不正 sideソルテ
こんにちは!
現役小学生小説家(自称)の満月です!
あっという間に第4話です!楽しんでください!
公爵家のテストを受け終わり、スラム街へ戻った私。転生特典があって本当によかった。それにしても、国を救うってどういうことだろう。国が何か問題を抱えているのかしら。
今日も、朝早く起きて格安市場でパンを買った。
「焼きたてだよ〜!パンひとつ銅貨3枚!お、孤児会のお嬢ちゃんじゃねぇか。」
「パンひとつください。」
「はいよ。一個でいいのかい。おちびちゃんたちも食べるんだろ?」
「あ、みんなは別の街に移りました。」
神様のことは誰にも話せないから、咄嗟に嘘をついてしまった。
「え!別の街に行ってしまったのかい?あそこの坊主たちにまた会いたかったなぁ。」
「お知らせしなくてすいません。」
嘘をついた罪悪感はあるけど、仕方ない。
「で、お嬢ちゃんは市場で働いてるのかい?」
「え、あ、宮殿の下働きになろうかと。」
「そうかいそうかい。体調には気をつけてな。」
パン屋の店主さんは笑いながら、私の差し出した銅貨3枚と、パンを交換してくれた。
宮殿の門の前には昨日はいなかった禍々しいオーラを放った二人組が構えていた。
私は一瞬怖気付いたけど、宮殿の中に入るには門を突破しなければならないので、門へ向かった。
やっとの思いで門に辿り着いた私はまたもや門を通れなかった。
二人組の背の高い方が私に説明した。
「私たちと一緒に来てもらう。」
「はい?今なんて?」
「私たちと一緒に来てもらうと言ったんだ。」
「なぜです?宮殿に入れてほしいのですが。」
「国王陛下の命令だ。お前は今日から男爵家の教室で教育を受ける。自分の持ち物はクラフィディアの寮に持っていけ。そこで寝泊まりする。1時間後にこの門に来い。」
荷物がもともとないので、お世話になった人に挨拶に行くことにした。
まずは私たちが働いてた露店の女将さん。
「女将さん、今までありがとうございました。」
「どうしたんだい?急に挨拶なんかしにきて。」
「宮殿の下働きになることになりました。他のみんなは隣町へ移りました。」
とりあえずそういうことにしておこう。
「お、それはよかったねぇ。怪我と病気に気をつけるんだよ。」
「ありがとうございます。これ、色々と安売りしてくださったお礼です。」
そう言って、女将さんに銅貨を1枚渡した。
銅貨はあと8枚。
次はパン屋の店主さん。
「またあったな、孤児会のお嬢ちゃん」
「実は今日から宮殿の下働きになることになって……挨拶に来ました。」
「おう。元気でな。」
「あと、今まで割引してくれたお礼です。」
パン屋の店主さんにも銅貨を1枚渡した。
銅貨はあと7枚。
最後にお母さんのお墓。
「お母さん、私、宮殿で働くことになったよ。今までごめんね。今までありがとう。」
お母さんのお墓にお墓に銅貨を1枚供えた。
銅貨はあと6枚。
きっと学舎でもお金を使うかも。残りはポケットにしまった。
「お前、荷物はどうした?」
約束の時間通り門に戻ると、二人組の背の低い方に聞かれた。
「孤児なので、荷物がありません。」
「孤児か。処分待ちになるわけだ。」
「処分待ち?」
「聞いていないのか?お前は国王陛下からの処分を待つ身だぞ。」
「そうなんですか。」
もし処分されたら国を救うミッションが果たせない……。どうにか処分されずに済めばいいけど……。
「ついたぞ。」
案内されたのはボロボロの狭い平家。一部屋しかないことが一目でわかった。
これはみんなが病気に気をつけろっていうわけだ。明らかに不潔そう。
後から聞いた話だと、私が案内されたところは下働き用の寝泊まり部屋だったらしい。
まあ、泊まれるだけいいか。
あのぼろ屋は内装もひどかった。蜘蛛の巣が至る所に張ってあり、埃まみれで、虫がわいている。ネズミもたまに現れる。
神様にいただいた魔法で、虫が出るたびに外にイリュージョンさせるけど、外に出しても出しても、虫やネズミは絶え間なく現れる。
転校初日、男爵家じゃないことも早速広まって私はクラスで浮いていた。
転校翌日には、学舎全体に噂が広まって、廊下を通るたびひそひそと陰口を叩く声が聞こえる。私は孤児なだけあって、危険がわかるぐらい耳がいい。
授業が終わり、ぼろ屋に帰りたくなくて街を歩いていると、路地で通信魔石で密輸の話をしている人たちを見つけた。見た目からしてごろつきっぽい。耳が良くて本当によかった。周りに人がいないことを確認して、注意した。わかってなさそうだったから持ち前の魔法でちょっと懲らしめてやった。この国が滅びると私も困るから……
これ以上評判が悪くならないように、これまた神様にいただいたマナーの良さも役に立った。貴族に匹敵するレベルだ。
話し方も貴族同然。「貴族ぶってんじゃないわよ!」と誰かに言われたことはあったけど。名前は忘れたけど、とある理由であの人のことが大っ嫌い。確か、”ヴィ何とか・ル・ハーバート”とかいう名前の人だったっけ。「ル」って名前に入っていたから公爵令嬢なんだとは思ったけど、取り巻きをたくさん連れていて結構強情そうだったな。権力持ってそうな家柄で、私のことが嫌いそうだった。私もあの人のこと嫌いだけど。
今日も廊下で王太子殿下が令嬢たちに顔拝まれてたなぁ。確かにあれはイケメンとしか言いようがない顔だし。爽やかだし。令嬢が騒ぐのも納得。王太子殿下には隣国の第2王女が嫁いでくることがもう決まっているらしいから、気の毒にも次期王妃にはなれないけどね。
よし、明日も頑張ろう。授業内容もわかるから頑張るも何もないけど。ふふっ。
隣に座っている王太子殿下の評判が落ちていないか心配だけど……
第4話、どうでしたか?次のエピソードでは物語が大きく進展!?お楽しみに〜!




