験を得ることを保証するためです。司令官を倒すたびに、さらに強い司令官と戦うことになります。そしてジェネラルを倒すたびに、さらに強いジェネラルと戦うことになります。あなたはすでに『リヴァイブ』の能力を犠牲にしました。もし負ければ……今回は、死あるのみです。」
部屋に数秒間、沈黙が満ちた。
リー・サンは拳を強く握りしめた。
「なら、まず俺自身が強くならなければならない。もう危険を冒す余裕はない。」
彼が部屋から出た、その時。
チャン・テスが彼に向かって歩いてくるのが見えた。
「リー・サン。」
リー・サンは立ち止まった。
「はい?」
チャン・テスは少し笑った。
「お前があそこで何をしたのか、私はすでに全て知っている。」
リー・サンは一瞬驚いた。
彼を見ながら、チャン・テスは言った。
「そんなに心配するな。私について来い。」
二人はハンター協会の会長室へ到着した。
チャン・テスは椅子に座り、真剣な表情で言った。
「お前がいつ、どうやってこの力を手に入れたのかは分からない。だが、一つだけ分かっていることがある。お前は我々の民を脅かしていた大きな脅威を排除した。」
少し間を置いて、彼は続けた。
「お前が簡単に人を信用できないことは分かっている。だが、我々を友人だと思ってくれていい。他人の命を救う者を、敵にしたいとは思っていない。」
「この王国の人々のために、お前がしてくれたこと全てに感謝している。」
「そして、もしお前が自分の正体を隠したいのであれば、ハンター協会は全面的に協力する。」
リー・サンは少し考えてから、静かに話した。
「俺が信頼しているのは、友人とリリーだけだ。でも、あなたが彼女の先輩なら……今は、あなたを信じるしかない。」
チャン・テスはかすかに笑った。
「ここで働く者は、全員私が信頼している者たちだ。」
「お前に一つ提案がある。」
リー・サンは彼を見る。
「もしよければ……ハンター協会のプライベートハンターとして働かないか?」
リー・サンはしばらく黙った。
「プライベートハンター……。」
彼は心の中で考えた。
「もっと強くなりたいのなら……これは俺にとって良い機会かもしれない。」
チャン・テスは言った。
「この決断をすれば、あらゆる面でお前を支援すると約束しよう。」
リー・サンは少し笑って言った。
「この老人……なかなか抜け目がないな。」
そして、直接答えた。
「今はあなたの申し出を受ける。でも、俺は自分のやり方で行動したい。」
チャン・テスは頷いた。
「申し出を受けてくれて嬉しい。」
リー・サンは再び口を開いた。
「でも、ここに留まることはできない。俺は自分のプライバシーを大切にしている。普通の人間のように暮らしたい。」
チャン・テスは笑った。
「お前の望むようにするといい。」
リー・サンは彼を見て言った。
「俺からも一つ頼みがある。」
「言ってみろ。」
「俺の仲間たちもハンター協会で訓練を受けられて、住む場所も与えられるなら……彼らはすぐにもっと強くなれる。」
チャン・テスはすぐに答えた。
「国王と話してみよう。」
リー・サンは軽く頷き、部屋を出た。
次の目的地は、すでに決まっていた……。
Cランクダンジョン。
リー・サンは真っ直ぐCランクダンジョンへ向かった。
ゲートの外では、すでに数人のハンター協会のメンバーが彼を待っていた。
そのうちの一人のハンターが彼のもとへ歩いてきた。
「リー・サンさん、今回は何人のハンターを連れて行きますか?」
リー・サンは何も考えずに答えた。
「今回は、俺一人で行く。」
そう言って、彼はそのままCランクゲートを通り抜けた。
ゲートを越えた瞬間、重く恐ろしいオーラが彼の身体へと襲いかかった。
「これが……Cランクダンジョンか……。」
彼は深く息を吸った。
「これがダンジョンボスの力なのか?ここからでも、その存在を感じる。」
彼は歩き続けた。
しばらくすると、数体のモンスターと遭遇した。
リー・サンはすぐに手を上げた。
「シャドウアーミー……出てこい。」
黒い霧と共に、マークとシャドウソルジャーたちが彼の前に現れた。
リー・サンは命令した。
「お前たちは全員、このモンスターたちを片付けろ。」
「はい、我が主君。」
次の瞬間、シャドウソルジャーたちはモンスターへ突撃した。
至るところで激しい戦闘が始まった。
立ち止まることなく、リー・サンとマークは戦場を進み、ダンジョンボスへ向かって真っ直ぐ進んでいった。
しばらくして、二人は巨大な石の扉の前で立ち止まった。
リー・サンはマークを見た。
「マーク……俺を援護してくれ。」
マークは頭を下げた。
「仰せのままに、我が主君。」
扉が開き、二人は中へ入った。
しかし、リー・サンが部屋を見渡した瞬間、足を止めた。
ここは普通のボスルームではなかった。
ホール全体が古代の暗い建物のようだった。
静寂が空気を支配し、光もほとんどなかった。
リー・サンは静かに言った。
「ここは……どこだ?」
突然、暗闇の中から強烈な咆哮が響き渡った。
次の瞬間、巨大な黒い頭部が猛烈な速度でリー・サンへ飛びかかってきた。
「我が主君!」
マークは瞬時にリー・サンを掴み、後ろへ引き下げた。
マークがリー・サンを救った。
二人が光のある場所まで移動すると、ついに初めてそのモンスターの全身が見えた。
巨大な黒い蛇……。
その目は血のように赤く、黒い鱗が全身を覆っている。
ブラックバイパー。
マークは剣を強く握った。
「我が主君……奴は気配を隠すことに長けています。そして、非常に速いです。」
リー・サンはかすかに笑った。
「ああ……そして、暗闇の中で戦うのは愚かだな。」
二人は明るく照らされた場所へ移動した。
バイパーも二人を追ってきた。
リー・サンは短剣を抜いた。
「試してみよう……毒には毒が効くのか。」
ブラックバイパーは大きくシューッと音を立て、全速力でリー・サンへ突進した。
リー・サンは横へ飛び、その攻撃をかわした。
しかし次の瞬間、バイパーは長い尾を鞭のように振り回した。
ドゴン!
