無力
淘汰の日を迎えた。
何日目か数えたことはない。
ただその日を迎えると俺らがいる世界ではこうやって敵が現れて、
体力虐殺を受け入れて世界は終わる。
もちろん逃げ惑う。
俺らは戦うこともできる。
だって総合演習で銃の扱いも教わるし、そもそも敵と戦うために第50高校に入学し、
戦い方を教わるのだ。
敵との来るべき戦いの日に備えてだ。
だけど、戦っている学生を見たことがない。
ただただ逃げまどい、死を受け入れる。
戦えるはずなのに。
淘汰の日というのは俺が名付けただけだ。
47回この日を迎えた。
どこにいてもだ。
今回もそう。
そこにはケイがいて、俺は光る眼に包まれて47回目の周回を終えるのだ。
「なあ・・・・お前はなんでいつもこの日に現れて俺をループさせるんだ???」
「裏切りものだから。」
「じゃあ殺せばいいんじゃないか。面倒じゃないか?記憶があるのは俺だけだぞ?お前のことをよく知っているし
俺はお前のことを一番警戒するんだ。」
「それは・・・・・」
そいつは顔を伏せる。
なぜかすこし恥じらうような表情を見せながら、こちらをちらちらと見てくる。
「48回目か・・・・」
「もうあきらめてさ・・・・」
「あきらめる?何を?」
そいつは閉口する。
「俺はもうあきらめているんだ。だから幸せに暮らしたいだけなのに・・・・なぜいつも」
「幸せに生きるね。お前の幸せはいったいなんなんだ??」
俺は少し顎に手を当てて考える。
今までのことを振り返っても幸せは一度も訪れなかった。
「もう・・・・何もするな。ただただ毎日を平凡に過ごせよ。」
そいつは俺に助言してくる。
「ああ・・・・もうそのつもりなんだ。」
だって。
47回繰り返して。
誰かを救おうとした俺は、
結局誰も救うことができなくなり不幸へといざなう。
だとしたら、何もしない方がいいのだ。
何もせずただ時が訪れることを、48回目とすることにした。
もう何もしたくない。
俺は無力だから。




