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第二十七回目 書ききる・完結させる

第二十七回目だ。


小説を完結させる。最後まで書ききる。これが意外と難しい。


途中までは絶好調で小説を書けていたのに、終盤でうまく書けなくなって、失速して――投げ出す。


そんな経験がある人は、多いのではないだろうか?


どうしたら小説を最後まで書ききることができるのだろうか? 


方法は簡単だ。『将棋』と同じように考えればいい。


将棋のプロに素人が勝てないのは、『詰ませ方』を知らないからだ。素人はいつまで経っても詰めないのだ。だから、将棋で強くなりたければ、まずはとにかく詰将棋をやるのが基本だ。


一手詰から始めて三手詰、五手詰、七手詰と詰将棋を解いていく。そうやって詰将棋を繰り返し訓練することで、とうやったら詰ませることができるかがわかるようになる。勝つために必要な逆算ができるようになる。


小説も同じだ。小説にも、『終わらせ方』がちゃんと存在する。


幾つかパターンがある。たとえば、『オチをつける』や『謎解きをする』という終わらせ方もあるし、『次回作に続くような雰囲気を残す』もあれば『破滅的な現状のまま』終わらせることもある。『問題提起する』終わらせ方もあるし、すべてが幻想でしたという『夢オチ』もある。


小説を書ききるためには、そういった小説の『終わらせ方』にたどり着くために必要な逆算ができるようになればいいのだ。そして、そのためには訓練が必要であり、将棋でいう『詰将棋』が、小説でいう『小説を読むこと』だ。


小説を書ききることができない人は、どうやって終わらせればカタルシスを得ることができるのか、それを感覚的に理解できていないのだ。そして、それを理解するためには、とにかくたくさん本を読むしかない。


これは技術や精神、ましてや才能の話しじゃない。単純な『訓練』の話しなんだ。小説を完結させることができない人は、才能がないわけでもないし技術がないわけでもないしナマケモノなわけでもない、ただ訓練が足りないんだ。


小説を書ききることができない人は、ハッキリ言って訓練不足。もっと本を読みなさい。『終わらせ方』を意識しながら、二十冊くらい小説を読めば、きっと完結させることができるようになるはず。もし、それでだめなら、数が足りないだけだ。五十冊でも百冊でも読めば良い。気がつけば、小説を書ききることができるようになっている……はずだ。


将棋の詰ませ方を「たった一つ」しか知らない人が、詰ませ方を「百個知っている」人に勝てるだろうか。たまたま、自分が知っている「たった一つ」の詰ませ方に繋げられる盤面になってくれれば、勝てるのだろうけど、それは難しいことだろう。


小説の終わらせ方を「たった一つ」しか知らない人が、小説を終わらせることができるだろうか。たまたま、「たった一つ」の終わらせ方に繋げることができる物語になれば、終わらせることもできるだろうが、それじゃあ、同じ物語しか書けないじゃないか。

でも、もしもあなたが「百個の終わらせ方」を知っていたら――――あなたは、どんな物語でも書けるようになる。どんな物語でも「終わり」に繋げることができるようになる。それはとても、心強いことだろう。



第二十七回目まとめ

『本を読め。そして、出版業界に貢献しろ』


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