第三十六話 あなたたちは、私たちではない
第二試合。
CROWNEDは、第一試合と同じ初動を見せた。
左高所。
中央後方。
右地下。
星野ミカに似た射撃役。
月城ユイに似た戦略役。
黒瀬レナに似た近距離役。
けれど。
もう、そうは呼ばない。
ユイ。
相手一、左高所。
ミカ。
見えています。
ユイ。
相手二、中央後方。
レナ。
相手三、右地下。
過去の自分ではない。
現在、目の前にいる三人。
それだけを見る。
ミカは左高所へ向かわなかった。
相手一との射撃勝負を避けるためではない。
左高所より、中央制圧地点の外周が見えたから。
ミカ。
中央右へ行きます。
ユイ。
理由は?
ミカ。
三人の初動を見ます。
ユイ。
受け取りました。
レナは右地下へ進まない。
相手三を待つためでも。
昔の自分と比べるためでもない。
右地下の入口へ一歩だけ入り。
すぐに横へ抜けた。
レナ。
相手三、地下から出た後に左を見る。
ユイ。
何を見ていますか。
レナ。
相手二。
ミカの視線も動く。
右地下から出た相手三は。
レナではなく。
中央後方にいる相手二を一度だけ確認した。
ほんの一瞬。
第一試合では気づかなかった動き。
昔のレナなら。
前へ出る時、ユイの位置を見ていたかもしれない。
そう考えて終わっていた。
だが今は。
相手三本人の癖として見る。
ミカ。
相手一も、撃つ前に中央を見ています。
ユイ。
相手二を?
ミカ。
はい。
左高所の相手一。
ミカへの射線を置く前に。
中央後方の相手二を確認している。
二人とも。
相手二を見てから動く。
ユイはすぐには結論を出さない。
ユイ。
記録します。
CROWNEDが中央制圧を開始した。
相手二が中央後方から支援。
相手一が高所射線。
相手三が右から圧。
完成した三人の形。
中央制圧率。
CROWNED、一パーセント。
二。
三。
第一試合。
Crownlessは、この形を見て過去の自分たちだと思った。
撃つ相手。
完成させる相手。
前へ出る相手。
それぞれの弱点を探した。
だが今。
ミカが見ているのは相手一だけではない。
相手一が。
誰のために撃つのか。
レナが見ているのも。
相手三が、なぜ前へ出るのか。
ユイも。
相手二が何を完成させるかではなく。
二人から何を任されているのかを見る。
ユイ。
中央はまだ止めません。
レナ。
取られるよ。
ユイ。
見ます。
ミカ。
はい。
五パーセント。
十。
相手一が撃った。
ミカの足元。
進路を切る射撃。
だが。
ミカは自分の位置だけを見なかった。
射撃後。
相手一の照準はすぐに相手二へ戻った。
相手二の前に敵がいないか。
支援を置く時間があるか。
確認している。
ミカ。
相手一は、相手二を守っています。
ユイ。
私もそう見えます。
レナ。
相手三も。
相手三は前へ出る。
だが。
相手二の支援範囲から一歩以上は離れない。
第一試合では。
昔のレナのように、支援が届く限界まで前へ出ると思っていた。
違う。
相手三は。
支援が確実に届く場所だけで速い。
レナ。
こいつ、一人じゃ来ない。
ユイ。
はい。
レナ。
相手二が作った範囲の中だけ。
ミカ。
相手一も、相手二が見られていると撃つ対象を変えます。
三人の中心。
相手二。
戦略役だから。
そう片づけることもできる。
だが。
GRID。
昔のユイ。
その名前で見れば。
当然に思えてしまう。
今は。
相手二という一人の選手。
二人から信頼され。
二人の判断開始点になっている。
ユイ。
相手二が指示役とは限りません。
レナ。
でも二人とも見てる。
ユイ。
はい。
指示を待っているのではなく、相手二の位置で自分の安全を確認しています。
ミカ。
相手二がいる場所が、二人の基準。
ユイ。
はい。
CROWNED、中央制圧二十パーセント。
実況が声を上げる。
第二試合もCROWNEDが先行! Crownlessはまだ大きな攻撃を仕掛けません!
解説。
第一試合では相手を過去の自分たちとして読みましたが、今回はかなり慎重ですね!
慎重。
確かに。
だが。
待っているだけではない。
過去ではなく。
現在の相手を知るための時間。
ユイ。
相手二を動かします。
ミカ。
撃ちますか。
ユイ。
いいえ。
私が前へ出ます。
レナ。
ユイが?
ユイ。
はい。
ユイは中央後方から動いた。
支援を置かず。
真っ直ぐ前へ。
相手二へ向かう。
ユイらしくない動き。
盤面を作る前に。
自分が中央へ入る。
相手二が反応する。
支援を一つ前へ。
ユイを止める。
同時に。
相手一が高所から照準を変えた。
ミカではない。
ユイへ。
相手三もレナの前から半歩中央へ寄る。
二人とも。
相手二へ近づくユイを見た。
ミカ。
二人、動きました。
レナ。
本当に守ってる。
ユイ。
次。
ミカ。
相手一を動かします。
レナ。
私は相手三。
ユイ。
私は下がります。
三人が同時に動く。
ミカは相手一の高所からの退路へ射線。
レナは相手三へ一歩踏み込む。
ユイは中央から下がる。
相手一はミカへ戻ろうとする。
相手三はレナへ。
相手二は。
前へ出した支援を戻そうとする。
一瞬。
三人の位置がずれた。
CROWNEDの中央制圧が止まる。
二十三パーセント。
ミカ。
止まりました。
ユイ。
はい。
レナ。
相手二が動くと、全員一回戻る。
ユイはその言葉を受け取った。
相手二を倒せば崩れる。
そう単純ではない。
だが。
相手二の位置が変われば。
相手一と相手三は。
自分の基準を再確認する。
ほんの一瞬。
速さが消える。
ユイ。
相手二は中心です。
ミカ。
狙いますか。
ユイ。
狙いません。
レナ。
また?
