スパイ容疑2
次の日。
天野とリリー、俺は屋上で飯を食っていた。
「タケルさん・・・はい、あーん。」
「あーん。」
天野が作ってきた弁当を俺とリリーでいつも食べている。
「天野さんは本当に料理が上手ですのね。」
「そんな・・・・リリーさんみたいにお掃除や洗濯はできないので。。せめて食事だけでもと思って。。」
俺は天野とリリーを横目に見ながら天野にあーんされた唐揚げを食べている。
天野とリリーが一斉にこちらを見る。
惚けたような瞳で二人とも顔を赤らめながら、ちらちらとこちらを見る。
こんなラブコメワールドで俺はよかったと思っている。
いつも3人は一緒だ。
次の日。
俺はガラクタが積まれた視聴覚室にいた。
ガラクタは以前に比べると増えたような気がする。
「なんだこれ・・・?」
タンクトップが2枚。
こんなものまで捨ててある。
「ごみ置き場じゃねえんだからよ・・・・。」
前から不思議に思っていた。
視聴覚室というわりにはやたら広い作りである。
ぶっちゃけ体育館ほどの大きさがある。
その奥に視聴覚準備室があるのだ。
そこに天野はいる。
「天野ーーー。」
「はい。天野です。あなたのお名前は??」
あなたのお名前はか。
この時から天野の目の不調は始まっていたというのか。
俺はそんなことにも気づくことなく、天野を絵画展に誘ったというのか。
天野にずいぶん気を使わせてしまった。
「ああ・・・・タケルだよ。」
「ああ・・・タケルさん。こんにちは。」
まるで何回もあったかのように、警戒を解いたような声色で天野は挨拶をしてくれた。
何も罪悪感に陥ることはない。
俺は48回目のタイムリープ。
天野は死んでなんかいない。
時間を巻き戻してやり直しをしているだけなのだ。
何も問題ない。
「タケルさん・・・・授業は出ないとまずいですよ。」
「天野まで・・・そんなこと言うか。そうしたらお前はどうなるんだ?」
俺はうんざりした表情だったのだろう。
天野は少し俺をキッとにらむような瞳をしていた。
「だめなんです・・・・ちゃんと授業に出ないと・・・・」
「どうなるんだ??」
「いえ・・・・そんなことは私の口からは・・・・・でも。」
「でも?」
「裏切りものは・・・・・です。」
天野は口ごもった。
想像はできた。
天野からもそのような言葉が出てきた。
天野が知っているはずもないのに。
「ああ・・・・・チャイムなる前に戻るよ。ご忠告ありがとう。」
俺は踵を返し、教室に戻っていた。




