エルフの案内人
新章、精霊府スタートしましたが相変わらず、瑠香と忍は自軍を潰すのは得意みたいです。
精霊府。
そこは数多の種族が生活を営み、また何よりも魔法に近い場所でもある。
何よりアルメリア皇国の中で語り継がれる神話において、この精霊府は何かの転換点として必ずと言って良いほど現れる。
森人やエルフに聖獣族にと数を数えればキリがない。
「そして私たちの実家だよ」
「なんだが友達連れて帰ってくるって新鮮だよね」
「「ねー!!」」
ニコルとティナにとって精霊府は生まれ故郷になる。
美しい山々に囲まれ、透明度の高い川が流れてまさに自然が織りなす地域であると言っても過言ではない。
だがこの精霊府が一番危険地帯に当たると有名である。
なにせ、この国はエストラゴ共和国との緩衝地帯が間近に迫っている地域なのだ。
「なんだか守りが硬いような雰囲気あるよね
魔法でギチギチになってる感じする」
「瑠香はいろいろと、敏感に探知できるねぇ
さすがだねぇ」
「久しぶりにニャンコって忍さんに言われた気がする
というかみんな足取り重たくない?」
「というか見たことのある光景なんだけど、人数増えたような」
「「「「「「「「いい加減にしろこの挺進兵!」」」」」」」」
「「わぁぁあ!」」
鍛治府以降、2人の旅人が増えた。
当人たちの言い分では、龍生府出国からずっと着いてきていたとの言うのだ。
そう、レイラ・ドラグーンとお付きのココ・ワイバーンが仲間に加わっていたのだ。
いつの間にか。
「きゅ…休憩したい…だす」
「アリシアは休憩をご所望だ
休憩だ、休憩するぞ!!」
「ねぇニコル…最近、マリウスのキャラ壊れてない?r
「元の性格がこんなんだったかのかも?
ティナがおかしいっていう前に、ニコは気がついてたよ
頭がぶっ飛んでる属性って」
8人の中になんとも言えない空気がフーッと吹き抜けるのを感じて、とりあえずとウルムに促されるままに、倒木に腰掛けつつ荷物を下ろし大休止を取る準備をする。
木々を抜ける風を頬に感じて、タバコを吸おうと忍がするがせっかく自然の匂いを感じようと箱をポケットの中にしまう。
「みんなぁ、ハーブティーを入れたっちぃ
みんなで飲もうぜ」
「ウルム先生やりますねぇ!
こんなことはあろうと、バターたっぷりスコーン焼いたわさ」
「アリシア…なんかいろいろおかしくなってる
マリウスとおんなじだな」
「皆さん、ぶっ飛んでますわね
ココちゃん、木苺ジャム持ってきてあげて」
「レイラ様…もう右手に木苺ジャムの瓶
持っていますわよ
後、スプーンも左手に握りしめてます」
あぁ、収集つかねぇなと諦めの気持ちが湧き始める瑠香。
助け舟を出そうにもティナとニコルは森の中に入り、ニコニコ笑いながらサルナシを取りに行ってカゴいっぱいに取って煮詰め始める。
地面に魔法陣を描き、火が上がると鍋にサルナシを入れて
砂糖を入れてかき回す。
おそらくジャムにするつもりでいるのだろう。
楽しそうに調理をする2人を見ながら忍も、アルメリアで取れるジャンボレモンの皮と汁をほんの少しだけサルナシの入った鍋にぶち込みキャッキャっと笑う。
「収集しかねぇなぁ」
「本当に収集つきませんね」
「「ねぇー…ん?」」
瑠香が声の方に振り向いた先に、瑠香と同じ背丈ほどの男が立っていた。
瑠香の身長は168センチ、男も同じほどだが容姿は中性的で髪は長く金色で弓を片手に持ち、腰には袋に矢を帯く。
どこか狩人のような風貌であるが、素足で歩いてきた様を見てピンときた。
「もしかして精霊府の族長様ですか?」
「いいえ、ティナとニコルの幼馴染のルイスです
あの、2人は…いつも通りだねぇ!!」
ルイスと名乗る男の声に全員が振り向き、ティナとニコルは久しぶりにあった幼馴染にあっと声を出すが、再びジャムの入った鍋に目を向ける。
塩対応されたルイスが、爆速で走り2人の元に向かうが塩対応を通り越えて氷のように凍て付いた対応をされてメソメソと泣き始める。
「ルイスさん諦めた方がいいですよ
2人とも何か始めた瞬間、何も視界に入らなくなるので」
「お兄さんも…経験…してるのですね!」
「お兄さん…私…女です」
「何を言ってるのですか!!