ユイ。
中心を倒そうとすると、第一試合と同じです。
誰が最も重要か。
誰を落とせば勝てるか。
Rogueが投げた問い。
CROWNED相手にも。
同じ答えへ入る必要はない。
ユイ。
相手二を倒すのではなく、位置を決めさせません。
ミカ。
相手一と相手三に、何度も確認させる。
ユイ。
はい。
レナ。
二人が見るたび、遅れる。
中央制圧率。
CROWNED、二十五。
Crownless、ゼロ。
まだ負けている。
だが。
第一試合とは違うものが見えた。
ユイ。
次の資源は右です。
レナ。
近い。
ミカ。
相手三も。
右地下に相手三。
最も近い。
普通なら。
相手三が資源へ。
相手二が支援。
相手一が射線。
第一試合で何度も見た形。
資源有効化まで五秒。
CROWNEDが先に動く。
相手三が端末へ。
相手二が右支援。
相手一が高所から進路を撃つ。
正しい。
速い。
ユイ。
私は相手二を動かします。
ミカ。
私は相手一。
レナ。
私は端末行く。
三人が分かれる。
ユイは中央から右へ。
相手二の支援位置へ近づく。
ミカは左高所へ射線。
相手一の足元。
レナは端末へ。
CROWNEDが対応する。
相手一はミカへ。
相手二はユイへ。
相手三は端末を取りながらレナへ圧。
個別対応。
それでも。
相手一と相手三は。
一度だけ相手二を確認した。
ユイが相手二へ近づいているから。
その一瞬。
ミカが撃つ。
相手一本人ではない。
相手一と相手二の間。
見通しを作っている遮蔽物。
破壊。
相手一から。
相手二が見えなくなる。
相手一の動きが止まった。
ほんの一拍。
レナ。
相手三も見てる。
レナは端末へ行かない。
相手三と相手二の間へ入った。
視線を切る。
相手三が止まる。
相手二が見えない。
支援範囲はある。
だが。
本当にその位置でいいのか。
二人が確認できない。
ユイ。
今です。
ユイが相手二へ支援を置く。
攻撃ではない。
移動を制限する支援。
相手二は一歩下がる。
相手一と相手三が。
その動きを見られない。
CROWNEDの三人の間に。
初めて明確なずれが生まれた。
相手一は高所に残る。
相手三は端末前。
相手二は後ろへ。
それぞれが。
別の位置を基準にする。
レナ。
取る。
右資源端末へ。
取得開始。
十。
二十。
相手三がレナへ。
速い。
攻撃。
レナは待つ。
だが今回は。
相手三も止まらない。
相手二が見えないから。
自分で決めた。
前へ出る。
レナ。
来た。
一撃。
レナが被弾。
相手三はさらに前。
支援範囲から出る。
レナの胸が鳴る。
一人では来ない。
そう見ていた。
違う。
相手二が見えない時。
相手三は。
止まるのではなく。
自分で決めて進む。
しかも。
支援なしでも速い。
レナ。
こいつ、一人でも来る。
ユイ。
受け取りました。
レナ。
私が間違えた。
ユイ。
今、修正してください。
レナ。
うん。
相手三が二撃目。
レナは下がらない。
待たない。
横へ。
攻撃の軸から外れ。
相手三の背後へ回る。
相手三も振り向く。
一対一。
支援なし。
昔のレナではない。
RUSHでもない。
目の前の相手三。
レナ。
今から見る。
攻撃。
相手三が避ける。
反撃。
レナも避ける。
互いに。
速い。
だが。
相手三の攻撃には一つの癖があった。
前へ出る直前。
わずかに左肩が下がる。
フェイントではない。
身体操作。
次の踏み込み方向。
過去映像では見えなかった。
レナ。
左から来る。
相手三が踏み込む。
レナは先に半歩右へ。
攻撃が空振る。
レナの一撃。
命中。
相手三の体力が削れる。
レナ。
見えた。
今度は。
昔の自分の弱点ではない。
相手三本人の癖を見た。
右資源取得率。
三十。
四十。
レナは端末へ戻る。
相手三が追う。
だが。
ミカの射線が通る。
相手一は。
まだ相手二を確認できない。
高所から。
ミカへ攻撃するか。
レナを止めるか。
一瞬迷う。
ミカはその迷いを見た。
相手一は。
誰かを守る時。
照準がわずかに遅れる。
自分で撃つ対象を決める時は速い。
だが。
相手二の位置が見えないまま。
味方を守る射撃を選ぶ時。
一拍必要。
ミカ。
相手一、守る射撃が遅いです。
ユイ。
理由は?
ミカ。
相手二の判断を確認できないから。
ユイ。
記録します。
相手一が撃つ。
レナの足元。
一拍遅い。
レナは避ける。
取得率。
五十。
六十。
CROWNEDは。
すぐに修正した。
相手二が前へ出る。
自分から。
相手一と相手三の両方に見える位置へ。
中央と右資源の間。
支援も。
射線も。
近距離も。
再び繋がる。
相手一の射撃が速くなる。
相手三の前進も支援範囲へ戻る。
三人の形が復活。
ユイ。
相手二が見える位置へ戻りました。
ミカ。
また速くなります。
レナ。
でも。
レナは端末に触れながら。
相手三を見る。
レナ。
相手二が見えなくても、相手三は自分で来た。
ユイ。
はい。
ミカ。
相手一も、自分で撃つ対象を決めました。
ユイ。
はい。
相手二は中心。
だが。
二人は相手二がいなければ何もできないわけではない。
見えなくなれば。
それぞれ自分で判断する。
その判断には。
相手本人の癖が出る。
ユイ。
相手二を何度も隠します。
レナ。
二人を弱くするため?
ユイ。
違います。
ミカ。
本人を出させるため。
ユイ。
はい。
相手二が見える時。
三人は完成したCROWNED。
相手二が見えない時。
相手一。
相手三。
それぞれの選手自身が現れる。
そこを読む。
取得率。
七十。
相手二が右資源へ支援。
レナが押される。
相手三が踏み込む。
相手一が高所から射線。
三重。
レナ一人では持たない。
ユイ。
資源を保留します。
レナ。
あと三十。
ユイ。
捨てます。
レナは端末から離れる。
取得率七十二で停止。
悔しい。
だが。
第一試合のように。
九十八まで残らない。
勝利条件に心を奪われない。
レナ。
離れた。
ユイ。
受け取りました。
ミカ。
次は?