リー・サンは空中へ吹き飛ばされ、地面へ叩きつけられた。
彼は痛みに歯を食いしばった。
「あの攻撃……。」
バイパーはすぐに彼へ突進し、丸ごと飲み込もうとする。
しかし、その瞬間、マークがその尾を強く掴み、全力で後ろへ引っ張った。
バイパーの巨大な身体が引き戻される。
リー・サンはゆっくりと立ち上がった。
「思ったほど簡単じゃないな。」
肩を押さえながら、彼は言った。
「この鎧がなかったら……あの攻撃で骨が砕けていた。」
彼はマークを見る。
「奴の注意をお前に引きつけてくれ。」
マークはすぐに答えた。
「仰せのままに、我が主君。」
二人はそれぞれ別の方向からバイパーへ向かって進んだ。
ブラックバイパーは怒りの咆哮を上げ、二人へ突進した。
突然、身体をひねり、再び尾を鞭のように振り回した。
今度はリー・サンもすでに準備していた。
彼は低く身をかがめ、簡単に攻撃をかわした。
そしてすぐにマークへ合図を送った。
二人は反対方向へ走った。
バイパーは困惑したように周囲を見回した。
突然、マークがその目の前に現れた。
バイパーは全ての注意をマークへ向けた。
その瞬間、リー・サンはその下へ飛び込み、頭部の下側へ向かって攻撃を仕掛けた。
「俺から目を離すべきじゃなかったな。」
彼は短剣の一本をバイパーの下顎へ真っ直ぐ突き刺した。
ブラックバイパーは苦痛の咆哮を上げ、激しく頭を振った。
リー・サンは後ろへ吹き飛ばされた。
深く息を吸い、彼は言った。
「この野郎……かなり頑丈だな……。」
マークがリー・サンの前へ出て、バイパーへ向かって進んだ。
マークはすぐに空中へ飛び上がり、バイパーの上を通り過ぎた。
バイパーは口を開き、空中にいるマークを飲み込もうとした。
しかし、その瞬間、リー・サンは二本目の短剣を抜き、全速力で前へ飛び出した。
「言っただろ……俺から目を離すべきじゃなかったって。」
彼は両方の短剣を同じ傷口へ突き刺し、全力で下へ引き裂いた。
ブラックバイパーの苦痛に満ちた叫び声が、ボスルーム全体に響き渡った。
怒り狂ったバイパーは再びリー・サンを吹き飛ばし、暗闇の中へ逃げようとした。
「マーク!」
一言の命令で、マークはバイパーの尾を掴み、光の中へ引き戻した。
リー・サンは、バイパーの動きが遅くなっていることに気づいた。
その身体が何度も震えている。
リー・サンの顔に笑みが浮かんだ。
「どうやら……俺の毒が効いているようだな。」
マークは壁のように彼の前に立った。
怒り狂ったバイパーはマークへ突進した。
しかし、その速度はもはや以前と同じではなかった。
その瞬間を利用し、リー・サンは稲妻のような速さでバイパーの身体へ飛び乗った。
彼は空中へ飛び上がり、叫んだ。
「何度も俺から意識を逸らしたな。今、その代償を受けろ。」
彼は両方の短剣をバイパーの頭へ突き刺した。
何度も……連続して攻撃する。
ついに、ブラックバイパーの目から光が消えた。
その巨大な身体が轟音と共に地面へ崩れ落ちた……。
マークの目の前へ。
リー・サンはその頭の上に立った。
短剣を肩に乗せ、彼は言った。
「お前は弱さを隠すことはできた……だが、恐怖までは隠せなかった。」




