熱血戦
ある意味色々な意味で熱血です。
「向こうさん本気出してきてるけど、まだちょけとるわ」
「近衛騎士団の皆さんには悪いけど、おれら大阪の血が騒いどるさかい…徹底的にやらなあかんからなぁ」
「樋口にぃさんと恵子こわーい
俺たち警視庁の警察官なのに大阪府警がいる〜」
「「いや、1人だけ機動隊の格好をして油圧カッター持ってる花岡にぃさんがいうな」」
「俺、交機だけどその前に別部署いたんだしいいでしょ?」
『今からすごいことが起きる楽しみー!』
取り止めのない話が急に始まり、近衛騎士団の若き騎士達がアリシアから与えられた情報で、すごいものを見せてもらえるとどこかワクワクしていた。
何かあった時のためにと、アリシアにコメでもかと頼みこまれたために、付き添いでマリウスが帯同している。
だがこの場にいる人間たちはアリシアの本当の目的に気がついていた。
美しく組まれた防御壁の隙間からちらりと目線がマリウスに行っていることを真田は見逃さなかった。
無論、この場にいる全員が目の前にそびえる壁の向こうがに見る重騎士のどこか幼さに。
マリウスが抜けた後に、演練されてこなかったのが透けて見えたのだ。
[さぁ始まりました!
中央府では、数十年ぶりの決闘が幕を開けます!
どちらが勝つのか見ものです!
魔神様の開始のコールの後、両者のどちらかがどこかに触れた時点でスタートします!]
場内のアナウンスを聞き、一気に会場のボルテージも上がる!
闘技場に収容できる人数の一万人が一気に中央に向けて視線が注がれた!
声高らかに白騎士団を応援する声が昂っていくのを、アホくさいと思ったのか。
自衛隊陣地で見守っていたティナが気だるそうにあくびをする。
[これより、魔神アルバス・アストライオスの審議の元
決闘を行う
諸君の健闘を祈る…始め!]
沸き立つ声と共に、会場の熱が中央のフィールド一体に注がれた!
若い騎士達は声を高らかに剣を抜き、目の前からくる敵に勇気を持って対抗する構えを見せた!
だがそんな白騎士団とは違いどこかすっとんきょうな声が響き渡った。
「あーっ警視庁の組織対策課の樋口と言います
貴団体が、日本国陸上自衛隊に対し威力業務妨害及び名誉毀損
並びに公務執行妨害で被害届が出てます
代表のオスカー・ロイル団長を任意同行しますので
こちらに来てもらってもいいですか?」
樋口の声かけに一気に会場の空気は静まり返り、人々は一気に笑い声を上げる。
会場を震わせる笑い声は、闘技場の至る所にいる電信虫を介して各国に実況が伝えられていた。
からかわれている
警察だけではなく近衛騎士団の有志や、陣地にいる財前達の耳にも嘲り笑う声は届いたいる。
一部観衆が、財前達の陣地まで駆け寄りバカにしているがどこ吹く風だった。
「おい、聞いてんのか?
聞いてんのか返事せぇや?
あれ、
ティナさんとニコルさん…スーツを着てここにきたんですか?」
「「私たちも本物が見たくなったので」」
「わかりました、じゃあ行きますか!
兄さんはカッター準備、恵子はいつでも引きずりだしや!
近衛の皆さんも相手引き摺り出すの手伝ってくださいね?」
『おっしゃー!!』
「はい、じゃあ行きまっせー
アルメリア時刻の0830
強制捜査開始、被疑者オスカー・ロイル及び構成員の抵抗を確認…っすぅー」
大阪じゃぁぁぁぁぁあ!
早よ出てこんかいごらぁぁぁぁぁぃぁ!!!
出迎え言うとるやろボケェェェェェェ!!!!
突然の怒号に会場の空気が一気に冷え切った!
誰も予想しない展開に歴戦の王であるアルバスですら硬直する。
櫓の上で紅茶を嗜み、白く巨大な防御壁の美しさに見惚れていたオスカーが、目と口をこれでもかというくらい開けて、どっといやな脂汗を噴き上げる!
VIP席で見ていた、ロイル家当主のダリア・ロイルですら飲もうとしていた紅茶のカップを落としあまりの恐怖で失禁しそうになったのだ。
だが陸自陣地だけは違う。
謎の本物見れたという感動に浸っていた。
「わぁ…ルーシーが言ってた通りだ!
日本の司法省の人たちっておっかないって
ねぇ私たちも行こうよティナ!!」
「ニコル、楽しそうにしちゃダメだよ!
近衛騎士団の人達、蹴り入れたりしてるし
紛れようとしたら危ないよ〜」
「そういうティナだって鼻息荒いよ
魔法以外で勝てるところ見つけようとしないでよ!」
楽しそうに言い合った時だった。
目の前から白く大きな塊が悲鳴をあげて吹き飛ばされていき、かすめて行ったのに気がついたのは。
何がどうなったのかわからず、飛んできた方向を振り向くと真田が片腕で相手を吹き飛ばしていた。
華奢な体つきからは考えられない様にティナとニコルは膝を震わせるお互いにそっときつく抱きしめ合う。
「ええ加減にせぇやお前ら
んなんで暴徒鎮圧できるんか?
