第15章:シャドウアーミー
第15章:シャドウアーミー
マークとシャドウソルジャーたちは、リー・サンのもとへ歩いていった。
マークは片膝をつき、頭を下げた。
「我が主君、我々は全ての敵を排除しました。」
リー・サンは信じられない様子で周囲を見渡した。
戦場は魔王軍の死体で覆われていた。
「これが……ジェネラルの本当の力なのか……」と、彼は心の中で思った。
彼はマークを見て頷いた。
「よくやった、マーク。」
マークはさらに深く頭を下げた。
「ありがとうございます、我が主君。」
一秒も無駄にせず、リー・サンは仲間たちのもとへ走った。
全員が負傷していた。
リリー、ユナ、ハナ、ミンホ、ジェヒョン、デフンはまだ意識を保っていたが、トニーは地面に倒れたまま意識を失っていた。
リー・サンはすぐに彼のもとへ駆け寄った。
「トニー……トニー!」
返事はなかった。
リー・サンがシステムからヒーリングポーションを購入しようとした、その時、マークが前へ出た。
「我が主君、許可をいただけるのであれば、我々が彼らを治療できます。」
リー・サンは驚いて彼を振り返った。
「お前たちにそんなことができるのか?」
マークは敬意を込めて頷いた。
「はい、我が主君。我々のシャドウアーミーには、3人のヒーラー・シャドウソルジャーがいます。主君が命令するだけでよいのです。」
リー・サンはしばらく黙った。
「シャドウアーミーには、ヒーラーまでいるのか……。」
そんなことは予想していなかった。
彼は迷うことなく命令した。
「全員を治療しろ。」
リー・サンの命令を受け、3人のヒーラー・シャドウソルジャーが前へ出た。
彼らが手を上げると、手のひらから柔らかな青い光が流れ始めた。
青い光がゆっくりと負傷した勇者たちを包み込む。
数秒もしないうちに、彼らの傷が治り始めた。
折れた骨が元に戻る。
出血が止まる。
そして、彼らの力が徐々に戻っていく。
数秒後、トニーがゆっくりと目を開けた。
勇者たちは互いを驚いた様子で見つめた。
まるで、最初から負傷していなかったかのようだった。
リー・サンは安堵のため息をついた。
その後、彼の目に生き残った王国兵士たちが映った。
彼らは命を助けられていた。
リー・サンは生き残った王国兵士たちを見た。
そして静かに言った。
「彼らに俺のことを知られるのはよくない……。でも、彼らを殺したくもない。」
マークがすぐに前へ出た。
「我が主君、お望みであれば、彼らの記憶を書き換えることができます。」
リー・サンは驚いて彼を見た。
「本当にそんなことができるのか?」
マークは敬意を込めて頭を下げた。
「はい、我が主君。」
リー・サンは数秒間黙った後、命令を下した。
「ここで起きたことに関する、彼らの記憶を全て消せ。」
マークは片手を前へ出した。
「仰せのままに、我が主君。」
黒い霧が戦場全体へ広がり、全ての王国兵士を包み込む。
黒い霧は数秒間彼らを覆った後、ゆっくりと消えていった。
兵士たちが目を開けると、その顔には困惑が浮かんでいた。
誰一人として何が起きたのか思い出せなかった。
まるで、戦い全体が彼らの記憶から消え去ったかのようだった。
その時、リー・サンは突然、多数の強力な気配が近づいているのを感じた。
彼はすぐに尋ねた。
「アレックス……誰が来ている?」
アレックスは落ち着いた声で答えた。
「ハンター協会のメンバー、王国近衛兵、そして全てのギルドマスターが、あなたのいる場所へ向かっています。」
リー・サンはマークとシャドウアーミーをちらりと見た。
何も言わないうちに、全てのシャドウソルジャーが黒い煙へと変わり、リー・サンの影の中へ消えていった。
数分後、残りの勇者たちもゆっくりと立ち上がった。
リリーは困惑した目でリー・サンを見つめた。
「リー・サン……あのシャドウソルジャーたちは何だったの?」
彼女はためらいながら、もう一つ質問した。
「それに……どうして彼らはあなたを『我が主君』と呼んでいたの?」
リー・サンは深く息を吸った。
「今は全てを説明する時間がない。」
「後で、みんなに真実を話す。」
「だが今は、この状況に対処しなければならない。」
全員が黙って彼の次の言葉を待った。
リー・サンは一人一人を見つめ、力強く言った。
「彼らが到着したら、魔王軍の司令官を勇者たちが倒したと、全員が信じなければならない。」
リリーは数秒間考えた。
そして頷いた。
「分かった……私に任せて。」
数分後……。
ハンター協会、王国近衛兵、そして全てのギルドマスターが戦場へ到着した。
目の前の光景を見た瞬間、彼らは凍りついた。
地面は無数の魔王軍の死体で覆われていた。
戦場全体が血の海と化していた。