ユイ。
相手二を隠します。
中央に戻った相手二。
左高所の相手一。
右の相手三。
三角形。
ユイが前へ出る。
相手二へ。
また。
相手一と相手三が反応。
今度はミカとレナが。
それぞれ遮蔽物を壊す。
相手一と相手二の視線。
相手三と相手二の視線。
同時に切る。
CROWNEDの三人が分断される。
相手一はミカ。
相手三はレナ。
相手二はユイ。
一対一が三つ。
実況が声を上げた。
Crownless、CROWNEDの三人を分断! それぞれが一対一の形です!
解説。
第一試合では役割交換を使いましたが、今回は相手三人の視線と支援経路を切っています!
ユイの前。
相手二。
戦略役同士。
昔のユイを再現する選手。
そうは見ない。
一人の相手。
支援設置が速い。
説明しない。
完成まで迷わない。
だが。
ユイは初めて。
相手二自身の動きを近くで見た。
支援を置く直前。
相手二は。
左。
右。
必ず二度見る。
相手一。
相手三。
二人の位置を確認する。
完璧な盤面を作るためではない。
二人が入れる場所を確認する。
自分のための支援ではない。
ユイ。
この人は。
相手二が支援を置く。
ユイの退路。
前進。
左右。
すべて塞ぐ。
完成。
速い。
ユイは下がれない。
ユイ。
自分の場所を作っていません。
相手二の支援は。
相手一と相手三が使う場所ばかり。
自分が戻る位置。
自分が被弾した時の退路。
それがない。
過去のユイは。
全員のために完璧な盤面を作った。
その中には、自分も含まれていた。
相手二は違う。
二人のためだけ。
自分を盤面の外へ置いている。
ユイ。
相手二は、自分を支援対象にしていません。
ミカ。
狙いますか。
ユイ。
いいえ。
レナ。
また狙わない?
ユイ。
この方は、狙われることを前提にしています。
相手二は。
自分に戻る場所がないことを知っている。
それでも前に立つ。
二人が動けるなら。
自分が落ちてもいい。
第一試合の最後。
三人同時撃破。
あれは。
相手二が、自分の体力まで計算に入れていた。
ユイたちを全滅させるためなら。
自分も同時に落ちる覚悟。
ユイ。
私を誘っています。
相手二へ攻撃すれば。
相手一が撃つ。
相手三が入る。
自分を餌に。
二人へ勝ち筋を渡す。
ユイ。
では、受け取りません。
相手二へ攻撃しない。
支援も壊さない。
ユイは。
相手二の前から一歩下がった。
相手二が追う。
ユイはさらに下がる。
相手二の支援範囲から。
相手一と相手三が使える場所が遠くなる。
相手二は。
二人のための支援を維持したい。
だが。
ユイを逃せば。
分断が続く。
選択。
相手二は。
支援を捨てた。
すべて。
二人のために完成させた盤面を消し。
ユイを追う。
ユイ。
捨てました。
ミカ。
全部?
ユイ。
はい。
相手二は。
自分が狙われることを受け入れる。
だが。
二人が使えない支援を残すことはしない。
完成に執着していない。
GRIDではない。
相手二。
必要なら。
一瞬で全部を捨てる。
ユイの胸に、少しだけ熱が出る。
強い。
自分に似ているからではなく。
この人自身が。
ミカの戦場。
相手一と一対一。
高所。
ミカは低い位置。
不利。
相手一が撃つ。
一発目。
ミカの退路ではない。
本体。
昔のミカとは違う。
ミカは避ける。
二発目。
今度は遮蔽物。
破壊。
三発目。
ミカの次の位置。
速い。
ミカが一発被弾。
ミカ。
当たりました。
レナ。
戻る?
ミカ。
まだ見ます。
相手一は。
ミカとの射撃勝負に入ると。
相手二を見ない。
味方を守る射撃とは違う。
自分で倒す相手を決めた時。
一切迷わない。
射撃だけなら。
本当に強い。
ミカの胸に。
勝ちたい気持ちが出る。
一対一で。
撃ち勝ちたい。
だが。
それを隠さない。
ミカ。
一対一で勝ちたいです。
ユイ。
受け取りました。
レナ。
今は?
ミカは見る。
中央では。
ユイが相手二を引いている。
右では。
レナと相手三。
互いに一対一。
三つの戦場。
勝利条件は動いていない。
ミカ。
今は、使います。
ユイ。
了解。
証明ではないとは言えない。
それでも。
目の前の相手を落とせれば。
人数有利。
試合に勝てる。
自分の欲と。
勝利条件が重なっている。
なら使う。
ミカは撃つ。
相手一も。
弾が交差。
一発。
互いに避ける。
二発。
相手一の弾がミカの遮蔽物を削る。
ミカの弾は、相手一の足元。
動かす。
相手一が横へ。
ミカはそこへ二発目。
当たる。
相手一の体力が減る。
会場が沸く。
相手一は下がらない。
撃ち返す。
ミカも被弾。
互いに低体力。
一発。
次に当てた方が落ちる。
ミカの呼吸が速くなる。
相手一の照準。
速い。
正確。
自分より。
ほんの少し先。
NoNameに何度も負けた時と似ている。
自分の撃ちたい場所が。
先に知られている感覚。
相手一は。
ミカの公開映像を学んでいる。
昔だけではない。
大会。
優勝。
Rogue戦。
Aegis戦。
おそらく。
今のミカが射線で動かすことも知っている。
相手一が。
ミカの足元を撃った。
動かす射線。
今のミカの技術。
ミカは一歩右へ。
そこへ。
二発目が来る。
読まれた。
ミカ。
もう一度見ます。
戻り言葉。
ユイ。
受け取りました。
理由を言います。
ミカは相手一から目を離さない。
ユイ。
相手一は、ミカさんが避ける方向を自分の過去記録から選んでいます。
ミカ。
はい。
ユイ。
今のミカさんが、まだ選んだことのない方向へ戻ってください。
戻る。
だが。
いつもの戻り方ではない。
自分が使ってきた退路。
公開映像に残る回避。
NoNameとの訓練で覚えた動き。
全部。
相手一は知っている。
なら。
まだ自分でも選んだことのない場所。
ミカは左を見る。
壁。
行き止まり。
普通なら選ばない。
逃げ道がなくなる。
相手一も。
そこへは動かさない。
ミカ。
左へ行きます。
レナ。
壁あるよ。
ミカ。
はい。
ミカは壁際へ。
相手一が撃つ。
退路を塞ぐ必要がない。
すでに行き止まり。
本体へ一発。
ミカは。
前へ出た。
壁から。
相手一へ。
距離を詰める。
射撃役同士。
距離を取るのが普通。
ミカの記録にも。
ほとんどない。
相手一の照準が。
ほんの一瞬だけ遅れた。
ミカは撃つ。
一発。
命中。
相手一。
DOWN。
会場が爆発した。
実況。
星野選手が相手一を撃破! 壁際へ追い込まれたところから、逆に距離を詰めました!
