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提案と告白と

夜。


飲食店街は夜通しにぎわっていて肉や魚や麺をゆでるなどのにおいが立ち込めている。


地下街での運営なので換気状態がよくないのか、いろんなにおいが混じっている。

その中に、カレー屋姉妹のカレーのにおいが混じっている。


厨房では絶え間なく、カレーをコトコト煮ているのはスラっとした褐色の美少女である、レンだ。


サファイアの褐色の美少女であるケイは、体をもじもじとくねらせながらレンや俺を見ている。



体液中毒。

体液を抜かれて、摂取してを繰り返していると依存症状が現れる。

これを治すには、今の環境から抜け出すことが最低条件である。

またこの状態が続けばレンの体液が枯れて、レンも死に絶える。


「なあ、2人とも話があるんだけど、いいかな??」


「なんでござるかタケルさん、、」


ケイは腰をフリフリさせながら座る。


「ちょっと待って。うんいいよ。」


レンは誰も食べてくれないであろうカレーを作っている。

インド式のカレーでなく、煮込むタイプのカレーも新メニューとして出すのだろうか。



二人と対面する。


ただでさえつらい境遇から来た、二人なのにまた環境を変えることにためらいはあるに違いない。


「なあ、、、二人ともさ、、一緒に逃げないか??」


「タケルさん、逃げるってどこに逃げるのですか?」


ケイは胸元を見せつけながら俺の顔を覗き込む。



普段ならこんな感じなると、プロレス技をかけてくるレンは顔を伏せたままである。



「どこにって・・・・ここじゃないところ。レンとケイが体液を売ることなく暮らしていける世界。」


「そうなんだ、、、タケルさん、、それはどうして??」


「どうしてって、、、、、レンはケイに吸われて体がやせ細ってきているし、ケイも中毒症状になっているじゃないか。」


「中毒症状でござるか・・・うーーん、どうかな?レンちゃん。」


「さあ、、、でもお互いに今の生活に何の不満もないんだけども。。。タケルは何か不満があるの?」



不満がないだと・・・・


どうしてだろうか。

お金はない。

ないから体液を売るしかない。

体液を売ることで、やせ細っていく。

いずれ死に絶える運命。


何の不満もないとは・・・どういうことだろうか。


「ケイちゃん、、仕入れいってきてもらえる??」


「はあい、今日は早く帰れるかなあ・・・・」


二人は立ち上がる。



「おい!二人とも!俺の話を聞いていたのかっ!このままだと共倒れだぞ・・・・・」



ケイはさっさとお店を出て行ってしまった。


レンはため息をつく。



「タケルはさ・・・・一応学生だからいろいろこの世界で優遇されているじゃない。私らとは違ってね。私たちを同情か何かで

助けようとしているならさ、、ちょっとそれは悲しいかな。だってそれじゃ、私たちが今不幸で、可哀そうな人たちってことになるじゃない。」


レンは視線を落とす。


俺は思わず拳を握りしめていた。


「同情なんかじゃない!!」


「じゃあ、いったい何のために!!何のために私たちを今の環境から連れ出そうとするのよ!!!」


レンは声を張り上げる、

そうだ。


俺はいったい何のために。

このカレー屋姉妹を助けようとしているのだろうか。

レンが涙ぐんでいる。


「レン、いったい・・・どうしたっていうんだ・・・?」


レンは顔を真っ赤にしながらえづくように泣く。


俺はレンの肩を支えようと両手を伸ばす。




「やめてよ!!私を・・・私だけを見てくれるわけでないくせに・・・・・」


「どういう・・・・・。」



「私がどういう気持ちで、ケイちゃんに近づかれるタケルにプロレス技をかけていたと思ってんのよ!!って聞いているの!!!」



さあっと場が冷えたのを感じた。


熱と熱がぶつかりあっていたのが唐突に冷めていく。


「それは・・・いった・・・」



俺の体液を吸おうと尻フリフリさせて胸元を見せてくるケイ。

その瞬間があれば必ずプロレス技をかけて俺とケイの距離を取らせたレン。

その意図は・・・・・・。






「あんたが・・・・・あんたのことが・・・・大切だからなの!!!私はあんたに惚れているの!!

そんなこともわからないの!!?私だけを・・・・・私だけを連れ去ってよ!!!!」


レンはそう吐き捨てると店を逃げるように出て行ってしまった。





取り残されたのは、俺とコトコトと煮えるカレーの香りだけだった。



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