↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界女王は、彼にだけ勝てない  作者: てへろっぱ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
72/98

第七十二話 世界一を追う時、世界一だけを見ない



 残り五分四十一秒。


 MONARCH、六。


 Crownless、三。


 三点差。


 ここまでの数字だけを見れば、世界一が順当に押している。


 けれどユイには、さっきまでとは違うものが一つだけ見えていた。


 MONARCHの四人が、こちらを警戒している。


 QUEENだけではない。


 THRONEも。


 REGALIAも。


 SCEPTERも。


 試合開始直後のように、自分たちの好きなことだけを選んではいない。


 Crownlessが何をするかを、少しだけ待っている。


「ユイ」


 レナが中央手前で足を止める。


「見えてる?」


「はい」


「向こう、さっきよりこっち見てる」


「同じものを見ています」


 ミカも気づいていた。


「なら」


 ECHOが右側から通信を入れる。


「こちらが先に選べます」


 ユイが笑う。


「はい」


 世界一だから。


 完成しているから。


 相手が先に動いても崩れない。


 それは正しい。


 でも、崩れないことと、影響を受けないことは違う。


 Crownlessはすでに三点を取った。


 ミカはQUEENとの一対一よりチームの一点を選び、レナはSCEPTERと相打ちまで持っていった。ECHOはREGALIAの支援を止め続け、ユイもTHRONE相手に盤面を一度変えている。


 MONARCHも、こちらを無視できなくなった。


「一つ試します」


 ユイが言った。


「何?」


「世界一を、見ないでください」


 レナが一瞬黙った。


「……またそれ?」


 以前。


 NoNameとのエキシビション。


 四人が初めて彼に勝つ方法を見つけた時と同じ言葉。


 ただし、意味は少し違う。


「MONARCHを見ないのではありません。世界一という肩書きを見ないでください」


 ミカの視線がQUEENへ向く。


「QUEENさんも?」


「はい」


 ユイは続ける。


「世界一だから最適な判断をする、世界一だから間違えない、世界一だからこちらより先を読む――そう考えた瞬間、私たちは彼女たちの選択に理由を与えてしまいます」


 ECHOが静かに頷いた。


「本人を見る」


「はい」


 レナ。


「SCEPTERは?」


「環境装置を取りたい時は、私と殴り合っていても行きました」


「うん」


「REGALIAは?」


 ECHO。


「助けたいから、助けます」


「THRONEは?」


「話したい時は中央を捨てました」


 最後。


 ミカ。


「QUEENさんは」


 一瞬だけ、過去の世界女王が言葉を探す。


 そして。


「自分が一番強い場所ではなく、相手が一番自信を持っている場所へ来ます」


「なぜでしょう」


「……勝ちたいから、だけではありません」


 ミカはQUEENを見る。


 QUEENもこちらを見ている。


「たぶん、そこで戦うのが好きなんです」


 ユイが頷いた。


「十分です」


 世界一。


 ではない。


 QUEEN。


 THRONE。


 REGALIA。


 SCEPTER。


 四人。


「では、取り返します」


          ◇


 最初に動いたのはECHOだった。


 右後方。


 REGALIA。


 これまでのECHOなら、支援を止めるためにREGALIAを追う。


 今度は。


 追わない。


 REGALIAがSCEPTERへ射線を通す。


 ECHO。


 そのまま。


 中央。


「来ないの?」


 REGALIAが尋ねる。


「はい」


「私、助けるよ」


「どうぞ」


「いいの?」


「今は」


 REGALIAが少し笑った。


「その言い方、流行ってる?」


「Crownlessでは、たまに」


 REGALIAは予定通りSCEPTERの進路を作った。


 レナとの近距離戦。


 SCEPTER。


 退路。


 二本。


 三本。


 増える。


「助かった!」


 SCEPTERが叫ぶ。


「どういたしまして!」


 REGALIAも楽しそうに答える。


 その瞬間。


 ECHOが中央へ入る。


 一。


 二。


 THRONEが反応した。


「中央」


 向かう。


 三。


 ユイは止めない。


 むしろTHRONEと逆方向へ。


 四。


 THRONEがECHOへ。


 五。


 ECHO。


 一人。


 保持。


 六。


 THRONE到着。


 攻撃。


 ECHO。


 回避。


 七。


「一人で取る?」


「今は」


「じゃ、止める」


「どうぞ」


 八。


 THRONE。


 さらに前。


 九。


 ECHO。


 被弾。


 十。


 CENTRAL HOLD.


 CROWNLESS.


 FOUR.


