1章 統一戦争(壱)
とりあえずまだ続くようです
パルフル-ヘリオル神聖帝国マルニム軍港跡地
おかしい、いやまあいいことではあるのだが一応ひと月もしない程度前までは共和国領であったのにも関わらず帝国の大艦隊に対して海軍戦力による迎撃もなければ召喚獣による攻撃もないし監視もない・・・確かに一応軍港跡地は帝国が占領はしているが正直何もないので旗が立っているくらいなので共和国の軍隊に制圧されててもおかしくはないと思っていたのだが・・・制圧する意味を見つけられなかった、いくらなんでもこれはないここは最短距離で帝国に続く航路のある軍港だから攻めるにせよ守るにせよ必要なはず、釣るため、現実味はあるが途中の被害が大きくなりすぎるからこれは難しいだろう、の頃の可能性としては評議会が事ここに至って未だに纏まっていない、今の議長は軍人上がりながらかなり優秀だった記憶があるからこれはないと思うのだが、まあとりあえず私にできるのは警戒をしながらこの先の進軍ルートを決めて敵味方ともに最小限の被害でこの戦争を終わらせることだろう、まあそう大層な覚悟を決めたところで私は結局アリアやトリス子爵やマリスさんの力セツナの召喚獣を借りて事を成すだけしかできないのだけど。
とりあえず、餅は餅屋に海軍のことは専門家であるアリアにほとんど任せて暇なあいだはマリスさんと話でもしておこうと思う、まあ実際したの人間にしても公爵が同じ現場にいるのと王女がいるのでは緊張も桁が違うだろうし進軍までは私は後ろでマリスさんと話したり形だけアリアからの提案を最もらしい顔で承認するくらいしかすることがないので仕方がない、そんな訳でそばにるマリスさんにこの戦争の後の予定などを聞いてみることにした。
「戦後の予定ですか?とりあえず叙勲祝いに夫の秘蔵のワインを開けてステーキとパインサラダでも食べながら老後について話し合いたいですね、その後は一応故郷になってる所に最後にもう一度だけ行ってその後色々とあって出来なかった結婚式を挙げておきたいくらいですかね?今のところ」
突然ルーシー様に戦後の予定を聞かれて結婚式の後から考えていたことを伝えた、私としては共和国との戦争はそこまで問題視していない、何よりルーシー様がチバ家の召喚獣を使える以上こちら側の負けはありえないだろう、共和国でチバ家以上の召喚獣はほとんどいないはずだし今回は帝国の海軍と陸軍のほぼ全ての戦力を投入する、共和国は砲撃戦は魔法の特性上強力ではあるが白兵戦力は明らかに低い、得意の砲撃戦を召喚獣で封じてしまえば負けることは無いと私と夫は読んでいる、もちろんチバ家以外の召喚獣にも注意が必要なものもあるのは確かだけどそれを考えても実質の総司令官のアリアさんも指揮官としても個人としてもかなり優秀な人間だ油断無く進めていけば問題は無いはずだ、ただ実質共和国の量共で艦隊を進めているにも関わらず何の反応も見せない共和国の動きが気になるところではあるが後は共和国の動きより早く進軍してしまえばいい、ルーシー様任せであまり気は進みませんがこちらの召喚獣の質を考えれば上手くいくはずです、最早これでは戦争と言うよりは事後処理の延長戦ですね、なので私は当初の任務通りルーシー様の護衛兼侍女としての役目を果たすのに専念しますかね・・・旗艦に居るルーシー様が護衛が必要な状況になるとも思えませんが。
おかしい、マルニム軍港跡地からさらに共和国領土の奥に進軍したにも関わらず途中の2箇所の要塞でも特に必死の抵抗と呼べるような反撃に会っていない、いくら評議会の意見が纏まっていなくても祖国の本格的な危機が近付いているのにこの対応の遅さはどうにもおかしい、流石に共和国が弱すぎるので我々の艦隊の敵では無かった・・・などと能天気な事を考えている場合ではなさそうだ、そうなると一時的に進軍を止めてでも別の策でも考えたほうがいいのだろうか、これ以上進軍すると退路が少なくなる、共和国の名家の秘蔵の召喚獣もまだ出ていない、ルーシー様の話ではそれらが普段使われることはないらしい、何しろ条約で禁止されているもの以上のものまで居るらしい、正直なところそのような物があるのなら何故今使わないのかが気になるが、その答えはなんとも共和国らしいものだった、この期に及んでお家の秘伝を表に出したくない、まあ私も帝国の名家の出ですから多少なりと気持ちは解りますが国の存亡の危機に使わずして何時使うつもりなんでしょうか?