ミカは息を吐く。
勝った。
射撃で。
でも。
昔の自分に勝ったのではない。
目の前の相手一に。
今の試合で。
一度だけ勝った。
ミカ。
相手一、落としました。
ユイ。
受け取りました。
レナ。
よし。
三対二。
Crownless有利。
だが。
相手二と相手三は。
すぐに動いた。
相手一の復帰まで二十秒。
相手二がユイを追うのをやめる。
相手三もレナから離れる。
二人が。
同じ場所へ。
左高所。
相手一が倒れた場所。
レナ。
助けに行った?
ユイ。
いいえ。
倒れた味方は助けられない。
復帰を待つしかない。
二人は。
左高所へ戻る道を作っている。
相手一が復帰した後。
最短で高所へ戻れる形。
第一試合と同じ。
欠けた一人のために。
二人で完成させる。
だが。
今はもう。
それを過去のユイの癖とは見ない。
CROWNEDの選択。
ユイ。
相手一の戻り場所を作っています。
レナ。
潰す?
ユイは一瞬考える。
相手一を戻させなければ。
人数有利を維持できる。
正しい。
だが。
相手二は自分の場所を作らない。
相手三は一人でも前へ出る。
二人は。
相手一を戻すためなら。
自分たちを使う。
潰しに行けば。
また全滅を狙われる可能性。
ユイ。
相手一の戻り場所を取ります。
ミカ。
壊すのではなく?
ユイ。
はい。
相手二と相手三が。
左高所への経路を作る。
ユイとレナは。
正面から奪わない。
ミカが。
倒した相手一の位置にいる。
すでに。
その場所の内側。
ユイ。
ミカさん。
ミカ。
はい。
ユイ。
そこを、Crownlessの戻り場所にしてください。
ミカは驚いた。
左高所。
相手一の場所。
自分の過去を再現する射撃役が使っていた位置。
それを。
Crownlessの戻り場所にする。
ミカ。
受け取ります。
ミカは高所へ支援装置を置けない。
ユイの役割。
だが。
射線は置ける。
相手二と相手三が近づけない線。
ユイは遠くから。
未完成の支援を高所へ伸ばす。
レナは入口へ立つ。
三人で。
相手一の帰る場所を。
自分たちの場所へ変える。
相手二が止まる。
相手三も。
相手一の復帰まで五秒。
CROWNEDは。
初めて。
戻る場所を奪われた。
相手二が全体を見た。
中央。
資源。
高所。
選択。
相手二は。
左高所を諦めた。
中央へ。
相手三も。
相手一の帰る場所を取り返さず。
中央へ走る。
ユイ。
諦めました。
レナ。
早い。
ミカ。
相手一は?
復帰。
相手一が右入口へ現れた。
いつもの左高所には戻れない。
だが。
止まらない。
中央へ。
二人と合流する。
CROWNEDの三人が。
中央に揃った。
場所を奪われた。
それでも。
すぐ別の形。
強い。
Crownlessは左高所。
CROWNEDは中央。
人数有利は消えた。
三対三。
中央制圧率。
CROWNED二十五。
Crownlessゼロ。
資源取得。
Crownless七十二。
だが中断。
CROWNEDゼロ。
戦術ポイントなし。
試合はまだ。
少しCROWNEDが上。
ユイ。
左高所を維持しません。
ミカ。
せっかく取りましたが。
ユイ。
相手一の戻り場所だったから価値がありました。
今は違います。
レナ。
捨てる。
ユイ。
はい。
三人は左高所を離れる。
取った場所を守らない。
CROWNEDが中央。
Crownlessが外周。
次の資源端末が有効化。
中央奥。
両チームから同じ距離。
ユイ。
次の資源を取ります。
ミカ。
はい。
レナ。
行く。
CROWNEDも動く。
相手一。
相手二。
相手三。
三人。
もう。
誰が自分に似ているかを考えない。
それぞれの選手。
相手一は。
自分で撃つ対象を決める時に速い。
だが。
味方を守る射撃では一拍遅れる。
相手二は。
二人のための盤面を作る。
自分の戻り場所を作らない。
必要なら完成した盤面も捨てる。
相手三は。
相手二が見えなくても前へ出る。
踏み込み前、左肩が下がる。
三人の現在。
それを共有する。
資源端末へ。
両チームが入る。
相手一が射線。
ミカが見る。
相手二が支援。
ユイが見る。
相手三が前。
レナが見る。
同じ役割。
だが。
鏡ではない。
六人の選手。
それぞれ違う。
相手三が踏み込む。
左肩。
レナ。
左。
先に避ける。
RUSHではない。
相手三本人の癖。
レナが一撃。
相手三が被弾。
相手一が。
レナを守る相手三のために射線を変える。
一拍。
ミカ。
今。
ミカが相手一へ射線。
相手一が動く。
相手二が。
二人のために支援を前へ。
自分の足元が空く。
ユイ。
相手二、戻り場所なし。
ユイは相手二を撃たない。
支援で押す。
一歩。
相手二が端末から離れる。
CROWNEDの三人が。
それぞれ一歩ずつずれる。
ユイ。
今です。
Crownlessが端末へ。
レナ。
取得。
ミカ。
射線。
ユイ。
支援。
十パーセント。
二十。
CROWNEDが戻る。
相手一の射撃。
相手二の支援。
相手三の前進。
すべて強い。
だが。
今度は。
何が来るかではなく。
なぜ来るかが見えている。
相手一は。
相手二が端末へ戻る道を作るために撃つ。
なら、一拍遅い。
ミカは先に射線を置く。
相手二は。
相手三が前へ入れる支援を作る。
自分の退路は空く。
ユイがそこへ支援。
相手三は。
踏み込む前に左肩。
レナが右へ。
Crownless取得。
三十。
四十。
五十。
実況が叫ぶ。
Crownless、中央奥資源を進める! 第一試合とは違い、CROWNED三選手の動きを個別に読んでいます!
