1章 結婚(覚)
今週も懲りずにやってみます
パルフル-ヘリオル神聖帝国帝都セントブルグ -セントブルグ城
先の戦闘と言うよりは大虐殺というべき侵攻を終えて残りの作業はアリアに引き継いで私は一足先に帝都に戻っていた、まあ理由は皇太子様の結婚の話なわけだが、まあただの出席者の一人になって欲しいという話なら特に気にすることもないが流石に嫁・・・つまるところの女王になって欲しいと言われても困る、帝国の目指す方向と私の目指す方向が違うので当然ではあるが。
さて、困ったことではあるが人工召喚獣のことなどでも借りがあることだし最低限会っていかなくてはいけないだろう、などと考えながらもとりあえず皇太子様・・・改め49代皇帝陛下に会うために中庭に向かう、思えばいろいろな事があった中庭だと思う、子どもの頃初めて今の陛下にあったのも中庭だったし婚約者として紹介されたのも中庭、陛下とセツナの決闘もあそこの中庭で行われたしマリスさんと初めて戦ったのも中庭・・・そう考えると意外と大事な話をするのにはいい場所だったのかもしれないと思えてくる。
私は待っている、彼女・・・ルーシーは来てくれるのだろうか、柄にもなく恋人を待つ少女のような事を悩みつつ中庭を落ち着きもなく動き回る、他人から見れば恐ろしい程挙動不審であろうが今の私に落ち着くなどということは難易度が高すぎるので他の者達には悪いのだがルーシーが来るまではこの調子でいさせてもらうことにする。
どれだけの時間待っただろうか、中庭に人が入る事にそちらを見ては肩を落としてはまた落ち着きもなく動き回る、そんな事を何度も繰り返しているとようやく私が待ち望んだ彼女が現れた、我ながら女々しい上に人として最低な部類に入るとは思うが私はどうしてもルーシー以外の女性に妻として、王女として私のとなりに立って欲しくはないのだ、私のルーシーに対する想いだけはセツナにも劣らないと自信を持って断言できる、であるのならば後は精一杯の思いを彼女にぶつけて彼女の決定に任せることしか私に出来ることはないだろう。
とうとうここまで来てしまった、さてどのようにして断ろうか・・・まあ普通に考えれば断る理由は私の気持ち以外のところには無いのだが、どうしたものだろうか、とりあえず陛下の話位は聞いてみようと思う、もしも私の想い・・・争いの無い世界のために共和国と決着をつける覚悟があるのならば私も覚悟を決めよう、もう誰も大切な人を下らない戦争で失わない、そんな理想の世界、その可能性は帝国にしかないと私は思う共和国の議会制は民主的と言えば聞こえはいいが責任と力を持った指導者が居ないのでこの世界全土を纏めるのには向いていない、その点帝国ならば皇帝が絶対的な力とそれに伴う責任を持って治めることができる・・・はずだ、まあ先代までを見ていると不安ではあるが今の陛下ならだ大丈夫だと思う。
「ルーシー聞いて欲しい、私は確かにあの時セツナに負けた・・・そのセツナがいなくなったからと君にこうして思いを伝えるのは多少は思うところもあるが、やはり私は君を諦めることができない、私の隣で私を支えて欲しい。」
ついに伝えた、後は彼女の返事を待つだけだ・・・
予想通り・・・まあそれ以上言い様がないくらいに予想通りに告白された、まあそこらへんはいい、陛下の覚悟さえ本物ならば私は構わない、何しろもうすでに共和国との全面戦争の開始は秒読み段階まで進んでいる、まあこの間の軍港への侵略が原因なわけではあるが。
「私は・・・確かに未だに、いえこれから先も一生セツナの事を忘れることはできません、ですがもし陛下の戦争の無い平和な世界を作るという想いが本物であるのなら喜んで隣で支える役目を果たしましょう」
伝えた、私の偽らざる思いを伝えた、後は陛下の覚悟しだいで私の取るべき行動は変わる・・・陛下は世界の統一のための全面戦争の覚悟を決めてくれた、やっぱり陛下もあまりにも長い帝国と共和国の戦争に疲れているらしい、ならば火蓋を切った責任もあることだしそろそろ長い戦争に終止符を打つことは皇太子時代から考えていたらしい、とりあえず思っていたよりも大分すんなりと私と陛下の結婚が決まった訳だが、私の見間違いでなければマリスさんがまた何かよからぬ事を考えている顔をしている、結婚式の時のドレスの着替えも手伝う・・・いや、それは専門の人に頼めば・・・家出中だったからそんな人間はいないな、またマリスさんに手伝ってもらわないといけないのか、またいろいろと失いそうだ。
すごい、その一言に尽きる、ようやくルーシー様と皇帝陛下の結婚が叶った、占領した軍港での事後処理を終えて帝都に戻った私はその足で結婚式に出席しているわけではありますが、今でも信じられませんあのルーシー様が結婚だなんて、しかし私個人としては心から祝福することにしましょう、などと考えていると丁度ルーシー様が入場するところのようですね。
感動すら覚えますね、やはり結婚式はいいものです、まあ隣のマリス子爵婦人の雰囲気が多少おかしいのが台無しにしている気もしますが流石にここで騒ぎを起こすわけにもいかないので放置しておくしかないでしょう、やはり足くらいは踏んでそれとなくおとなしくさせるべきなのでしょうか?
