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何もしないと決めたから

ローブに身をまとった人物のあとを俺らのクラスはついていった。


「なあ・・・・リリー。。俺らの学校で処刑台なんてあったのか??」


リリーは口を閉ざしている。

他のクラスメイトも口を閉ざしながらただ校内に響くのは

靴の音だけ。


まるで軍隊の行軍のようにざっざっという音しか聞こえない。

廊下を通り抜けて、昇降口で外履きに履き替えて校庭に出る。


「な・・・・・。」



校庭の真ん中にあるのは、かつて映画で見たことのあるような木製の断頭台。


周りはすでに他のクラスの学生たちが断頭台を囲むように立ち尽くしている。

「いったい・・・・誰が処刑されるというのだ・・・・。」


「タケルさん・・・静かにしてくださいまし。厳粛な・・・・場・・・・ですわよ・・」


リリーに諫められる。

いや、リリーは涙ぐんでいる。


「リリー・・・・どうして・・・・泣いているんだ??」


リリーは声を殺すようにすすり泣きをしながらそれ以上、何も答えない。


俺は冷や汗がつたうようなくらいの緊張が自分の体を硬直させているのを感じている。

そんななか、ローブに身をまとった人物が数人。

さらに黒い袋をかぶせられて、両腕を後ろに、縛られた人物が歩いている。


黒い袋には覆いきれないほどの髪の長さがある人物。

その髪色を俺はみたことがある。

背も少し小さい。


その小さささも見たことがある。


その人は確かに言っていた。


「タケルさん、、私を助けて・・・・。」


「あなただけでも逃げて。」



確かに嘘をつくことができない人だった。

そう嘘をつくことができない人だと知っていた。



「もうそろそろ殺されてしまうわ。」


そうあの人が語っていたことはすべて真実であった。


その言葉を信じていればよかったのに。


断頭台に袋をかぶせられてた人があがる。


ローブの人物が高らかに宣言する。



「ここにいる者は、国家の転覆をはかった逆賊者である!!!よってこれより処刑を行う!!」


袋が乱暴に取られる。



「ここにいる、苗村教員は!!!この国の敵と戦う兵士を養成する機関の教員でありながら

国家転覆を目論んだ!!よってここに死罪とする!!最後に!お前には執行減免の機会を

与える!!お前の企みを共有した学生がいるはずだ!!そのものの名前さえ言えば

終身刑に変更される!!!どうだ!!?」



俺は悪寒に襲われた。

たぶん、企みとは・・・・


「このクラスにスパイがいます。」


「タケルさん、、私を助けて・・・・。」


「あなただけでも逃げて。」



これだとしたら、俺はどうなる?

先生と一緒に仲良く終身刑か?

それは・・・・俺の望むことか?



やめてくれ。

何も話すな。

俺はただ、先生との会話を。

楽しんでいただけじゃないか。


俺は聴衆を押しのけて一番前の列に出る。


すると苗村先生と目があった。


苗村先生は困ったようにだけど・・・・満面の笑みを浮かべた。

目からは大粒の涙をこぼした。



「私は・・・・誰にも話しをしていませんよ。」


ローブの人物をしっかり見てそう宣言した。



「よかろう。死に急ぐ、愚か者め!!」



ローブの人物に脇をかかえられた。


先生は抵抗することなく、断頭台に首をかけられた。


「せんせい・・・いやだ・・・やめてくれ・・・・せんせい・・・・・」


俺が今、名乗れば先生は死なずに済むのだろうか。

でも・・・・俺は決めた。

何もしない。

誰かを不幸にしてしまう。


だけど、今、動かなければその誰かを不幸、いや、死に追いやってしまう。

俺は口を開こうとした。


先生は最後に俺に目線を送った。


唇が動いているのを見た。

俺は口を閉じてしまった。



その瞬間、断頭台のてっぺんから刃が落ちた。

きれいな弧を描いて先生は空中に飛んでいった。

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