舐めとんちゃうぞ、舐めとんちゃうぞお前らァァァ!!!」
『ひぃぃぃい!』
「盾の使い方もろくに学ばなかったか?
良いだろう
機動隊上がりの交通機動隊員が手取り足取り教えてやるよ
まずはそのへっぴり腰から叩き直してやるわぁあ!」
『ひぃぇぇぇぇえ!!!』
遠くで一時的に指揮をとっていた樋口や有志で来てくれていたなんちゃって警察こと近衛騎士団は思った。
急に教場が始まったと。
樋口は今の職場の前は大阪にいた。
大阪にいた頃の恐ろしい教官を思い出した。
近衛騎士団の若き騎士は思い出した。
本気出したアリシアと副団長のリリア・ノーマンが訓練になった瞬間恐ろしい何かになることを。
「…ニコル!」
「もうやってる!」
火炎よ燃え上がり地を飲め
火焔灼風!!!
迷い星を全て元の宙へ戻せ
神転創星!!!
一瞬で地面が燃え上がり防御壁の高さと同じ3メートルの高さまで炎が舞い上がった!
一瞬の事に硬直した自陣にいた自衛官たちがどよめき立つが、瞬きをした瞬間に自陣のテントに戻ってきた警察官三人組と有志達を見て状況を飲み込んだ。
有志達も同じであり、身につけていたスーツが甲冑に変わりアリシアも苦い顔をして馬を用意させた。
「「「…どうなってるのこれ?」」」
「警察さんごめんなさい
あいつらが攻撃してきたから爆炎の煙幕あげて高速移動魔法で逃げてきた!
…なんで万歳してるの?」
「予想の範囲ですな、総監」
「瑠香から聞いていた通り
そして偵察から得た情報とも合致する
これが奴らの戦法の一つ
…お嬢さん、大丈夫ですか?」
有志の1人が腕を押さえてうずくまり、何度もアリシアやマリウスが声をかけても呻き声をあげるしかできない。
もし、と声をかけて財前と参謀の田中そして自衛官たちが覗き込み怒りを覚えた。
爆炎が治り、観衆が大きな声で白騎士団の猛勢が復活した事に喜び高らかに声を上げる。
それもそのはず、重騎士の強みを活かし盾の隙間から巨大な槍を突く。
敵は動けずにそのまま刺殺させる戦法をとっていた。
「飯島よ怪我の治療を」
「おう、わしに任せてつかぁさい田中隊長
こりゃ…変に傷口が化膿しとるのぅ!
毒でやられたんじゃ!
誰か毒消しくれんかいね?
こりゃぁ大戦争じゃ、許せんけぇのぉ!」
「飯島…抗争だぞこれは
シェリルさん…持ってきてくれたのかな?
ありがとない」
「ぢぃぢぢぢぃ…ぢぢぢぢぢ!
(あいつら許さん、許さんけぇのぉ!)」
「皆さん、シェリルさんは今許せない許さんけぇの!
って言ってます
…私たちの決闘において毒は使わないのがルール
このルーシー・アストライオスが成敗」
全員の殺気が高まっていく。
その敵が向かってきていることに上等だと全員が構え始めていた。
観客たちは白騎士団の猛省が始まる事に歓喜し、リポーターが白騎士団の復活を高らかに宣言する!
「…皆わかっているな
同時刻をもって一切の慈悲を捨て、白騎士団の撃滅を行う
被害条件はすでに完成した、ルーシー・アストライオス皇女様からの了承も得たも同然
これより我らは治安維持のため、制圧する
フェーズ1を終了、フェーズ2に移行する」
これよりフェーズ2に移行!
特科に射撃要請、地点オクレ!
敵の3拠点を確認、敵車両確認
順次、迫撃砲および戦車による射撃を実施せよ!
近衛騎士団及び、小隊は敵兵力の無力化を実施。
空挺団及び、支援龍部隊は30分後に到着。
敵の航空兵力、本体より分離し離陸したと思われる!
「さて、ここで君に聞くよ
…その優しそうな顔からは到底考えられないほどに冷徹なものを持っている2人
君たちはどう動く?
君は…本当にうちの瑠香と櫓に強襲しに行くのかい?
君は、部隊を防護するために騎士を捨てるのかい?」
SATのお巡りさんと純白の狂騎士さん?
「「田中さん気にしないでください
俺…ちょっと熱くなってきたので
被った…」」
熱血戦が始まりました。
技術が違えば戦闘方法も違う。
異なる国のガチンコ勝負です。
アルメリア側の白騎士団は優雅さと品性を持ち合わせて
魔法の防御壁を作り…っていうのがスタンダード。
日本は日本の法律に則って粛々と執行する感じです。
だからどうしてもお巡りさんが必要だったのです。
怒涛の大阪府警発射が始まったと思えばティナとニコルの間のおかげで刺突攻撃は逃げ切れたのですが、一名負傷してしまいました。
決闘において毒は禁止。
それを破ってまで先制したのはオスカーの品性が疑われたます。
狂騎士とSATが支援できます。
空挺団こと瑠香も帰ってきます。
じかいはもっと熱くなります
よろしくお願いします