隣にいるアリアさんが微妙な目で見てくる、まあ確かに今の私はいつもより落ち着いていないのだから仕方のないことですね、まあ足を踏もうとするのはやめてほしいわけなんですけどね、それはともかくとして、ルーシーさんが結婚する・・・私が憧れた生き方を曲げるのかと少し寂しさを覚えたので着替えの時に思い切って聞いてみたら、曲げたわけではなくその先を見据えこれから先自由な生き方ができる人間を少しでも増やすために覚悟を決めただけ、そのように言われた・・・確かに何かを覚悟した人間の強い意思の宿った眼をしていた、それならば多少複雑な思いがあっても笑顔で祝福するのが彼女の生き方に憧れ影響された人間の一人としての勤めだと思う。
私の結婚式ながら無駄に豪華だ、一応戦争中なわけだが帝都には関係ないか、もしくは皇帝陛下の結婚式だから下手なことはできないか、まあ両方という方が現実的か・・・まあこの式が終わればいよいよ共和国との戦争に決着をつけるための戦いが始まる・・・まあ現実逃避はやめよう覚悟を決めはしたが、やっぱり結婚式だとあるものなんだよね、アレが、その簡単に言うと近いの口づけ・・・まあ要するにキスだな、まああまり見られながらしたいものでもないが覚悟を決めて済ませてしまおう、ところでアリアが微妙に目立っているんだが、まあ軍服だし公式な行事に着ていても問題は無いが周りがドレスやスーツだらけなのに軍服なんで多少浮いている、まあ事後処理から帰った足でそのまま出席だし仕方がないのか、トリス子爵に至っては余裕もあっただろうに軍服のままだしそれに比べれば理由があるだけマシなのか?
などと他の事を考えているうちに終った、多分今の私はものすごく赤い顔をしていることだろう、自分でも何となく分かる、まあ後は私の出番は特にないので陛下の横で貼り付けたような笑顔でおとなしく座っておくだけだ、そうこうしているうちに陛下の演説も終盤に差し掛かりようやく一息付けそうだと内心ホットしているととなりにマリスさんがやってきた、どうしたのかと思っているとどうやらまた着替えらしい、次は動きやすいのがいいがそもそもの話ドレス自体が動きにくいので仕方ない、それよりも着替えの手伝いはマリスさんよりアリアがいいのだが・・・何?あ、軍服だからここに来ようとしても止められてる訳ね、それでマリスさんが先についたと・・・
さて、着替えも終わり式も大体終わり残りは貴族どうしでの交流や顔を繋ぐ時間になっている、まあ私は陛下を置いていきいアリアやマリスさんと共にいる、まあ陛下を置いて来たのは陛下の周りにいろいろと貴族がよってきていたからで、つまるところの逃げてきたわけだ、それに私はそういうことには興味もないしアリアやマリスさんみたいな気のおける人といるほうがいいしアリアには私から伝えたいこともあるしちょうど良かった、アリアに統一のための戦争の事とそれに伴いアリアに海軍の全部隊の指揮を執ってもらうことを伝えると驚かれた、まあ当然だろうロード家の分家ということで爵位に合わないレベルの指揮権だったものがさらに拡大されたわけだから、まあうまくいけば終戦後には公爵までは上げられるはずなんでそこまで気にしなくても良くなると思う。
マリスさんについては前回に引き続き私の護衛をしてもらう違いといえばマリスさん本人にも子爵の位が叙勲され私の侍女も務めるということくらいだろう、残念ながらマリスさんは驚いてはくれなかった、まあアリアの驚いた顔が見られただけでもいいとするとしよう、後は式が終わるまでアリアとマリスさんと話しながらゆっくりと過ごす事にしよう、明日からはまた戦争の準備などで忙しくなるのだから。
結婚式から一夜明けていよいよ統一のための戦争が本格的に始まる・・・とりあえず今の私の居場所から説明するとアリアの艦隊の旗艦にいる、まあ王女になってとしても私は前にでる方が向いているので前に出る、まあ後ろで私に出来ることがなとも言えるけど。
一応目標は前回占領したマルニム軍港跡地を目指してソコからの共和国本土への攻撃となっているわけだが、正直なところ汚染エリア付近を先に片付けたかったがまあ仕方がない放置していい場所ではないが前回の事もあるので共和国を先に対応しなければならない、まあ今回は帝国のほぼ全ての戦力を投入可能なので多少の召喚獣くらいでは戦線に影響は出ないだろうから強行軍で首都の制圧を狙う予定だ、そもそも共和国の全土を一斉に制圧できるほどの戦力は今の帝国には無いので先に首都を落として他の都市は後回しにしなければならない、まあ首都さえ落とせば後は特に何もできないだろうし問題は無いだろう、後は到着後直ぐに動けるように今のうちに休んでおくくらいしかする事もないのでそろそろ休むことにする。
また来週