解説。
似た戦い方への対策ではありません! 対戦中に見つけた選手本人の癖を使っています!
相手二が。
初めて自分の足元へ支援を置いた。
ユイの目が動く。
今まで。
二人のためだけだった支援。
自分の戻り場所を作らなかった相手二が。
自分を守る。
対策。
自分の弱点を見られたと理解した。
強い。
相手二は変わる。
相手一も。
守る射撃をやめた。
自分でミカを狙う。
一拍の遅れが消える。
相手三も。
踏み込み前に左肩を下げない。
逆側へフェイント。
三人が。
試合中に癖を修正する。
ミカ。
変えました。
ユイ。
はい。
レナ。
もう使えない。
取得率。
五十二で停止。
CROWNEDが押し返す。
一度見つけた答えを。
もう使えない。
Aegisと同じ。
強い相手は変わる。
では。
また見る。
ユイ。
相手一。
相手二。
相手三。
三人の声が続く。
ミカ。
相手一、今度は私を見ています。
ユイ。
相手二、自分の支援を優先。
レナ。
相手三、フェイント増えた。
現在の相手。
今の一秒。
それだけを見る。
CROWNEDが端末へ。
取得開始。
十。
二十。
Crownlessは下がらない。
相手一がミカを撃つ。
今度は守る射撃ではない。
速い。
ミカは避ける。
相手二が自分を守る。
ユイの支援が通らない。
相手三がフェイント。
レナが一発受ける。
強い。
形を変えても。
CROWNEDが上。
取得率。
三十。
四十。
レナ。
このまま取られる。
ユイ。
はい。
ミカ。
どうしますか。
ユイは。
相手二を見る。
自分の支援を置いた。
それによって。
相手一と相手三へ届く範囲が狭くなった。
自分を守れば。
二人への支援が減る。
相手一は。
ミカを自分で狙っている。
味方を守る射線がない。
相手三は。
フェイントを増やした。
その分。
最初の踏み込みが遅くなった。
弱点を消した。
代わりに。
別の場所が変わる。
ユイ。
同時に三つを押します。
レナ。
相手全員?
ユイ。
いいえ。
三人が変えた部分です。
ミカ。
相手一は、私だけを見ている。
ユイ。
相手二は、自分を守っている。
レナ。
相手三は、フェイントで遅い。
ユイ。
はい。
ミカ。
実行します。
ミカは相手一へ撃ち合いを仕掛ける。
避けない。
相手一の意識を完全に自分へ固定。
ユイは相手二を狙わない。
代わりに。
相手二から相手三へ伸びる細い支援経路を切る。
レナは。
相手三のフェイントを待たない。
最初の動きへ踏み込む。
相手三がフェイントを出す前に。
距離を潰す。
三つ。
CROWNEDの修正が。
同時に裏返る。
相手一はミカしか見ていない。
ユイが端末へ入る。
相手二は自分を守っている。
レナを支援できない。
相手三はフェイントを選んだ。
レナの前進へ攻撃が間に合わない。
レナの一撃。
相手三へ命中。
相手三が下がる。
ユイが端末へ触れる。
Crownless取得再開。
五十二。
六十。
CROWNEDが動く。
相手一がユイへ射線を変えようとする。
ミカが撃つ。
止める。
相手二が支援をユイへ。
自分の足元から外す。
ユイがそこを狙わない。
レナが。
空いた相手二の戻り道へ立つ。
相手三がレナへ。
だが低体力。
前へ出切れない。
七十。
七十五。
CROWNEDが再び役割を変える。
速い。
相手一が端末。
相手二がミカ。
相手三がユイ。
想定外。
射撃役が端末へ触れる。
戦略役が前へ支援。
近距離役がユイを押す。
役割交換。
Crownlessも。
ミカが端末から相手一を動かす。
ユイが相手二の支援を読む。
レナが相手三を止める。
鏡ではない。
六人。
現在の判断。
八十。
相手一の射撃。
ミカが被弾。
相手二の支援。
ユイが押される。
相手三の攻撃。
レナの体力が減る。
三人とも危ない。
第一試合。
九十八まで残り。
全員落ちた。
同じ負け筋。
ユイ。
体力確認。
ミカ。
二割。
レナ。
三割。
ユイ。
四割。
CROWNED。
相手一、四割。
相手二、六割。
相手三、二割。
互いに低い。
全滅条件。
また。
CROWNEDは撃破タイミングを揃えているかもしれない。
ユイ。
取得を止めます。
レナ。
八十なのに?
ミカ。
止めましょう。
三人が端末から離れる。
取得率。
八十二で停止。
CROWNEDは。
一瞬。
追わなかった。
端末へも触れない。
三人の体力を見ている。
やはり。
全滅を狙っていた。
レナ。
待ってた。
ユイ。
はい。
ミカ。
第一試合と同じ。
違う。
第一試合と同じなのは。
CROWNEDの狙いだけではない。
Crownlessが。
八十を捨てられないと思われていた。
勝利条件へ残る。
三人の体力が揃う。
全滅。
今回は。
捨てた。
CROWNEDの三人が。
一瞬だけ判断を変える。
資源を取るか。
追って撃破するか。
相手二が前へ。
相手一が端末。
相手三がCrownlessを追う。
三つに分かれた。
ユイ。
今です。
ミカ。
相手一。
レナ。
相手三。
ユイ。
相手二。
一対一。
だが。
今度の目的は撃破ではない。
三人の復帰時間をずらす。
同時に落ちない。
誰か一人。
先に戻す。
ユイ。
ミカさん、下がってください。
ミカ。
端末は?