 六対四。


「取られた」


 THRONEが呟く。


 ECHOは体力を半分まで削られながら中央を離れる。


「はい」


「それで逃げるんだ」


「一点、取れたので」


「倒しには来ない?」


「今は必要ありません」


 THRONEが少しだけ笑う。


「あなた、面白いね」


「先ほども言われました」


          ◇


 その頃。


 レナとSCEPTER。


 近距離。


 SCEPTERはREGALIAに作られた退路を使える。


 だからこそ。


 レナは追わなかった。


「来ないの?」


「うん」


「さっきまで追ってたじゃん」


「追った方が楽しかったから」


「今は?」


「今は」


 レナが横を見る。


 開いた退路。


 その先。


 REGALIA。


「そっち」


「え」


 SCEPTERを置いて、レナが走る。


 REGALIAの顔が変わった。


「私?」


「うん!」


「近距離役、そっちにいるよ!」


「知ってる!」


 REGALIA。


 逃げる。


 レナ。


 追う。


 結果。


 SCEPTERが一人。


 残る。


「……私、放置?」


 ミカが左側から一瞬だけ見て。


「はい」


「世界十二位だよ?」


「知っています」


「扱い雑じゃない?」


「今は、必要ありません」


「みんなその言い方する!」


 SCEPTERが笑いながら中央へ走る。


 自由になった。


 だから。


 自分で選ぶ。


 その先にECHO。


 ECHOも見る。


「来ますか」


「行く!」


「では」


 ECHOは逃げない。


 SCEPTERと交戦。


 一方。


 レナ。


 REGALIAへ。


「ちょっと!」


 REGALIAが射撃。


 レナ被弾。


 それでも詰める。


「支援役だからって!」


「支援が好きなんでしょ!」


「そうだけど!」


「じゃあ!」


 レナが一気に距離を潰す。


「一回、自分守って!」


「それ支援役に言う!?」


「敵だから!」


 一撃。


 REGALIA。


 被弾。


 体力六割。


 二撃目。


 回避。


 三撃目。


 REGALIA。


 壁。


 レナ。


 追う。


 REGALIAは味方へ助けを求めない。


 助けてもらえる。


 でも。


 今は。


 自分で逃げたい。


「なるほど」


 レナが笑う。


「何!」


「ほんとに好きで支援やってるだけなんだ」


「最初から言ってる!」


「じゃあ倒す!」


「話繋がってない!」


 レナ。


 押す。


          ◇


 中央の外側。


 ユイとTHRONE。


 ECHOが一点を取った後、二人が向き合った。


「今度は何を話しますか」


 ユイが先に尋ねる。


 THRONEが笑う。


「話す前提なんだ」


「先ほどは、そのために中央を捨てましたので」


「じゃあ一つ」


「はい」


「あなたたち、NoNameがいなかったら今みたいになってた?」


 ユイの表情が少しだけ止まる。


「難しい質問ですね」


「答えにくい?」


「いいえ」


 ユイは少し考えた。


「なっていなかったかもしれません」


 THRONEが目を細める。


「やっぱり師匠が作った?」


「いいえ」


 即答。


「違うの?」


「NoNameさんは、私たちに選択肢を見せました」


「うん」


「選んだのは私たちです」


「じゃあ」


 THRONEが武器を構える。


「今ここで、NoNameが『こうしろ』って言ったら?」


「聞きません」


 THRONE。


 一瞬。


 止まる。


「即答?」


「はい」


「師匠なのに?」


「本人もそうしてほしいと思います」


「それ、いい関係だね」


「はい」


 ユイも武器を構えた。


「ですが」


「何?」


「今はあなたを倒したいので」


 THRONEが笑う。


「話終わり?」


「はい」


「急だなあ」


 二人。


 交戦。


          ◇


 左。


 ミカとQUEEN。


 今度。


 QUEENから来ない。


 ミカも来ない。


 二人。


 距離。


 ある。


「さっきから、私以外ばっか見てる」


 QUEENが言う。


「あなたもでしょう」


「うん」


「では同じです」


「でもミカ、私に勝ちたいんじゃなかった?」


「勝ちたいです」


「かなり?」


「かなり」


「じゃあ来ればいいのに」


 ミカはQUEENを見た。


 二年前なら。


 その一言だけで。


 行った。


 世界女王の座を奪った相手。


 再戦でも負けた相手。


 勝てば。


 過去。


 取り返せる。


 でも。


「QUEENさん」


「何?」


「あなた」


 一呼吸。


「今、私を誘っていますね」


 QUEENが笑った。


「ばれた?」


「はい」


「来ない?」


「行きません」


「残念」


 QUEENがあっさり踵を返した。


 中央。


 向かう。


 ミカ。


 追わない。


 別。


 左資源。


 触る。


 一。


 二。


 QUEEN。


 振り返らない。


 三。


 ミカ。


 取得。


 RESOURCE SECURED.


