アルメリア戦線 開戦
一世一代のお祭り騒ぎが開幕します!
戦い勝つのはどちらかな?!
街は活気にあふれていた。
街全てに備え付けられている街路灯には白騎士団の団旗である白地に、2本の剣が交えて忠誠を違う金色の十字と月桂の葉が飾られてる。
ついを成すように今回の対戦相手の象徴の旗が飾られている。
深緑色をベースに、桜の花の星に月桂樹の葉が左半分の斜めに横断し、残り右半分は紺色に旭日章が飾られている。
言わずもがな、陸自と警察のタッグを意味していた。
「まさか、中央府で決闘が見れるなんて何年ぶりかしらね!」
「わしらが若かりし頃は滅多と見れなかったんだがのぅ」
街の人々は皆、何十年ぶりの決闘に心を躍らせる。
白騎士団が来るからでも、迎え撃つ敵の所在に興味があるわけではない。
そもそも、こんな試合そのものをやる機会など全くといっても過言ではないほど、この場所ではやらなかった。
「普段はここはピクニックで、街の広場みたいな場所だからなぁ
使われるのは闘技場も本望だろうぜ」
獣人の番兵が人間の町人と語らいあい、隣には老齢の森人がそうだねと首を縦に振る。
戦闘とは縁のない人々が久しぶりの、試合に心を躍らせ静かに盛り上がり始めた時だ。
「白騎士団様一行だ!」
一行の進軍に合わせて町の人々は活気にあふれて、その勇ましき姿に惚れてカゴに入れた花弁を空へと放り投げる。
沿道を埋める人々が白騎士団に、熱い熱情を帯びて声援を送り、それに応えんがためにオスカーは手を振る。
「団長素敵ですわ
こんなに、みんなから愛されるなんて」
「まぁ、始めてのことだろう?
メリーブ副団長、すべて我らに向けられている
あいつらにはもったいないくらいだからなぁ」
「私を格上げしてくださってありがとうございます
ほんと、マリウス元副団長はなんで出ていったのかわかりませんわね」
馬上から眺める景色に白騎士団はうっとりとし始め、まるで自分たちがヒーローとして悪を滅する任務を帯びたと錯覚を起こす。
だが、そんな錯覚はオスカー以外の全員がどこか見張られているような忌避感を覚えさせるように君の悪いものに変わっていたのも事実だ。
正確に言えば確実に眉間を撃ち抜かれたような錯覚だ。
その違和感に気がついたのは闘技場内の特設陣地に入ってすぐに気がついた。
前衛を務める騎士や重騎士がやけにガードを固く、互いに密着するように上空ばかりを警戒しているのにメリーブ副団長は嫌な汗を背中に伝わせる。
「なんなのこいつら?
敵の姿が見えないし、私たちよりも低いところに陣地張ってる?
櫓を使わない…妙な地の利を得ようとしてるの?」
「そう恐れるなメリーブ副団長
騎士を連れて連中に挨拶してやろう」
闘技場の熱気が白騎士団を、応援するモードに変わり一気に果てしなく熱くなり始める。
陸自と警察の混成チームを応援する人間の方が少ない。
オスカーとメリーブが闘技場の中心に向かって歩き始める。
護衛数人を侍らせどこか余裕そうにメリーブと腕を組む。
対する大将として財前誠が歩き始める。
護衛などつけず、正々堂々と一歩また一歩と歩き始めた。
「お久しぶりです財前誠さん
今日はあの女と一緒のメイサイフクっていうやつなんですね?
あなたも戦われると?」
「お久しぶりです、オスカーロイル殿
私も戦いますよ?
死に首になろうと、全ての部下に示しをつけるためです
あとそれほど血気盛んな騎士を侍らせないでもらえませんかね?」
「彼らは前回、あなたの部下に散々してやられた連中です
やり返したくてたまらないのですよ
いつでも切り倒せるぞと…あなたに剣を向けてますからね」
「そうですか
私たちは明確な敵対行為として受け取ります
それで構いませんよね?
お巡りさん?」
財前の一言に呼応するように一陣の風が、上昇気流となって砂埃が舞い上がり全てを飲み込む。
まるで、日本側の法律に沿って正解をなぞっていくようだ。
「敵対行為として、これは我が国の存続危機とは違うが
まぁ売られた喧嘩だ
防人屋として、やり返す覚悟はあるな?」
もちろんと声高らかに叫ぶが如く、踏ん張るのでギリギリの突風が闘技場内を吹き抜ける!
明らかにオスカーが敵として見做した人間たちが、強烈な敵意を持っていることは明らかだ!