その中央には、勇者たちのチームだけが立っていた。
ハンター協会会長のチャン・テスが前へ出た。
リリーが彼のもとへ歩いていく。
チャン・テスの顔に安堵の笑みが浮かんだ。
「みんなが生きていてよかった。」
しかし、すぐに彼の表情は真剣なものへ変わった。
そして周囲を見渡す。
「では、何が起きたのか話してくれ。」
「魔王軍の司令官と、その全軍を誰が倒した?」
「お前たちの力では、彼を倒せるほど強くなかったはずだ。」
他のギルドマスターたちも彼の後ろに集まり、答えを待っていた。
リリーは深く息を吸った。
「……説明するのは難しいです。」
全員が彼女へ意識を集中させた。
リリーはゆっくりと話し始めた。
「魔王軍の司令官が、勇者たちを殺すためにここへ来ました。」
「彼は、今ここで勇者たちを排除しなければ、将来、勇者たちが魔王にとって大きな脅威になると言っていました。」
その場全体が静まり返った。
リリーは続けた。
「勇者たちがまさに殺されようとした、その時……彼らの力が突然増しました。」
「そして、全員で反撃し、魔王軍の司令官とその全軍を倒したのです。」
リリーが話し終えた瞬間、彼女の視界がぼやけた。
身体から力が抜ける。
彼女はその場に倒れた。
チャン・テスは彼女が地面に倒れる前に、すぐに受け止めた。
彼は疲れ果てた勇者たちを見た。
「お前たちはよく戦った。」
そして、すぐに命令を下した。
「この地域全体を封鎖しろ。」
ハンター協会のメンバーたちがすぐに戦場を取り囲んだ。
王国近衛兵が全ての入口を封鎖し、その地域全体が立入禁止区域に指定された。
その後、勇者たちは治療と休息のため、ハンター協会本部へ護送された。
勇者たちはハンター協会本部へ運ばれた。
そこで全員が適切な治療を受け、休むための部屋を与えられた。
しばらくして、リリーが意識を取り戻した。
彼女は一言も言わずベッドから起き上がり、そのままチャン・テス会長の執務室へ向かった。
チャン・テスは薄い笑みを浮かべて彼女を見た。
「お前は昔から演技が上手かった。」
「人を騙すのが驚くほど上手いな。」
しかし、その笑みはすぐに消えた。
彼の表情が真剣になる。
「では、話してくれ……」
「戦場で本当は何が起きた?」
リリーは深く息を吸った。
そして、彼に全てを話した。
シャドウアーミー……。
マーク……。
そして、リー・サンの本当の力。
彼女は何一つ隠さなかった。
チャン・テスは数秒間黙っていた。
「シャドウアーミー……。」
彼は椅子にもたれ、深く考え込んだ。
長い沈黙の後、彼はようやく口を開いた。
「リリー……今は、これは我々二人だけの秘密にしておかなければならない。」
「この王国は、すでに一度リー・サンとの関係を悪化させている。」
「私は彼に我々の側に立ってほしい。」
「できる限り、彼を助けなければならない。」
彼は窓へ歩いていき、外を見つめた。
「小さな敵を倒した後なら、誰でも喜ぶことができる……」
「だが、いつか我々は本物の怪物と戦わなければならない。」
「その日が来た時、我々にはそれに立ち向かえるほど強い者が必要になる。」
「そうでなければ、この王国も……その民も守ることはできない。」
―――
その頃……。
リー・サンは一人で自分の部屋に立っていた。
彼はシャドウアーミーを召喚した。
黒い影が部屋全体へ広がる。
その中からマークが姿を現し、すぐに片膝をついた。
「我が主君。」
リー・サンは彼を見る。
「俺たちが第一階層で戦った時、お前は一度も俺に話しかけなかった。」
「お前は俺を殺そうとしていた。」
「だが今のお前は話すことができて、完全に俺に忠実だ。」
「なぜだ?」
マークは敬意を込めて頭を下げた。
「我が主君……何をおっしゃっているのですか?」
「私が主君に武器を向けるなど、考えることさえできません。」
「私の記憶では、主君に会ったのは二度だけです。」
「最初は、主君の気配を感じた時です。我々全員が、すぐに主君の前で跪きました。」
「二度目は、主君が我々をシャドウアーミーとして召喚した時です。」
「それ以外のことは……何も覚えていません。」
リー・サンはしばらく黙っていた。
そして、窓の向こうに広がる闇へ目を向けた。
「俺はシャドウスローンへ到達しなければならない……」
「そして、そのためには……まだ99階層を攻略しなければならない。」
マークはすぐに再び片膝をついた。
胸に手を当て、絶対的な忠誠を込めて言った。
「我が主君……私が存在する限り、私の剣はあなた様だけのものです。」
リー・サンは黙ってマークを見つめた。
彼の最初のジェネラル……。
彼の最初の、本当の忠実なる戦士……。
そして、いつの日か世界全体を震撼させる軍隊の始まりだった。