 CROWNLESS.


 FIVE.


 六対五。


 一点差。


 実況席。


 声。


 大きくなる。


『Crownless、一気に一点差まで戻した!』


『MONARCHを個々に追わず、自分たちの得点を取り始めています!』


 QUEEN。


 中央へ走りながら。


 小さく。


 笑う。


「そっち選ぶんだ」


 ミカ。


 聞こえない。


 それでも。


 同じように。


 少し。


 笑っていた。


          ◇


 残り三分五十二秒。


 MONARCH、六。


 Crownless、五。


 一点差。


 世界一。


 初めて。


 四人。


 中央近くへ。


 集まる。


 QUEEN。


 THRONE。


 REGALIA。


 SCEPTER。


 REGALIA。


 体力三割。


 レナに追われていた。


 SCEPTER。


 体力五割。


 ECHOとの交戦。


 THRONE。


 六割。


 ユイ。


 QUEEN。


 ほぼ無傷。


 Crownless。


 ミカ七割。


 ユイ六割。


 レナ五割。


 ECHO四割。


 消耗。


 こちら。


 大きい。


 レナ。


 息。


 吐く。


「追いついた」


 ユイ。


「まだです」


「一点」


「一点あります」


 ECHO。


「そして」


 ミカ。


「MONARCHが集まりました」


 四人。


 見る。


 今まで。


 それぞれ。


 好きに。


 動いていた。


 世界一が。


 初めて。


 四人。


 近い。


 QUEEN。


 三人へ。


「一回、ちゃんと取ろうか」


 THRONE。


「中央?」


「うん」


 REGALIA。


「珍しい」


 SCEPTER。


「いいじゃん」


 四人。


 中央。


 向く。


 ユイ。


 目。


 細める。


「来ます」


 レナ。


「さっきのCROWNEDみたい」


 ECHO。


「違います」


「何が?」


「この四人」


 一呼吸。


「何度も、これをしてきています」


 ユイも頷く。


「おそらく、ここからがMONARCHの最も強い形です」


 ミカ。


「形がないチームが」


「はい」


 ユイ。


「必要な時だけ、一つになります」


 CROWNEDは。


 四人が。


 初めて同じものを。


 選んだ。


 MONARCHは。


 違う。


 違うまま。


 動き続けることも。


 一つになることも。


 何度も。


 選んできた。


 世界一になるまで。


 勝って。


 負けて。


 覚えてきた。


 QUEEN。


 前。


「行こ」


 三人。


「うん」


 それだけ。


 四人。


 動く。


 速い。


 QUEEN。


 中央。


 THRONE。


 左。


 SCEPTER。


 右。


 REGALIA。


 後方。


 役割。


 自然。


 でも。


 固定ではない。


 レナ。


「止める!」


 中央。


 QUEENへ。


 突撃。


 QUEEN。


 レナを見る。


 受ける。


 その瞬間。


 THRONE。


 中央へ。


 レナの横。


 抜ける。


 ユイ。


 止める。


 そこへSCEPTER。


 ユイ。


 二対一。


 ECHO。


 救援。


 REGALIA。


 ECHOの進路。


 射撃。


 止める。


 ミカ。


 REGALIAを。


 狙う。


 QUEEN。


 レナから離れ。


 ミカの射線。


 入る。


 四人。


 誰かが。


 止められれば。


 次。


 別の誰か。


 入る。


 一秒。


 二秒。


 三秒。


 Crownless。


 押される。


「レナ、下がって!」


 ユイ。


「でも!」


「一度!」


 レナ。


 下がる。


 QUEEN。


 追わない。


 そのまま。


 中央。


 一。


 二。


 ECHO。


 行く。


 REGALIA。


 止める。


 三。


 ミカ。


 REGALIAへ。


 射撃。


 QUEEN。


 ミカへ。


 前。


 四。


 ユイ。


 THRONE。


 押し合い。


 五。


 SCEPTER。


 中央。


 保持。


 六。


 レナ。


 再侵入。


 QUEEN。


 受ける。


 七。


 八。


 九。


 十。


 CENTRAL HOLD.


 MONARCH.


 SEVEN.