俺、着いていくっす兄貴!」
「あたし…おんなのこぉ!」
ルイスの号泣と瑠香の絶望が入り混じり、2人の織りなす奇妙な光景がレイラの心に何かを植え付けた。
その光景を見ていたマリウスがアリシアをお姫様抱っこをしながら忍に歩み寄る。
別の異常な光景に見惚れていた忍は、目を閉じて空を見上げて涙を流す。
(あれ…俺の息子と娘ってこんな感じだっけ?
違う、元からこうだったんだ
俺が着いていけてなかっただけだわ)
サルナシジャムが出来上がる頃、ルイスを含めた9人は膝を突き合わせてハーブティーとスコーンを嗜む。
確かにハーブティーもスコーンも美味であった。
それ以外の言葉は思いつかないが空気がまずい。
森の浄化作用が意味をなさないほどにこの場の空気は凍て付く。
「皆さん初めまして、ルイス・ライザーです
あの…よろしくお願いします」
「「「「「「「「「よろしくお願いします」」」」」」」」」
「関所まではもうすぐですので、少し休憩したら行きましょうか」
「「「「「「「「っすぅー」」」」」」」」」
「これはまずいっすねぇ」
このなんとも言えない光景を見ていたのはルイスだけではなかった。
アルメリア皇国では古代より自然にこそ純粋な魔力が宿ると信じられている。
その自然を介してチーム収集が本当につかないを見守っている人物がいた。
アルメリア皇国の王にして魔神であるアルバス・アストライオスである。
「心配でレイラさんとココさんを同行させたのに
もうだめだおしまいだ!」
「何をそう心配しているのです?
ルーシーの情報は確かに集まっているではないですか!」
「違うのですよオリオール!
もうね、俺…心配なの!
みんなのことがとっても心配!」
「今に始まったことじゃない心配性をどうにかしてくださいな
俺も、彼らには期待しているのです
キメラを撃破し、数々の臣民の窮地を」
コンコンとアルバスに説得と説教を交えて話すのは、アルバスの腹心であり、ルーシーの師匠である大剣聖オリオール。
190はあろう身長と屈強な肉体を持ち、大剣を腰に刷くがその姿とは反対に物腰は柔らかく臣民からの信頼も厚い。
そしてアルバスのお説教係でもある。
「心配だよぉ
ルーシーに合わせる前にあの子達に何かあったらどうしよう
あのオリオールさん、剣をしまってください!」
「うるさいですよ
我が王は、心配しすぎだ
少し…喝を入れさせてもらいますからね!」
「やめ…ぎゃ!」
「なんだかすごく懐かしいけど、嫌な胸騒ぎがしたべ!」
「あー、あれだろ?
気のせいだよ
瑠香のお父さんがしばかれたんだ」
遠くから日本で見た光景と似たような雰囲気に怯えながら瑠香と忍はハーブティーに口をつける。
精霊府の第一関所まで残り5キロほどの道のりをアルバスだけではなく、闇のようなものもまた見つめていた。
歩きすぎて体力バテバテなチーム収集つかない。
瑠香と忍は100キロ更新とか何度も経験しているので、平気な顔してますが残りはだめです。
さすが陸⚪︎と思われるかと思いますが色々規格外な2人のせいで常識人が体力ない扱いされかねません。
ティナとニコルも体力ある方です。
マリウスやアリシアは甲冑を着てますから体力の消費は、必然としてガタ落ちします。
レイラやココは軽装なのですがやっぱり。
休憩中に案内人のルイスが来ました。
ティナとニコルの幼馴染だそうですが、2人はルイスよりもサルナシのジャムが気になって仕方がないみたいです。
アルバスの心配性が加速し、腹心のオリオールはお説教という名の大剣ぶん回し大会を始めるみたいです。
そして謎の存在も瑠香達を見ているみたい
次回もお願いします