この期に及んで秘術の秘匿を優先してどうなると言うのだ、評議会の議員のあまりにもな考えに最早残された良識派のみで独自に動くしかないことを悟る、敵の遠征艦隊の総指揮官はルーシー・V・フォードル、チバ・セツナの婚約者だった女性だ、共和国にいる間に多少は話したことがあるがセツナを失った事でココまで変わるとは、現在我々が取れる選択は総大将は今や帝国の女王なので流石に暗殺してしまえば収まる戦争も収まらなくなるので実質の指揮官であるアリア・A・エルロードを暗殺して召喚獣で艦隊に大打撃を与えてなるべく共和国が残る形で停戦の交渉をするしかないだろう、そもそも今からまともに応戦の準備をするには帝国艦隊が首都に近づきすぎている首都までは要塞1つと島が2つ・・・伝令や防衛の準備等を考えると本格的に応戦できる体制を整えられるのは良くても首都の前の島で悪ければ首都での決戦に間に合えばバンザイと言った所だ。
アリアの言うことも理解は出来るが敵は共和国だけではないのだからここは速度を落とさずなるべく首都に近づく方がいいと思う、何より時間を与えれば与えるだけ共和国が現状を正確に把握して色々とやってくる可能性が高くなるそうなると遠征艦隊であるこちらが危なくなる、ならば多少の無理を通すべきだろう、何よりも首都までは後要塞1つと2つの島だけなのだから落とすのはそこまで苦労することはないだろう、そもそも共和国領の大分奥にある要塞や島は普段はどこからも攻められないから防衛機能はまるで無かったはずだ、今までの共和国の動きを見るに私が居た時よりも防衛戦力が増えていることは無いみたいだしここはアリアには悪いけどさらに先に進むことにする、まあマリスさんも体が軽いと言っていたし首都での陸戦も大分楽になるだろう・・・まあ私の出番が減りそうではあるが仕方がない。
ルーシー様は進軍を選ぶようだ、まあ何が来ても私が守りますよ、なんだか今は今までになく体が軽いですからね、こんな気持ちで戦うのは初めてですね・・・今まであんまり気の進む戦いは無かったからでしょうか?そんなわけでもうなにも怖くない気がします、そういえば結婚式にルーシー様を呼んでも問題はないのでしょうか・・・まあこんな事を気にするのは私らしくないですね、とりあえず呼んで一緒にパーティーでも楽しみましょう、そのためにも私も私のやるべきことに全力を尽くしましょう。
私としたことが少し臆病になりすぎていたようですね、これでは海軍の全権を預かる身として恥ずかしい限りですね、ここはルーシー様の言う通り手早く共和国との戦争を終わらせて汚染エリア付近を纏めるのに力を注がなければいけませんからね、それが終わっても人々が長く平和に暮らせる国作り・・・まあこちらは文官の領分ですね、一応伯爵ですから関われるには関われますが武官が関わってもロクなことにはなりませんからそこは文官に任せておとなしくしておくに限りますね、さて覚悟は決まりました後はルーシー様と共に進むのみですね。
予想通りと言えば予想通りではあるが特に抵抗らしい抵抗もなく共和国首都の前最後の島を制圧出来た・・・とりあえず艦隊の補給が終わるまではここで足止めな訳だが流石にココまで抵抗が少ないと不安になる、とは言えそれを表に出すわけには行かない一応とは言えこの遠征艦隊の総司令官なわけだから・・・まあ実権は海軍としての経験と実績のあるアリアが持っている訳ではあるが頭がフラフラしたり迷ったりしていては下にもそれが伝染する、ならば私はしっかりと構えて前進の命令を下すだけ後はアリアが上手く首都付近まで運んでくれる、そしたらセツナの召喚獣を使って共和国を終わらせる・・・まあ皮肉と言えば皮肉だな長いこと共和国を守ってきたチバ家の召喚獣で共和国の歴史を終わらせるのだから・・・まあ裏切りでセツナを殺したような国なんてどうでもいいので気にはしないが。
ところでさっきからマリスさんが落ち着いていない何かあったのだろうか・・・マリスさんに限って首都が近づいたから緊張してきたと言う事はないだろうし本当にどうしたのだろうとりあえず今はアリアと共和国本土上陸前最後の打ち合わせを終わらせよう、そう思いアリアの居る船室まで行こうと部屋を出ると海兵の死体が転がっていた・・・暗殺者、マリスさんはこれに気がついていた訳だ、とりあえずまだ船内に居るであろう暗殺者を警戒しながらアリアの所を目指す、まあアリアに限って万が一などありえないだろうがこの先予定のこともあるし早めに合流しておいて間違いはないはずだ。
まさか旗艦に直接暗殺者を送り込んでくるとは、上陸後を狙われるものだと思っていたんだが予想が外れた、とりあえず私の予想は置いておいてルーシー様をアリアさんと合流させようそのほうが守りやすい・・・まあ敵の狙いがルーシ様であると考えるのならばではあるがこの艦隊の最高指揮官はルーシー様なのだからここから逆転を狙うならルーシー様一択だろう。
アリアさんと合流できたがアリアさんの方も狙われていたらしい敵の狙いが見えてこないが一番の狙いはルーシー様と見ておいて間違いないだろうからしっかりと守らなければ、思ったはしか暗殺者らしき人間を見つけた、距離は十分裾に隠してあるナイフを1つ蹴り出す、命中したのを見届けながらやったか!とらしくもなく油断してしまった・・・この僅かな隙にルーシー様に近づかれた・・・私もここまでかな、まああそこからココまでよく来ることができたと少しでも誇れる人生だった気もするし最後に憧れだったルーシー様の生き方を守れただけよしとしよう。
今回の話は大丈夫だったんだろうか