 七対五。


 さらに。


 地形選択権。


 MONARCH。


 取得。


 QUEEN。


「REGALIA」


「はい!」


「好きなの」


「じゃあこれ!」


 REGALIAが即答。


 地形。


 変更。


 中央周囲。


 遮蔽物。


 消える。


 開ける。


 ミカ。


 目。


 細める。


「射線」


 ユイ。


「はい」


 REGALIAが選んだ。


 理由。


 明確。


 支援。


 しやすい。


 だから。


 選んだ。


 後方から。


 四方向。


 全部。


 届く。


「これは」


 ECHO。


「REGALIAの好きな場所です」


 その通り。


 REGALIA。


 笑う。


「やりやすい!」


 QUEEN。


「じゃ、お願い」


「任せて!」


 世界一。


 七対五。


 残り二分三十秒。


 そして。


 盤面まで。


 MONARCH向き。


 実況。


『強い! ここでMONARCHが二点差へ戻しました!』


『Crownlessが追いつきかけるたび、世界一がもう一段上を出してきます!』


 コメント。


『これが1位か』


『普通に強すぎ』


『Crownlessも食らいついてるぞ』


『ミカQUEENだけ見てないの成長えぐい』


『でも地形きつい』


『REGALIA自由にさせたら終わる』


 レナ。


 最後。


 聞こえない。


 でも。


 同じ。


 REGALIA。


 この地形。


 危険。


 止める。


 必要。


 そう。


 思った。


「私、REGALIA行く」


 ユイ。


「待ってください」


「何で」


「今、それをMONARCHもわかっています」


 レナ。


 止まる。


 ECHO。


「REGALIAを止めたいと、私たちが思う」


「はい」


 ミカ。


 QUEENを見る。


 QUEEN。


 こちらを。


 待っている。


 世界一。


 地形。


 取った。


 得意。


 作った。


 そして。


 次。


 Crownlessが。


 REGALIAへ行く。


 当然。


 そこ。


 もう。


 読んでいる。


「じゃあ、どうする」


 レナ。


 ユイ。


 少し。


 考える。


 その前。


 ミカ。


 言う。


「REGALIAさんを、止めません」


 三人。


 見る。


 ミカ。


「好きにさせます」


 ECHO。


「危険です」


「はい」


 レナ。


「撃たれ放題」


「はい」


 ユイ。


 ミカを見る。


 少し。


 笑う。


「その代わり」


 ミカ。


 QUEENを見る。


「三人を倒します」


 レナ。


 口元。


 上がる。


「全部?」


「できれば」


 ECHO。


「いいと思います」


 ユイ。


「採用します」


 普通なら。


 最も危険な支援役。


 止める。


 でも。


 止めない。


 REGALIAは。


 好きに支援できる。


 その代わり。


 支援される側。


 全員。


 押す。


 REGALIA一人の支援で。


 三箇所。


 同時。


 守れるか。


 世界一へ。


 世界一らしい。


 対応を。


 求めない。


 本人たちに。


 できないかもしれないことを。


 押しつける。


「行きます」


 ユイ。


 四人。


 散る。


 レナ。


 SCEPTER。


 ECHO。


 THRONE。


 ミカ。


 QUEEN。


 ユイ。


 中央。


 REGALIA。


 後方。


 自由。


 支援。


 一発。


 レナの進路。


 削る。


 二発。


 ECHO。


 回避先。


 限定。


 三発。


 ミカ。


 QUEEN。


 援護。


 全部。


 効く。


 それでも。


 Crownless。


 止まらない。


「REGALIA!」


 SCEPTERが叫ぶ。


「見えてる!」


 REGALIA。


 レナへ。


 支援。


 THRONE。


「こっちも!」


「待って!」


 REGALIA。


 右。


 向く。


 QUEEN。


 ミカに押される。


「REGALIA」


「ちょっと待って!」


 三人。


 同時。


 必要。


 REGALIA。


 楽しそう。


 でも。


 初めて。


 迷う。


 誰を。


 助ける。


 支援が。


 好き。


 だから。


 全員。


 助けたい。


 でも。


 全部。


 同時。


 無理。


 ECHO。


 気づく。


「見えました」


 ユイ。


「はい」


 REGALIAの。


 強み。


 そして。


 弱み。


 助けたい。


 全員。


 その瞬間。


 自分で。


 一つ。


 選ぶ。


 必要。


「QUEEN!」


 REGALIAが選んだ。


 ミカ。


 世界一。


 一番。


 押されている。


 支援。


 射線。


 左。


 飛ぶ。


 ミカ。


 回避。


 QUEEN。


 離脱。


 助かる。


 でも。


 その間。


 レナ。


 SCEPTER。


 押し切る。


 PLAYER DOWN.


 SCEPTER.


 CROWNLESS.


 SIX.


