峠は攻めるものではなく逃げるものです
家族の影響で⚪︎Fじーを見てインスパイアされかけました。
車でBGMかけるとアクセルいつも以上に開けそうになります。
「おま、ふざけんな!
コカトリスッコカトリスがっ!」
「瑠香が寄せないように牽制してるけど、野生のコカトリスは恐怖なんて知らないんだよ!」
「解説してる場合じゃないよティナ!」
「やかましいわルイス!」
「喧嘩すんな2人とも!」
無事にシェアト峠に入った一行。
盗賊集団の奇襲を掻い潜り、峠に入って一路目指すはプロキシマ街。
だが、厄介なことに野生のコカトリスが営巣を作り、何の前情報も掴んでいなかった。
何考えずに踏み入ったことによって、営巣を守ろうとしたオスのコカトリスによる攻撃を受けてしまっていた。
「とりあえず組合に報告しなきゃ!
風の精霊よ、私の言霊をハルウェルさんに届けて!」
「ニコルも精霊詠唱をマスターできたんだねぇ
えらいねぇ…あっはっは!」
「ヨーゼフ爺さん、笑ってる場合じゃねぇぞ!」
「ダメなの、マスティ?」
上空でも追いかけっこは続いていた。
何と上空にもコカトリスの群れがレイラ達を追いかけ、ココの豪炎龍牙風虚しく、倒れては新たなる群れが現れて、千切っては投げを繰り返しても追いかけ続けてくる!
ココを助けようと、鉄フライパンを振り回しウルムの得意攻撃を発動したが意味を成さない!
「何で俺っちの、油田熱波が効かねぇんだ
つかれたっちぃ!!」
「あいつら、何なの!
野生のコカトリスが巣を作りすぎなのよ!
こうなったら全部、燃やし尽くしてやる!」
「ダメよココ!
あなたが本気を出せば地面諸共焼け野原よ!」
「でも!」
シェアト峠は全長20キロほどの峠道であり、今瑠香達のいるのは4キロ地点。
残り16キロほどをのんびり行ければよかったが、コカトリスに追いかけられるという誤算が思ったよりも疲弊度合いがピークに達していた。
だが追いつかれたら、最後どうなるかわからない。
巨大な鶏の胴体に蛇の尻尾の体躯でな厄介な、ワシのような鉤爪と虎のようや筋肉質な足。
勝ち目などないのだ。
「俺に考えがある…この程度の慣らされた峠ならいけるはず」
トランシーバーで忍が苦渋の決断とも、ふざけているのかとも言われる作戦が伝えられた。
皆一様に反対と声をあげるが、重武装化された高機動車の速度とコカトリスの速度を比例して見たせいか、反対する声は聞こえなくなった。
何より、全速力で走るマスティの相棒の雌牛が疲弊を上げ始めていた。
「ポポは昔から長距離を歩く力はあっても走る力はない
これ以上走らせれば、体が持たん
賛成…せざるを得ないな」
「無茶苦茶だけど、やってみるわ
ニコル、アリシア、ルイス
お願い力を貸して…瑠香はこのままコカトリスに!」
「牽制だろ?
任せろよ、頭上げさせねぇからヨォ!」
瑠香の放つ重機関銃がコカトリスの足元を狙い、1匹また1匹と沈んでいくが、それでも立ち上がって追いかけるのをやめない!
ティナの魔法が完璧に発動するまであと10秒。
レイラ達も、ティナの魔法が発動するのを今かと待ちながら、何度もコカトリスに攻撃を仕掛ける!
「転送魔法…ルイスを瑠香のところへ!
次が勝負よ!
追体験魔法
裂ける大地の疾風、雷の如き走破
全てを駆け抜ける翼となれ!」
発動、峠攻めの覇者!
「無茶苦茶だァァァァァァァ!!!」
転送されたルイスの叫びがシェアト峠に響き渡る!
先ほどまだ重武装された車列が牛車を守り、空からの聖龍族からの支援で確かに守られていた。
それに変わりはない!
だが目の前に広がる光景は、アルメリアでは絶対に見ないスポーツカーなる車両が3台、競い合うように峠を攻めていた!
ハンドルを握るはずの忍は後ろを写す鏡を見て、コカトリスとの距離が開いていることを確認してタバコの入った箱に手をかける。
「何やってるんです
今…なんで手を離してるんですか!?」
「あー、良いところに気がつきましたね
さすがはルイスさん、ニコル達が言っている通り
休憩ですよ?」
「ふっざけんなァァァァァ!!!」
ルイスの叫び声が何度も響き渡る中、真ん中の車列にいるマスティもポポを抱きしめて、前の車の動向を見ていた!
ニコニコと笑うヨーゼフの事を無視して、巨大のはずのポポを抱きしめ、悲鳴にならない悲鳴をこれでもかとあげる!
「何がどうなって!」
「ぽっー!
ぽぽー!!!」
「はっはっはっ!
マスティもポポも振り落とされるなヨォ」
「っーーー!!!!」
もちろん先頭を走るティナ達も声にならない悲鳴をあげていた。
おまけにキンコンキンコンと音が鳴り響くものだから、たまったものじゃない!
峠は攻めるのではなく逃げる物と誰かが言っていたが、こんなことがあって良いものかとマリウスは失神しそうになる!
上空でも空は同じ、振り切らんがために攻撃をしていたがレイラ達は再び姿を変えて二人乗りの戦闘機となり、大空でのドッグファイトを始める体制になっていた!
「無理無理無理無理!」
「ココちゃん、気をしっかり持って!
あなたがいないと後ろの席は守れないわ!」
「そうだっちぃ!
俺っちは今、レイラ様のお膝に座ってるから助けられないっちぃ!」
「なんでだよぉぉぉお!!」
峠を飛び、急激に体に負担がかかるような大回転をかけ縦横無尽にシェアト峠を越えていく!
残り5キロとなったところで、次の街プロキシマが見え始めた!
だが思わぬ誤算が目の前に現れてしまった!
「まずいシェアト峠、最大の難所だ…」
マルカフケルンだぁぁぁ!!
「「「「「「「「「ぎゃぁぁぃぁ!!!!」」」」」」」」」」
シェアト峠、最大の難所。
急勾配のマルカフケルンにぶち当たり、3両の車は空へと飛び上がる。
ティナの作り出した魔力に釣られて、レイラの変化した戦闘機もおかしな軌道を描き、急上昇して制御を失う。
ヨーゼフ以外の全ての人間が悲鳴をあげ追いかけていたはずのコカトリスも恐怖を覚えて叫び声をあげ退散していく。
プロキシマ街まで残り10キロほど。
忍の作戦はまさに峠を攻める逃げ方です。
忍のことなのでおそらく瑠香に影響されたのでしょう。
某アニメを過去に見て思いついたのです。
キンコンなってる時点でまずいです。
おまけにアルメリア人にスポーツカーでダカールラリーもどきを体験されているのですから、プロキシマ街についたらひどい目に遭うのではないでしょうか。
重機関銃を、撃っていた瑠香はウキウキしてたと思います。
次回もアルメリア公道最速理論を打ち出すおバカ達をよろしくお願いします




