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再会

とりあえず、教室に戻ることにした。

誰もいないが、少し疲れてしまったのだ。


飲食街に行ってもよかったが、レンもケイもクラスメイトではないのだから

この捜査において尋ねても意味がない。



「はあ・・・・。」


俺は教室に向かう階段の一段一段を踏みしめる。


「何のために。。。」


何もしないと決めたのではなかったのか。

なのに俺は苗村先生の為にタイムリープを再度起こそうとしている。


苗村先生が死んだだけだ。

これまで不幸にしてしまった女の子たちは生きているではないか。



何度自分に言い聞かせただろうか。

淘汰の日が来ないはじめての周回なのだ。

このまま苗村先生がいない世界で楽しく生きてもそれはそれでいいじゃないか。





それができないのは・・・・


苗村先生と最後に目があったあの死刑執行の日。



俺が名乗り出ようとしたところを苗村先生は唇で伝えた。


「よかった。あなただけでも生きて。」


確かに、苗村先生は俺にそう伝えたのだ。


生きなくてはいけない。

ここで名乗り出たら俺も殺されるのだろう。


直感的にそう思ってしまった。

だから俺は口をつぐんだ。


彼女の言う通り、このまま生きていけばいいのだろう。

だけど・・・・・



「忘れられないんだよ・・・・!!!」


首が跳ねる瞬間。

こちらを見て満面の笑みで涙を流しながら・・・

次の瞬間には痛みが生じたのだろう。


ぽーんと空を飛ぶ、苗村先生の表情は絶望の色に染まっていたのだ。


本当は生きたかったんじゃないか。

なんで俺を告発すれば生きることはできたじゃないか。

なんであなたがそこまで自己犠牲を払う必要があったんだ。



俺はずっとそのことが頭を逡巡していたのだ。

そのことを振り払うためにもこの世界を巻き戻したかった。




・・・・・・。

結局、それは俺のエゴじゃないか。

自分に軽く絶望した。

結局俺は、自分の為に生き、自分の為に誰かを幸せにしようとして、

悲劇のヒーローに成り下がっていただけじゃないか。


「疲れたな・・・・。」


俺は教室の扉を引く。

自分の机で突っ伏したかった。


そうそんな疲れも吹っ飛ぶ光景が目の前に現れた。




「タケルさん!!元気だったか!?」



ピンク髪にぴょこんと結い上げた髪は何かのアンテナのようだ。

いつものようにYシャツにカーディガンを着て、こちらを微笑む。

教壇から足を踏み外しそうになる。



「ぷぎゃあああああ!!!!!!」


俺は抱きかかえる。

俺の頭は混乱していた。


だって、死んだはずの、苗村先生がそこに

確かに生きて俺の腕の中にいるのだから。

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