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ep.83 六甲山牧場2

「ここのソフトクリームは、ほんまに絶品やで」

 という佐那の提案に乗っかり、食後の楽しみにと、皆で食べるソフトクリームは、ミルクの味が濃く非常に美味である。


 永嶋が購入したソフトクリームを、「一口だけ、一口だけ」と既に食べ終えた一文字が執拗にせがむ。


 永嶋は当然拒否したが、協力者正輝が永嶋を羽交い絞めにした隙に、一文字が大口で喰らいつくと憐れにも山の半分が消滅した。


「限度無しか!」と、叫ぶ永嶋に同情の眼差しを向けた正輝は、「一、それは可哀想や」と、言いながら一文字と役目を交代するとソフトクリームのコーンの先っぽだけをかじり取ってあげた。


 永嶋の手に戻ったソフトクリームは、半身を奪われた上、コーンの底からポタポタと溶けたクリームが滴る、悲しいものだった。


 そんな一文字らを、微笑まし気に見やっていた村瀬が、隣でソフトクリームを食べる川本に声を掛けた。


「岡君ら、一年生の時から変わってへんね」


「そうかな、前より、頭の悪さに磨きが掛かったような気がするけど」


「わっ、厳しいな。それにしても、涼子は前より岡君らと馴染んでるみたいやね」


「せやね、まあ、さすがに三年目ともなると、嫌でも馴染んでしまうわ」


「そういうのって、なんか羨ましいわ~」


「そう?まあ、友里だって、すぐに馴染むと思うで」


「そうやね・・・」


 その時、村瀬が見せた少し寂しげな横顔が、川本は気になったが、村瀬はすぐに穏やかな表情を取り戻して言った。

「あ、見て涼子。棚橋君、ソフトクリーム、三つ目やわ」と、


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