亀裂
俺はカレー屋に戻ってきた。
ケイを買い取って。
レンはすでにケイを買い取るための金を仕入れの主にすでに支払いを済ませておいたらしく、
身元引受人は俺になっていた。
「なんでだよ・・・・」
レンは自分の身受けをできたはずだ。
妹のケイの身を案じて私財をなげうったのだ。
「ケイ・・・レンはこれからどうなるんだ??」
「うーん、どうだろう・・・仕入れ場にお金を払えなくなるから・・・・」
そう。
ケイとレンは母国から出稼ぎするために仕入れ場を通じてカレー屋で仕事をしていた。
ケイはそこから俺が買い取ったことになるので、すでに自由の身だ。
「金を払えなくなるとどうなるんだ??」
「うーん、レンちゃんの場合は体液交換や吸引もすでに限界だから・・・・」
体液の供給者としての機能もすでにない。
しかしながら、年貢は納めないといけない。
そういう契約なのだ。
「母国に戻されるのかなあ・・・・でも借金も返すことができていないし。母国じゃあ、私たちがで稼ぎのために支払ったお金を稼ぐなんて土台無理でござるから・・・・」
俺はつばを飲み込んだ。
いつもと違い、泥を飲み込むような気分だ。
「レンちゃんの臓器売買が相場かなあ・・・・」
「臓器売買・・・・」
支払いができないのであれば、1つずつ臓器が売り買いされる。
「でも1つしかない臓器だって・・・・」
「最後は行方不明。相場はそんな感じでござるね。」
ケイはサファイアの瞳をまっすぐ見据えながら、その光を俺に突き刺す。
「ケイ・・・姉貴が死ぬんだぞ??なんで・・・・そんなになんで冷静にいられるんだ・・・」
俺はすでに頭が沸騰しそうだった。
だってケイはこの瞬間にも蒼い瞳をきらめかせながら、胸元を見せるような姿勢なのだ。
こいつはただの体液中毒だ。
「・・・・だって。」
ケイは尻をもふりはじめた。
俺はもう我慢の限界だった。
こんな言葉を吐き捨てたくはなかったのに。
喉のつっかえをなくすかのようにすべてを吐き出してしまった。
「この体液中毒が!!!!姉貴の命を差し出してもまだ体液を欲しがるのか!!お前なんて・・・お前なんて・・・・・」
ケイは動きを止める。
「お前なんて・・・助からないでそのまま行方不明になってしまえばよかったんだ!!!!!!!!」
こんなことを言いたかったのだろうか。
ケイの表情を見た。
俺はさっと体温が下がっていくのがわかった。
ケイは泣いていた。
「へ、、、、へへ、、、、ははは。。。。私だけ。。。。。へへへ。。。。。」
泣くのごまかすかのように笑っていた。
俺は歯をかみしめながら、店を出ていった。