 七対六。


 ECHO。


 THRONE。


 近距離。


 得意。


 ではない。


 でも。


 一歩。


 前。


 THRONE。


 REGALIA。


 来ない。


 気づく。


「そっち選んだんだ」


 ECHO。


「はい」


「なら」


 THRONE。


 笑う。


「自分でやる」


 ECHO。


「私もです」


 二人。


 ぶつかる。


 残り一分十六秒。


 七対六。


 一点差。


 ミカ。


 QUEEN。


 再び。


 向き合う。


 QUEEN。


 少し。


 息。


 荒い。


「これ、狙った?」


「何がですか」


「REGALIAに全部助けさせる」


「はい」


「性格悪くなった?」


「誰かの影響でしょうか」


 観戦席。


 NoName。


 また。


 くしゃみ。


 QUEEN。


 笑う。


「師匠?」


「秘密です」


「わかりやすい」


 QUEEN。


 構える。


「でも」


「はい」


「まだ私たちが勝ってる」


 七対六。


 残り一分。


 その通り。


 Crownlessは。


 追っている。


 ミカ。


 構える。


「では」


 QUEEN。


「何?」


「追いつきます」


 一発。


 QUEEN。


 回避。


 二発。


 ミカ。


 撃たない。


 QUEEN。


 止まる。


 ミカ。


 その横。


 抜ける。


 中央。


 走る。


 QUEEN。


 今度。


 即座。


 追う。


「行かせない」


「来ますか」


「今は!」


 QUEEN。


 ミカ。


 追う。


 ミカ。


 中央。


 入らない。


 外周。


 走る。


 QUEEN。


 追う。


「中央じゃない?」


「はい」


「じゃあ何!」


 ミカ。


 答えない。


 その頃。


 中央。


 ユイ。


 一人。


 入る。


 一。


 QUEEN。


 気づく。


 ミカ。


 囮。


 ではない。


 ミカ自身。


 QUEENと。


 走りたかった。


 でも。


 結果。


 QUEEN。


 中央。


 いない。


 二。


 THRONE。


 ECHO。


 交戦。


 三。


 REGALIA。


 THRONEへ。


 支援。


 四。


 レナ。


 復帰したSCEPTER。


 また。


 捕まえる。


 五。


 ユイ。


 中央。


 六。


 QUEEN。


 戻る。


 ミカ。


 追う。


 七。


 QUEEN。


 中央。


 あと。


 少し。


 八。


 ミカ。


 撃つ。


 QUEEN。


 回避。


 一歩。


 遅れる。


 九。


 十。


 CENTRAL HOLD.


 CROWNLESS.


 SEVEN.


 七対七。


 同点。


 残り。


 三十八秒。


 会場。


 爆発。


 実況。


『追いついたああああ!』


『Crownless! 世界一MONARCHに! 残り三十八秒で同点!』


 四人。


 Crownless。


 誰も。


 喜びすぎない。


 まだ。


 終わっていない。


 MONARCHも。


 同じ。


 QUEEN。


 スコア。


 見る。


「七対七」


 THRONE。


「残り三十八」


 REGALIA。


「次一点」


 SCEPTER。


 復帰。


「取った方」


 QUEEN。


 笑う。


「じゃあ」


 四人。


 見る。


「勝とう」


 Crownless。


 ユイ。


 通信。


「最後です」


 レナ。


「うん」


 ECHO。


「はい」


 ミカ。


 QUEENを見る。


 一瞬。


 だけ。


 それから。


 三人。


 見る。


「勝ちます」


 ユイ。


「Crownlessで」


 ミカ。


「はい」


 八人。


 動く。


 残り三十秒。


 世界一。


 MONARCH。


 七。


 挑戦者。


 Crownless。


 七。


 最後の一点。


 その瞬間。


 QUEENが。


 今まで。


 一度も。


 選ばなかった。


 場所へ。


 走った。


 右後方。


 REGALIAの。


 位置。


 そして。


 REGALIAが。


 QUEENのいた。


 最前線へ。


 出る。


 ミカ。


 目。


 見開く。


 役割。


 交換。


 ではない。


 QUEEN。


 支援。


 REGALIA。


 前衛。


 世界一が。


 最後の三十秒で。


 まだ。


 新しいことを。


 始める。


 QUEEN。


 笑う。


「ミカ!」


 ミカ。


「はい!」


「私たちも!」


 QUEENが後方から武器を構える。


「今、変わるよ!」


 ミカも。


 笑った。


「どうぞ!」


 残り。


 二十五秒。


 七対七。


 最後の一点を前に。


 世界一は。


 完成しているから。


 強いのではなかった。


 試合の最後まで。


 変わることを。


 やめない。


 だから。


 世界一だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。