ユイ。
私とレナさんが残ります。
ミカの体力が最も少ない。
一度下がる。
戻り場所へ。
固定された場所はない。
ユイとレナが作る。
ユイ。
中央左。
レナ。
私が入口止める。
ミカ。
戻ります。
ミカが走る。
相手一が端末から射線。
ミカを狙う。
ユイが支援で切る。
相手二がユイへ。
レナが圧を出す。
相手三がレナへ。
レナは一撃受ける。
体力、残りわずか。
それでも止まる。
ミカが中央左へ入る。
ユイの支援。
戻り場所。
ミカ。
戻りました。
ユイ。
おかえりなさい。
レナ。
おかえり。
ミカの体力が回復し始める。
CROWNEDは。
一人を戻された。
全滅のタイミングがずれる。
相手三が。
低体力のレナへ攻撃。
レナ。
戻る。
ユイ。
右入口。
ミカ。
私が見ます。
レナが下がる。
今度はレナ。
ミカの射線。
ユイの支援。
二人が道を作る。
相手三が追う。
左肩は下がらない。
フェイント。
だが。
レナはもう。
昔の癖も。
新しい修正も中心にしない。
目の前。
相手三の距離。
今の攻撃だけを見る。
一歩避ける。
右入口へ。
レナ。
戻った。
ミカ。
おかえり。
ユイ。
おかえりなさい。
レナも回復。
最後。
ユイ。
相手二が迫る。
相手一の射線。
相手三も戻る。
三人がユイへ。
今度はユイが最も低い。
ユイ。
戻ります。
ミカ。
中央左ではなく、右高所下。
レナ。
道作る。
ユイ。
受け取ります。
三人が。
一人ずつ戻る。
同時に下がらない。
同時に体力を揃えない。
CROWNEDが得意とする。
三人同時撃破の時間を作らせない。
ユイが右高所下へ。
ミカが相手一を撃つ。
レナが相手三へ圧。
相手二の支援を。
ユイ自身が最後に切る。
ユイ。
戻りました。
ミカ。
おかえりなさい。
レナ。
おかえり。
三人。
全員生存。
体力も。
少しずつずれている。
ミカ六割。
レナ四割。
ユイ三割。
揃っていない。
CROWNEDは。
資源端末へ戻った。
Crownlessが捨てた八十二パーセント。
相手側はゼロから。
取得開始。
十。
二十。
ユイ。
今は取り返しません。
レナ。
回復優先。
ミカ。
はい。
三人は。
勝利条件から一度離れた。
CROWNEDが資源を進める。
三十。
四十。
Crownlessの体力が戻る。
ミカ八割。
レナ六割。
ユイ五割。
CROWNED取得。
五十。
六十。
会場がざわめく。
実況。
Crownless、八十二パーセントまで進めた資源を捨てました! CROWNEDが逆に取得を進めています!
解説。
しかしCrownlessは三人の体力を一人ずつ戻しました! 第一試合の全滅負けを避ける判断でしょう!
ユイ。
行きます。
レナ。
今?
ユイ。
はい。
体力が完全ではない。
だが。
三人が動ける。
CROWNEDは端末へ集中。
勝利条件を取るため。
今度は。
Crownlessが追う側。
ミカ。
射線で相手一を動かします。
ユイ。
私は相手二の支援を切ります。
レナ。
私は相手三を止める。
第一試合と同じ役割に見える。
だが。
相手はもう変わっている。
Crownlessも。
その場で見る。
ミカの射線。
相手一は端末から離れない。
以前なら避ける。
今は取得を優先。
ミカ。
相手一、残ります。
ユイ。
受け取りました。
相手二は。
自分への支援を置かず。
二人へ伸ばす形へ戻っている。
ユイ。
相手二、自分を捨てました。
レナ。
相手三、左肩。
修正したはずの癖が。
戻っている。
勝利条件へ集中し。
三人の昔の強みへ。
少しずつ戻る。
CROWNED取得。
七十。
七十五。
Crownlessが迫る。
ミカは相手一本人へ撃つ。
今度は避けないと見た。
一発。
命中。
相手一の体力が減る。
それでも端末に残る。
ユイは相手二へ支援。
自分の戻り場所がない。
一歩押される。
レナは相手三の左踏み込みを避ける。
一撃。
相手三へ命中。
三人とも。
CROWNEDを端末から動かす。
八十。
八十五。
まだ残る。
勝利条件へ執着している。
いや。
覚悟。
三人が落ちても。
資源を取るつもり。
第一試合とは逆。
今回は。
CROWNEDが。
取得のために残っている。
ユイ。
三人同時には狙いません。
ミカ。
誰を?
ユイ。
相手二です。
中心。
だが。
倒して崩すためではない。
ユイ。
相手二を先に戻します。
レナ。
撃破時間ずらす?
ユイ。
はい。
ミカが相手二へ射線。
レナが相手二の退路。
ユイが支援。
三人で。
一人。
相手二は。
自分の戻り場所を作っていない。
相手一と相手三が守ろうとする。
だが。
二人とも端末。
取得率。
九十。
相手二を守るか。
端末へ残るか。
相手一は。
端末へ残った。
相手三も。
相手二が。
一人で三人を受ける。
ユイ。
この方は、二人を残しました。
レナ。
置いていったんじゃない。
ミカ。
託した。
CROWNEDも。
同じ言葉を使っているのかもしれない。
聞こえない。
だが。
動きでわかる。
相手二は。
二人へ資源を託した。
自分はCrownless三人を引き受ける。
強い。
ユイ。
受け取ります。
ミカの一発。
レナの圧。
ユイの支援。
相手二。
DOWN。
CROWNED、残り二人。
復帰まで二十秒。
取得率。
九十二。
相手一と相手三。
端末へ残る。
Crownless三人。
止める。
ミカが相手一。
レナが相手三。
ユイが端末。
二対二。
ユイが取得範囲へ入る。
競合。
CROWNEDの取得が止まる。
九十二。
相手一がミカへ。
相手三がレナへ。
ユイは端末で一人。
誰にも狙われない。
相手一と相手三は。
ユイを止めるより。
自分たちの相手を見ている。
なぜ。
ミカが気づく。
二人は。
相手二の復帰時間を作っている。
端末を取ることより。
二十秒。
三人へ戻ることを選んだ。
ユイ。
資源を捨てました。
レナ。
相手も戻す気。
ミカ。
同じです。
CROWNEDは。
Crownlessと似ているから強いのではない。
同じように。
三人で戻ることを選べるチーム。
NoNameが選んだ。
三人の世界女王を上回る可能性を持つ相手。
表面的な強さだけではない。
Crownlessが覚えたものに。
別の道から辿り着いている。
相手一と相手三が下がる。
相手二の復帰地点へ。
ユイは端末へ触れる。
Crownless取得。
八十二から再開。
八十五。
九十。
相手一と相手三は戻ってこない。
相手二を待つ。
Crownlessに資源を渡してでも。
三人を揃える。
レナ。
取れる。
ミカ。
はい。
ユイ。
取得します。
九十五。
九十八。
百。
Crownless。
資源端末取得。
戦術ポイント、一。
会場が沸く。
だが。
CROWNEDも。
相手二が復帰。
三人が揃った。
全体チャット。
初めて。
CROWNEDから一文が来た。
CROWNED。
おかえり。
誰へ。
相手二へ。
三人だけの言葉。
Crownlessと同じ。
戻る場所。
ミカの胸が強く鳴る。
レナも黙る。
ユイが画面を見つめる。
CROWNEDは。
昔の三人ではない。
模倣者でもない。
Crownlessの偽物でもない。
自分たちの関係を持つ。
一つのチーム。
ユイ。
強いです。
レナ。
うん。
ミカ。
はい。
戦術ポイントはCrownlessが先行。
だが。
次の一回で決まるほどではない。
中央制圧率はCROWNEDが上。
撃破数は一対一。
第二試合。
まだ中盤。
CROWNEDが揃う。
Crownlessも揃っている。
三対三。
今度こそ。
過去も。
鏡も。
模倣もない。
二つのチーム。
ユイ。
次の勝利条件を確認します。
ミカ。
中央。
レナ。
取る?
