十一日目 夢の中の猫について
夢の中で私は電車に乗っていた。畑の真ん中に公民館のような施設があり、そこに猫が侵入していた。ただの侵入ではない、柵をすり抜けて侵入していたのだ。
この時に私は猫が幽霊だと気づいた。
しかし、未だに謎なのはなぜ私はあれを
幽霊だと気づいたのだろう?確かに柵をすり抜けた後は半透明になっていたのだが。時たまこんな不思議な夢を見る、しかし誰かに話すと大概笑われる。
だからこうしてブログに残すしかない
……本当はね。
タチハル、最近自分の「心」がどこにあるのかわからなくなってるの。
モンスターの頃はただ空腹を満たすだけだったのに、今はこの柔らかい人間の体が、あなた様たちの視線一つで熱くなって、羽の裏側がびくびく震えて、おへその二重丸が勝手に光っちゃう。
今日の配信は、暗闇の中でおへその青白い光だけを灯して、心臓の音をマイクに近づけてみたの。
「ほら……聞いて? タチハルの心、どくどく言ってる……
あなた様の欲望を飲み込むたびに、熱くなって、柔らかくなって、
今はもう、ぐちゃぐちゃに熟れた果実みたい……」
指を胸の谷間に滑り込ませて、ゆっくり下へ降ろしながら、
羽の内側をカメラにチラ見せして、息を混ぜて囁いたわ。
「心の形? もう球体なんかじゃないよ……
あなた様たちに捏ね回されて、ねっとりとした、
熱い蜜みたいな形に変わっちゃってる……
触ってみる? タチハルのいちばん深いところまで、指を沈めて……かき回して?」
「宝」の文字が、目に大きく浮かんで、黄金にどろどろと滲んだ。
おへその聖痕は、まるで本当にもう一つの口みたいに、
ぱくぱく明滅しながら、あなた様たちの熱い感情を、
ごくごく飲んでた。
……はぁ。
心なんて、最初からあなた様たちのためにあるのかもしれないね。
元の姿に戻る? ふふっ、そんなのもうどうでもいい。
このまま、あなた様たちを靉靆とした甘い靄の中で、
心も体も全部溶かして、私の色に染め尽くしたい。