メリーブが戦う相手を間違えたと思ったのが運の尽きだ。
「ではゆるりと参りましょう」
風と共に砂塵が舞い上がり、晴れた頃には財前誠という大将首の姿はなかった。
声高らかに騎士達の盾舞踊が始まり、ついで白騎士団長を歴任してきたもの達が踊る剣舞を披露し始める。
風を纏い、花を咲かせ盾と剣が交わった瞬間巨大な魔法壁が出来上がった!
全てを圧巻する壁に、聴衆はどよめき達これを見たかったと声が沸き起こる!
(オスカー団長…私たち、棄権した方がいい!)
メリーブの足元には、数発もの地面が抉れたような跡がついていた。
音は聞こえない。
匂いもわからない、
ただオスカーとメリーブの立っていた足元に、確かに何かが跳ねた形跡があった。
狙撃されたのだ!
「皆様、お集まりいただきありがとうございます
向こうの盾舞踊が終わってまだまだ盛り上がってるみたいですが…やることやりましょうか」
「相手に狙撃したけど反応ないわぁ!?
せっかくニコルちゃんが狙撃したのに…
酷いわよねぇ!?」
「気づいてくれなかった…」
『狙撃うまいねぇ、陸自に来る?』
「警察もあるよ?」
『あァァん!?』
「人手不足だから来て欲しいわぁん!
でどうします?」
オスカー率いる白騎士団の陣地よりはるか離れた地点。
地面に大きいというのを超えた穴を開け、即席陣地を形成し陸自と警察そしてアルメリア皇国の有志が集まったなんちゃって反抗部隊が出来上がった。
誰もが白騎士団の、応援に集中し孤立しているがさほど気にすることもなく、淡々と作戦要綱に従って行動を始める。
「沖田さん、とりあえず落ち着いて
今から全ての陣頭指揮は財前誠が行います
ついで田中一連隊長は現場の攻撃指揮
特別ゲストでルーシー・アストライオスさんもいます
アルメリア皇国の有志の方は私の統制下にはあります
しかし直接指揮はルーシーさんから聞いてください
陸自と警察は田中一連隊長の話聞いてね?
いつもみたいに陸自のみんな暴れないこと」
『おーっす!』
「まずはあの魔法壁を壊すんだが…
本当にお願いしてもいいの?」
「あんなのただの暴徒集団です
こういうのは警察にお任せを
有志の皆さん、ティナさんに魔法かけてもらって私たちと同じ警察官に扮してもらいますね!」
「集合ぉ、みんな聞いた?
なぁ、聞いたな?
近衛騎士団とクラリスは警察の人たちとあいつら?
ぶっ飛ばすから
マリウスどこ、ちょっ、呼んできてェッ!」
『おーっす!』
無茶苦茶な指揮系統だが即席部隊にしては、結束力と攻撃性に富んでいる事に安心感と一抹の不安がよぎる財前誠。
隣では、不思議そうに漂うシェリルにまぁ茶でも飲めとペットボトルの緑茶を手渡す。
苦笑いを浮かべ時計を見て、ガラスに反射したよく晴れた空を見つめる。
砂塵の防護の中心に陣地を形成した事で見えにくい状態になっているが直上の天気だけは分かるようにニコルに詠唱してもらったのだ。
「いい天気だ…飛んでこれるな」
「瑠香が空挺降下するんだよね?
財前さんも、元々は飛んでいたのですよね?」
「詳しいですねティナさん
そうですよ、俺も瑠香と同じ空挺隊員です」
闘技場よりはるか遠く。
瑠香と忍そしてウィルムが、レイラの背に乗り、背中に背負う落下傘の重みを味わいながら進行してきているのだろう。
オスカーが腰を抜かしたのなら再演させてやればいいと、忍に言われレイラやココが乗り気になったのも、新鮮だった。
勝つ勝たないではなく、純粋に戦闘行為に何処かこの場にいる全員が心躍らせていた。
「では皆様方、安全に参りましょう
ということで、陸警戦場!」
『ウェイ!』
『有志戦場』
『ウェイ!!』
「いくぞぉぉぉぉお!」
開戦の火蓋、幕を開ける!
口上を挙げた上で意気揚々と闘いに臨むオスカー。
しかし腹心のメリーブは何か嫌なものを感じ取った模様。
それもそのはず、ニコルが狙撃した地点はオスカーとメリーブの、足元です。
いつでもお前を撃てるのだぞと警告したのです。
財前おじさんは気づいてます。
主人公達がいません。
なんと空挺降下するとのこと!
オスカーをビビり散らかすのか目的でもあります。
お巡りさんがいるのは、法律を知っているからです
危害要綱に沿って正当に逮捕や防衛をするため。
オスカーが決闘を申し込んだ相手が悪いのです。
次回バトルします
よろしくお願いします!