ユイ。
取ります。
CROWNEDも中央へ。
三人。
正面。
ミカが撃つ。
相手一も。
ユイが支援。
相手二も。
レナが前へ。
相手三も。
同じ役割。
しかし。
もう誰も。
自分と似た相手だけを見ていない。
相手一がレナへ撃つ。
ミカが相手二へ。
相手二がレナを支援で止める。
ユイが相手一の退路を切る。
相手三がミカへ走る。
レナが相手二へ。
役割が交差する。
中央制圧。
両チーム。
一パーセント。
二。
三。
同時。
実況の声が響く。
両チーム、中央で完全な互角! 第一試合とは別のチーム同士のようです!
解説。
CrownlessはCROWNEDを過去の自分たちとして見るのをやめました! 一方のCROWNEDも、再現戦術から大きく変化しています!
相手一が撃つ。
ミカが避ける。
相手二が作る。
ユイが崩す。
相手三が入る。
レナが待つ。
そして。
次の瞬間。
すべてが逆になる。
ミカが撃つ。
相手一が動かす。
ユイが完成させる。
相手二が未完成を残す。
レナが前へ。
相手三が待つ。
互いに。
相手から学び。
一試合の中で変わっていく。
中央制圧率。
Crownless、十。
CROWNED、十。
ミカの体力、七割。
相手一、六割。
ユイ、八割。
相手二、八割。
レナ、六割。
相手三、六割。
揃っている。
危険。
また全滅条件。
だが。
今度は両チーム。
同じことを考えている。
誰か一人を戻す。
相手一が下がる。
ミカも。
相手二が支援。
ユイも。
相手三が前で時間を作る。
レナも。
鏡ではない。
それでも。
同じ必要から。
似た動きへ辿り着く。
ユイ。
相手一が戻ります。
ミカ。
私も戻ります。
レナ。
私と相手三が残る。
ユイ。
託します。
レナ。
受け取った。
相手三も。
一人で中央へ残る。
二人の復帰時間を作る。
レナと相手三。
一対一。
互いに。
味方を戻すため。
倒れない。
攻めすぎない。
だが下がらない。
相手三が踏み込む。
左肩は下がらない。
フェイントもない。
レナは。
今の一撃だけを見る。
攻撃。
避ける。
反撃。
相手も避ける。
レナ。
楽しい。
思わず出た。
相手三から返事はない。
全体チャットも。
表情も見えない。
それでも。
動きが少し変わった。
相手三が。
もう一歩前へ。
レナも。
中央の狭い範囲。
二人が。
味方の戻る時間を作りながら。
互いを倒そうとする。
ミカ。
戻りました。
ユイ。
おかえりなさい。
ミカ。
ただいま。
相手一も戻る。
相手二から。
全体チャット。
CROWNED。
おかえり。
次。
ユイ。
戻ります。
ミカ。
見ています。
レナ。
早く戻れ。
ユイが下がる。
相手二も。
両チームの中心役が。
それぞれ戻る。
ユイ。
戻りました。
ミカ。
おかえりなさい。
レナ。
おかえり。
CROWNED。
おかえり。
相手二も戻った。
最後。
レナと相手三。
互いに低体力。
二人とも。
戻るべき。
だが。
どちらが先に下がる。
先に背を向ければ。
相手へ攻撃機会。
レナ。
戻りたい。
ミカ。
保留。
ユイ。
相手三も戻りたいはずです。
レナ。
どうする。
ユイ。
先に道を渡します。
レナ。
相手に?
ユイ。
はい。
ユイが支援を置く。
レナの退路ではない。
相手三の退路。
攻撃しないと示す空間。
相手三が止まる。
罠か。
判断。
レナも攻撃しない。
相手三は。
一歩下がった。
ユイの支援が置かれた道へ。
その瞬間。
レナも反対へ下がる。
互いに。
戻る。
相手を倒せる場面を。
使わなかった。
レナ。
戻った。
ミカ。
おかえり。
ユイ。
おかえりなさい。
CROWNED。
おかえり。
相手三も。
三人へ戻った。
会場がざわめく。
実況も、少し言葉を失っている。
今、両チームが互いに退路を譲りました! 撃破の機会を使わず、全員が一度戻っています!
解説。
勝敗だけを考えれば異例です。しかし両チームとも、全滅条件を避けて三人を揃えることを優先しました!
