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北海道みたい!

北海道行きたいです。




「さぁ到着しました

ようこそ精霊府(ニュンペリオン)へ」


「ここが」



瑠香達は関所を通り、丘を超えて自然豊かな大地を見下ろす。

遠くに見える家々はまばらでどこか日本の田舎を彷彿とさせるような情景が広がる。

おまけに風は涼しく、鍛治府(ヘパイースト)から精霊府(ニュンペリオン)までの距離は70キロほど。

到底歩いて1日2日で移動できない距離を歩き、途中でレイラやココが龍化してその背中に乗ってを繰り返したためか、汗ばんで身体中から疲労の文字が浮かんでいた。

だが、その疲労感は目の前の景色と吹き抜ける風のおかげで吹き飛んでいた。




「ここが精霊府(ニュンペリオン)最初の街

エリダヌス街です

この国は小さな街が合体してできてる場所ですから

特定の種族がいても、なかなか会えないのですよ」



「ルイスさん

それって街と街との間が遠すぎるということですか?」



「そうなんですよ、忍さん…でしたっけ?

元々住んでいた土地から、あまり離れなたがらないのです

だから、国がいくつもあるって言われるんです」





アルメリア皇国は7つの府が合わさって一つの国家として成り立っているのが真実。

今まで通ってきた国や街は実は人間が統治していた頃の名残であり、精霊府(ニュンペリオン)は種族間の隔たりがない神代の名残がそのまま残っているとのこと。

つまりエリダヌス街ともう一つのプロキシマ街の二つを持って精霊府(ニュンペリオン)になる。




「なんだか、すっごく懐かしい景色」


「そうなの、瑠香の姉貴?」


「うん

お父さんの実家の景色を見てるみたい

陸別町って言うんだけど

…今姉貴って言った、アリシアはん?」





姉貴と言われたことに疑問を持った瑠香がアリシアを見たが、どこ吹く風と言わんばかりにそっぽを向く。

また始まったと、ニコルが苦笑いを浮かべていたが、どこか自分たちのパーティの様子がおかしいことに気がつく。

その疑問を探ろうと見回して気がついた。

レイラとココがおらず、遠くの方で何かを持ってニコニコと笑っている姿が見えた。



「レイラママとココさん

ミルクソフト、買い食いしてるんだけど」



『処す!』




精霊府(ニュンペリオン)のもう一つの特徴は畜産や酪農に強く、年中湿度は低いためか夏は30度を超えず風は涼しい。


しかし冬は厳しく、4メートル積もるなんてザラで過去には7メートルも積もったとの記録もある。

まさに北海道と似ている大地と言っても過言ではない。


そんな地域の特産はフリージア牛の牛乳。


濃厚な味わいかと思えばさっぱりな口触り。

その牛乳はアルメリア皇国の全ての家庭に行き渡り、生活必需品である。

そんな牛乳を使ったミルクソフトは、精霊府(ニュンペリオン)の第一関所を超えてすぐの場所に専門店が並ぶ。





「ミルクソフト買い食いとか許せねぇ

濃厚まったりなのに後味さっぱり最高なのよねぇ

許せねぇなぁ」


「ティナが本気になった…許せねぇあの2人」


「いつもここに帰ってきたら、買い食いしてるよね

この前、ニコルの実家に遊びに行った時も買い食いしてたよね

羨ましいんやが?」


「姉君3人がソフトをご所望だ!

ウルムさん、瑠香さん、買いに行きますよ!

ほら早く、さっさと行くッ!」



「「マリウス…いってぇ!

引っ張るな、引っ張るなぁぁ!!」」





マリウスに無理くり引っ張られるウルムと、防弾アーマーの襟首につけられたバンドを握りしめられ身動きが取れなくなった瑠香。


苦しいと叫び声を上げる2人をよそにマリウスはミルクソフト専門店に向けて等身大ストラップを身につけて前進する。


鬼気迫るマリウスと、処すモードに突入した姉君達ことティナとニコルとアリシアの6人が店の前で目を見開き待機する。


目をぎらつかせながら待機する6人と、逃げ出そうとする聖龍族2人を遠くで見ながら、頭を抱えてうずくまり気分を変えようと忍はタバコを吸おうと、箱を探す。




「よかった…マリウスさんの元気が回復してきて

アリシア様の笑顔が増えてきて」


「どう言う意味です?

何かあの2人にあったのですかルイス殿?」



「ずっとマリウスさんは…いえ、なんでもありません

さて組合(ギルド)に案内します!

組合長(ギルドマスター)が皆さんの事を待ってますよ」




ルイスの発言に疑問を抱いた忍。

最初に王凌府(ヘラクシス)で出会った時に比べて元気が出てきたと言われれば確かにそうだ。


どこかくらい表情は消えて、明るく好青年でありどこか頭のネジが焼き切れたように笑うことが増えている。




(マリウス…まさか、白騎士団で何かあったのか?)




そう思いふける忍をよそに、8人は店の前で幸せそうにミルクソフトに食らいついていた。


考えるのは野暮かと忍も、ルイスを伴って店に向かおうと歩き出した。


そして又違和感に気がついた。 


1人増えていると言う違和感に。


背は170センチほどで白銀の長髪をなびかせ、コバルトブルーの目の色に、特徴的な耳の長さ。

革製の上着を羽織り、茶色のズボンと白いシャツをきた男が談笑しながらミルクソフトにありつく。




組合長(ギルドマスター)…そんなに食べてたら、また太ります!

せっかく痩せたのに!」


「やあ、ルイス!

仕事の息抜きは必要だよ!

それと初めまして、忍さん

僕はハルウェル、エリダヌス街で組合長(ギルドマスター)をやってるんだ!」


「初めまして、神前忍と申します

…なんでそんなに馴染んでんの?」


『…まぁ、多少はね?』


「みんな互い違いに明後日の方向向いたらダメじゃない!

忍さん困ってるから!」




ここであんたに言われたくないよと思った人間が大多数を占めていることは黙っていてください。


ハルウェルが幸せそうにミルクソフトを食べている様を見て、忍も物は試しとばかりに頬張った。


甘さの中にある、コクやさっぱり考え一気に駆け抜けていく。

だが、優しく包み込むようにふわりと甘さがやってきてまさに美味だ。




「うまい」


「でしょ!

…そうだ、皆さんに頼もうと思っていたことがあるんだ!」




どうか、隣町プロキシマに行って牛乳商人の護衛をしてくれないか?

ミルクソフトのための回です。

瑠香が北海道みたいだと言ったのは本当に、見たもの全てが北海道と似たような感じなのでしょう。

ミルクソフトばかり書いていたので、本当にソフトクリームが食べたくなりました。

罪な食べ物です。



そんなことより、精霊府(ニュンペリオン)へ到着しました。

みんなが食い意地を張っている時に、ルイスはふとマリウスの様子を見て安堵しています。

マリウスは白騎士団時代に何かあったのかと忍は気になってしまいました。



最後の最後で、ギルドマスターが登場しました。

思いっきりアイス食べてます。

そしていきなり発生した牛乳商人の護衛任務。

なぜこうなってしまったのか、次回のお楽しみに


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