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異世界転生したらハズレスキル【ターミナル】だったが、俺だけ使い方を知っていたので最強になった  作者: どみさん


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観られた者

 フィアが、椅子を引いた。


 椅子の足が、床の上で、もう一度、短く、低く、音を立てる。


 フィアが、自席に座った。袖は、手首まで下りている。背中の輪郭が、いつもの朝と同じ角度で、止まる。視線は、机の中央のあたりから、前の方向へ動いた、ように見えた。


 教科の教師が、黒板の文字を消す動作。白いチョークの粉が、光の中で短く落ちる。


 別の文字が、黒板に書かれる。


 F組メンバーが、机の中のノートを、もう一度開く動作。机の上で、ペンの音が、二つ、三つ、響く。


 俺は、教室用のノートに、ペンを、もう一度取った。書きかけの文字の続きを、書く。


 書いた一行とノートは、鞄の中で、椅子の脇の高さで、まだ動かない。


 黒板に、新しい文字が、白い線で書かれる。


 F組メンバーが、ノートに、書き写す動作。机の上で、紙の音が続く。


 フィアは、自席に座っている。袖は、手首まで下りたまま。視線は、前の方向に置かれている。


 俺の視線も、前のまま。


 教科の教師が、黒板の前を歩く動作。足音は、F組担任とは、別の高さで響く。


 教室の朝の薄い光が、机の表面で、もう一度、止まる。


 ペンの先が、教室用のノートの上で、書きかけの文字の続きを、書く。文字の輪郭が、書いた瞬間に、ノートの紙の上で、止まる。


 時間は、午前の中ほどへ動く。


 ベルが鳴った。


 午前の授業の終わり。F組メンバーが、自席から立ち上がった。机の中のノートを、机の中へ戻していく。


 フィアも、立ち上がった。袖を、一度、確認した。視線は、前のまま、こちらに向かない。


 俺は、教室用のノートを、机の中へ戻した。鞄を、肩にかけた。書いた一行とノートが、鞄の中で、肩の上の高さで、止まる。


 自席を離れて、廊下へ出る。F組メンバーが、食堂の方向へ動く。フィアも、食堂の方向。俺も、食堂の方向。


 廊下の中ほどで、A組の制服の生徒が二人、廊下の壁の方を向いて立っていた。視線は、廊下の壁の方向。


 A組の制服の声が、低く、二つ、重なる。一人の声が、もう一人の声よりも、わずかに低い。


 「花弁」


 声が、空気の中で、一度、止まる、ように聞こえた。


 A組の制服の生徒のうちの一人が、廊下の方向へ視線を動かす。すぐに、別方向へ戻る。


 俺の足は、廊下の中ほどで、半歩、止まる。視線は、前のまま。


 廊下を、もう一度、抜けた。


 食堂への通路の途中で、教師棟側の窓が、廊下の壁に並んでいる。


 通路の窓越しに、教師棟の廊下が、薄い光の中で見える。


 教師棟の廊下に、グレイがいた。


 グレイの記録盤を持つ手は、空のままだった。


 グレイの隣に、もう一人がいた。


 外套を肩に掛けている。外套の色は、薄い灰色。外部評価者の徽章は、見えない。背の高さは、グレイと同じくらい。


 もう一人の手の中で、記録盤が、いつもの角度で、止まっていた。記録盤の表面が、教師棟の薄い光の中で、薄く反射する。


 声は、通路の窓越しでは、届かない。


 グレイが、もう一人の方へ、視線を向けた。もう一人が、頷いた。


 もう一人の視線が、一度、通路の方へ動いた、ように見えた。すぐに、グレイの方へ戻る。


 俺は、視線を前に置いた。足は、止めない。


 通路の窓の前を、半歩、離れて通る。


 教師棟のグレイともう一人の影が、通路の窓の向こうで、後ろへ流れる。


 食堂の入り口に、足が動いた。


 食堂の中で、F組の机の位置は、いつもと同じだった。


 ガドが先に来ている。F組二〜六番のうち二人が、ガドの隣に座っている。もう一人は、別の席に座っている。


 フィアが、F組の机の手前で、立っていた。


 フィアは、まだ座っていない。


 フィアの右手が、椅子の縁の上に、置かれている。


 椅子を、引く動作には、まだ進んでいない。袖は、手首まで下りている。


 フィアの視線は、F組の机の中央のあたりに、置かれている、ように見えた。


 俺は、食堂の入り口で、足が止まる。フィアの視線は、前のまま、こちらに向かない。


 ガドの目線が、俺の方へ、一度、上がった、ように見えた。すぐに、皿の方へ戻る。


 F組メンバーの目線が、フィアの方へ、もう一度、動いた、ように見えた。すぐに、机の方へ戻る。


 俺は、F組の机の方向へ、半歩、動いた。鞄を、ガドの斜め向かいの椅子の脇に置いた。書いた一行とノートが、鞄の中で、椅子の脇の高さで、もう一度、止まる。


 フィアの手が、椅子の縁の上で、止まっていた。


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