中央制圧率。
Crownless十。
CROWNED十。
試合時間。
残り一分。
戦術ポイント。
Crownless、一。
CROWNED、ゼロ。
わずかにCrownless有利。
だが。
次の資源端末が有効になる。
最後の大きな勝利条件。
中央。
三十秒後。
両チーム。
動く。
ユイ。
最後の資源を取ります。
ミカ。
はい。
レナ。
取る。
CROWNEDも。
同じ資源へ。
六人。
中央端末。
今度は。
誰も過去を見ない。
誰も相手を偽物だと思わない。
二つのチームが。
正面から。
最後の勝利条件へ走る。
端末有効化。
ユイ。
次。
ミカ。
射線。
レナ。
圧。
ユイ。
取得。
CROWNED。
相手一、射線。
相手二、取得。
相手三、圧。
同じ。
だが。
次の一歩は違う。
ミカは相手一を撃たず。
相手三の進路。
相手一は。
ユイではなくレナの足元。
レナは相手三を殴らず。
相手二の退路。
相手三はレナを見せながら。
ミカへ。
ユイは端末へ入らず。
相手一へ支援。
相手二は端末へ触れながら。
相手三へ支援。
六人の判断が。
複雑に交差する。
誰が誰に似ているか。
もう、わからない。
それでいい。
ミカの一発。
相手三を動かす。
相手一の一発。
レナを止める。
ユイの支援。
相手一が下がる。
相手二の取得。
十パーセント。
レナが相手二へ圧。
取得停止。
相手三がミカへ。
ミカ被弾。
ユイが相手三を止める。
レナが端末へ。
Crownless取得。
十。
二十。
相手一がレナへ。
レナが離れる。
相手二が端末へ。
競合。
停止。
残り時間。
四十秒。
両チーム。
取得率は低い。
中央制圧も十対十。
撃破一対一。
タイムアップなら。
戦術ポイント一を持つCrownlessが勝つ。
CROWNEDは。
何かを取らなければならない。
相手二が判断した。
端末を捨てる。
三人が。
ミカへ。
世界女王。
最も体力が少ない。
撃破を取れば。
戦術ポイントが並ぶ。
その後。
残りの判定条件。
CROWNEDが中央制圧で上回れば勝てる。
ミカ。
三人来ます。
ユイ。
戻ってください。
ミカ。
はい。
ミカが下がる。
相手一の射線。
相手三の前進。
相手二の支援。
三つ。
逃げ道を潰す。
ユイとレナが。
ミカの戻る場所を作る。
だが。
第一試合で。
CROWNEDは、その戻り場所まで読んだ。
今回は。
固定しない。
ユイ。
ミカさん、場所を決めません。
ミカ。
では。
レナ。
私たち見て走れ。
ミカは。
ユイとレナを見る。
二人が。
別方向へ。
ユイは左。
レナは右。
戻る場所が二つ。
どちらへ。
ミカ自身が選ぶ。
CROWNEDも見る。
ミカが左へ。
相手一と相手二が左。
レナの右が空く。
ミカは。
左へ行くふりをしない。
本当に一歩左。
その後。
右へ。
レナの方へ。
CROWNEDが動き直す。
相手三が先に右。
ミカの前。
レナが相手三を止める。
ユイが左から。
相手一と相手二の進路へ支援。
ミカが右の空間へ入る。
戻り場所。
ミカ。
戻りました。
レナ。
おかえり。
ユイ。
おかえりなさい。
CROWNEDの三人が追う。
残り二十秒。
ミカを落とせない。
なら。
中央。
相手二が戻る。
相手一も。
相手三が二人の道を作る。
CROWNED中央制圧。
十一。
十二。
十三。
Crownlessは。
追う。
だが。
正面三対三では間に合わない。
ユイ。
中央は任せます。
レナ。
誰に?
ユイ。
相手二へ。
中央を取らせる。
残り十五秒。
CROWNED制圧。
十五。
二十。
Crownlessは。
端末へ。
三人。
資源取得率。
Crownless二十から再開。
二十五。
三十。
CROWNEDは中央三人。
Crownlessは端末三人。
速度勝負。
中央制圧。
CROWNED二十五。
三十。
Crownless資源。
四十。
五十。
残り十秒。
ユイ。
足りません。
レナ。
相手止める?
ミカ。
中央を撃ちます。
ミカが端末から離れる。
中央へ射線。
相手一が撃ち返す。
ユイとレナが端末。
取得速度は落ちる。
六十。
CROWNED中央、四十。
四十五。
残り六秒。
ミカの一発。
相手二の足元。
相手二が制圧範囲外へ。
速度低下。
CROWNED、四十八。
レナが端末。
ユイも。
Crownless、七十。
七十五。
残り四秒。
相手一がミカへ。
ミカは撃つ。
相手一ではない。
中央床の遮蔽物。
破壊。
相手三が範囲外へ押される。
CROWNED中央停止。
四十八。
Crownless資源。
八十。
八十五。
残り二秒。
相手一が中央へ残る。
一人で制圧。
四十九。
五十。
Crownless資源。
九十。
九十五。
残り一秒。
ユイ。
間に合わない。
資源は百に届かない。
中央制圧は。
CROWNEDが五十。
Crownless十。
戦術ポイント。
Crownless一。
CROWNEDゼロ。
タイムアップ判定。
複数条件。
最優先は戦術ポイント。
Crownlessが上。
だが。
CROWNEDが中央制圧で大きく上回る。
大会規定。
戦術ポイント一は。
中央差四十を超えた場合、逆転される。
今。
差は四十。
ちょうど。
同値。
次の判定。
撃破数。
一対一。
完全同点。
画面に警告。
OVERTIME
延長戦。
会場が爆発した。
実況。
全条件で同点! 戦術ポイント、中央制圧差、撃破数の判定が並び、延長戦へ突入します!
延長ルール。
復帰なし。
中央に出現する一つの端末。
先に触れて五秒維持するか。
相手を全滅させれば勝利。
六人の体力は。
そのまま。
ミカ六割。
ユイ七割。
レナ五割。
相手一六割。
相手二七割。
相手三五割。
ほぼ同じ。
配置も。
左右対称に近い。
中央端末が出現する。
残り。
いや。
時間制限なし。
一度の決着。
Crownlessと。
CROWNED。
どちらかが勝つまで終わらない。
ユイ。
最後です。
ミカ。
はい。
レナ。
勝つ。
CROWNEDも。
三人が並ぶ。
相手一。
相手二。
相手三。
過去の自分たちではない。
名前のない模倣者でもない。
Crownlessと同じ場所まで。
別の道から辿り着いた三人。
ミカは照準を上げた。
ユイは盤面を見る。
レナは一歩前へ。
端末起動。
五秒。
四。
三。
二。
一。
両チームが。
同時に中央へ踏み込んだ。
NoNameの表示は。
何も言わない。
だが。
見ている。
師匠が選んだ三人と。
師匠の知っている場所より先へ進もうとする三人。
準決勝第二試合は。
まだ終わっていなかった。
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