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運命の日

「タケルさんいますの!!??」


ドンドンとドアをたたく音が部屋に響く。

リリーが訪ねてきた。


「た、タケルさん。開けてください。」


天野の声もする。



「タケルさん、開けるでござる!!」


なぜかケイもいる。

レンもいるのだろう。


うちの学校の人ではないのになぜ一緒にいるのだろうか。


いや、そんなことはどうでもいい。



「タケルさん、先生です。開けてください。話をきかせて。」


その声を聴くのはつらかった。

だって、首を刎ねられたあの先生とまったく同じ顔・同じ声なのだ。


今だに覚えている。

首を刎ねられる瞬間の先生の笑顔。


俺は誰とも関わらないのが一番迷惑をかけない方法なのだ。

いや、俺が感情移入する必要がないから結果、俺が傷つかない方法なのだ。


相変わらず反応せずに、うずくまっていると鍵が開けられた。


「は・・・?」


誰かに合鍵を渡しただろうか。

部屋にあがりこんでくる。


「なんで・・・俺の部屋の鍵を・・・・」


「私は先生ですよ。タケルさん。」


「先生だからって・・・・」


「授業をさぼる人は裏切者になっちゃうんですよ。タケルさん。」


「は・・・?」


先生の口から出た言葉に体が固まる。



あの眼帯の美少女を思い出した。

「裏切者はやっちゃうよ?」



「え・・・・それはどういうこと・・・?」


「そのまんまです。」


「知らないのですわね・・・タケルさん。」


「授業をさぼると・・・淘汰されちゃうんですよ。私たち。」


「淘汰・・・・・。」


どういうことだろうか。


「でも・・・だとしたら天野は・・・・」


「私は・・・・そのガラクタですから。」


また聞きたくない言葉だった。

ガラクタですから。

もう聞きたくなかった。


「そう、天野さんはガラクタなのだから、授業に出る方がアウトなの。」


先生が意気揚々とそう話す。



「先生。その発言はあまりにもひどいんじゃないか??」


俺は歯をきりきり噛む。

感情なんて捨てたかったのに。

今更救うことのできなかった命をかばおうなんておこがましいのに。



「あー・・・タケルさんはいろいろと知らないでござるね。ねえ、姉さん。」


「そうね。こいつは何も学んでないということだね。」


「は・・・?」


レンとケイはやれやれといった感じでこちらを見てくる。



先生が咳払いをする。


「だからね。タケルさん。裏切者はやられてしまうから・・・・逃げよう。」


「え・・・・・???」


「逃げるの。どうやったってもう、淘汰されるこの世界から逃げるしかないの。」


わけがわからない。

ただ・・・5人の荷物を見ると、

リュックサックに頭にはライトをつけている。


マジで、逃げるのか?

「さあ!!行きますわよ!!タケルさん!!」



「逃げるって・・・どこに逃げるんだ・・・・」



「ついてきてくださいね!!」


「は・・・??」


天野にも手を引かれる。



「さあ!!何もしないより!!どうあがいても救われない世界にいるより!!自分の生きる世界は自分で選ぶんだ!!」


先生はそう宣言し、俺の背中を押した。




外に出る。

世界はすでに淘汰の日を迎えつつあった。

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