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ジョブを奪われてしまった、ただしそれは最強になる鍵だった  作者: 甲羅に籠る亀


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9/12

9話

 アークスとの模擬戦から数日経ち、俺はなんでアークスに負けたのかを考えていた。


 根本的な問題は俺の技量不足。


 基礎の部分が足りないから、次に進まず闘気まで鍛えられていない。


 そしてここが一番の問題と言うかアークスと俺との違いだ。


 武聖のジョブの補正が俺とアークスで段違いに違うかと言うこと。


 俺が強化補正が1だとすればアークスの強化補正は100くらいあるのではないかと疑いたくなるくらいに違う気がする。


 小太りのあの身体でなんであんな動きが出来るんだと言いたいほどだし、武器を扱う技量がなんであそこまで高いのかも強化補正の影響なんだろう。


 とにかく羨ましいと思うくらいにはアークスは俺よりもジョブによる強化補正が入っている。


 俺がそんなアークスに勝利するにはもっと身体能力と技量を高めていくしかない。


 その間にだってアークスも身体や技量を鍛えるだろうし、俺はもっと効率的にやって行かないと追い付くことが出来ないだろう。


 とりあえず今日までは一応の為の安静期間も終わった。


 今日までずっと記憶図書館で記憶の本から学び、魔法や聖法に関して鍛えたくらいしか出来ていない。


 今日から身体をより鍛えてジョブ補正で強化されたアークスとお互いの武器を打ち合えるくらいには鍛えないとな。


 まだ朝が早い時間帯で寒い中を魔法を使って暖かくしながら外に出た俺は全身の筋肉トレーニングから開始した。


 効率的にどうやって鍛えることが武聖としての身体を作れる様になるのか、それも武聖の情報が記された記憶の本の中にあった通りに行なっていく。


 空間その物を暖かくしているからこそ下着だけを身に纏って行なう筋力トレーニングで全身から玉の様な汗を流す。


 筋力トレーニングをしながらも常に呼吸法で呼吸を続けていくことも忘れない。


 全身の筋肉を酷使して動けなくなると、俺は魔法と聖法の2つを使用して肉体のケアをしてから次は魔法と聖法を記憶図書館で鍛えていくことになる。


 魔法も聖法も満遍なく色々と鍛えて学んでいくが、その中でも俺の肉体を鍛えるのに必要そうな魔法や聖法を一番に学んでいた。


 魔法なら重力系統の魔法を中心に俺にのみ影響のあって重力を増やす魔法を。


 聖法なら鍛えた時に筋肉の超回復を促すだけでなく、骨をより折れにくい様に、身長を伸ばせる様になど。


 魔法も聖法も使える物はなんでも使って肉体を鍛え上げてより強く強靭強固にしていく。


 「「にいちゃん!ご飯だって!」」


 「ん?分かったすぐに行くよ。」


 「「早く来てね!」」


 筋肉トレーニングを終わる頃になると最近は双子たちが朝ご飯だと呼びに来てくれている。


 全身が汗だくになるほどに筋肉トレーニングを終わらせれば、魔法を使って汚れを綺麗にしてから身体のケアを魔法と聖法を使って服を着てから家の中に戻った。


 そこから朝食を家族全員で食べることになる。


 母親のジョブの1つが料理人だからこそ、最近は俺が身体を鍛えていることもあって一食分が俺の分を多めになっている。


 これも食育なのだろう。お腹いっぱいに満腹になるほどに毎食食べている。


 それが俺の肉体になっているのを感じるし、あれだけ食べても一切太らないのはそれだけカロリーを毎日消費しているのだろう。


 お腹いっぱいになるまでご飯を食べたら動ける様になるまで闘気に関する鍛練を始めていく。


 闘気とは魔力を生命力に変換することで使える技術である。


 闘気は攻撃、防御、強化、回復と多岐に渡った使い方が出来る力で、あの時にアークスが使った闘気では攻撃の威力を上げる効果と木剣の強化をしていたのだと思われる。


 まずは魔力を生命力に変換して闘気として使える様にするところから始めていくのだが。


 「難しい。よくアークスは使えたよ、これを。」


 魔力を生命力に変換して闘気に変えると言う2段階の作業を行なうことで闘気は扱えるのだが、まず魔力を生命力に変換するところで躓いていた。


 どうしても魔力を魔力として生命力に変換出来ずに扱ってしまう。


 記憶図書館の闘気に関する記憶の本を読んでみても、どうしても最後の方は感覚的な物になってしまっていて、その感覚的な物が掴めずに今の俺は躓いていた。


 「もっと分かりやすく書いてくれれば良かったんだけど。はぁ、もう少しやってこう。」


 意識を集中して魔力を生命力へと変換しようと頑張ってみる。


 細胞へと魔力を送り込むイメージを基にする。そこから魔力を生命力へと変換するのだが、そこから先は各々個人個人で変換する感覚が違うらしくて俺はここで躓いた。


 1分、5分、10分、20分、30分と目を閉じて瞑想を行ないながら魔力を生命力へと変換させようとする。


 「んっ!いまのは!!」


 魔力が何かに変わる様な感覚を覚えた。


 もしかしたらあれが魔力を生命力へと変換する感覚なのか!!と気が付いた。


 俺は再び魔力を生命力に変換する感覚を掴む為に瞑想を行ないながら魔力を細胞へと回していく。


 「やっぱり!!」


 魔力を細胞に送る。


 そこから魔力を生命力に変換するのだが、俺の感覚としては細胞に送られた魔力を細胞内で回転させるイメージと呼吸をタイミングよくすることで魔力が生命力に変わる感覚を感じられた。


 段々と魔力が生命力へと変換して俺の体内に生命力だろうエネルギーが高まっていくのを感じられる。


 あとはこの生命力のエネルギーを闘気として扱える様にするだけだ。


 魔力を回して呼吸をタイミングよく行なえば行なうほどにどんどんと魔力は生命力へと変わり、俺は変換した生命力を闘気として扱えれ様に意識を集中させて全身に纏うことから始めてみた。


 体内に収められた生命力が一定量に達したのか、俺の皮膚を通って外へと向かってゆっくりと垂れ流されていく。


 俺の肉体の外へと流れてしまっている闘気を皮膚の上に留める様にして身体に闘気を纏わせていった。


 闘気は魔力よりも扱いが難しい。


 まあ、これは俺が初めて闘気を使ったからと言うのが大きいのだろうが。


 それでも魔力操作や制御、聖法の神力を操る感覚を見本の代わりにしながら、なんとか闘気を身体に纏わせることには成功した。


 でもその代償に今の俺はかなりの魔力を消費しているし、闘気を纏っている状態だと身動きが一つも取れないのはまだまだの証拠だろう。


 あとはここから毎日鍛えることで魔力を生命力へと変換に関する効率化を図り、より無駄のない様に闘気の操作や制御する力を高めていくことだけだ。

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