彼女らの真実
「レン、ケイどうして・・・どうして教えてくれなかったんだ。」
「・・・・・・・・・・・。」
二人は目を伏せて黙っている。
「話をしてくれよ。俺は二人に幸せになってほしいと思っているんだ。そのためなら手伝いたい。」
「タケルさんさ・・・無理なんでござるわ。私らが幸せになるなんてさ。」
ケイは顔を近づけて、両腕を後ろの腰あたりで組み、困ったように笑う。
笑えないのだ。
「なんで・・・・・んで笑うことができるんだよ。」
俺は拳を固く握りしめて歯をかむ。
「タケルさ・・・・」
レンが一歩俺に歩み寄る。
「私らはさ、その外から出稼ぎできているわけでさ・・・・その出稼ぎも簡単に実現したわけではないんだよ。」
前髪でこよりを作るようにつまむ。
「それでもさ、移住前に比べたらさだいぶ生活は楽になったし、ほらこうやって賄いのカレーはほぼタダで食べれるし。」
「タダじゃないだろ!!!」
俺は思わず声を張り上げる。
「タケルさん・・・・怒鳴るのはやめてよ・・・・・」
ケイは涙目だ。
「ごめん。。でもさ。。」
二人のは息が上がっていた。
アレの最中だった。
「ケイの仕入れ・・・・仕入れはどうやっているんだよ。」
ケイは目を伏せる。
首筋をさする。
「わかってることを聞かないでほしいなあ・・・・」
首筋には赤い斑点のような傷が二つ。
「足りない分を姉妹で補いあうなんてさ・・・笑えるよね。」
レンが嘲笑するように言葉を吐き捨てる。
「でもこうでもしないと、仕入れはできない。」
「仕入れじゃねえだろ・・・・」
仕入れではない。
このご時世、体液はよく売れる。
戦時中だからだ。
金のないものは、体液を売る。
体液は戦時中だと品薄になるのだ。
国の人だけだと足りない分を国外から輸入する。
彼らは決まって飲食店に配置され、飲食店で一旗あげる夢を見させられながら、
元締めに年貢を納める。
納めるものが稼げることができないならば、自らの体液を売る。
「私らの運命はさ、この国に来た時からきまっていたのかもなあ。。。。」
「でもよ!それだとお前らは・・・・・」
それより先の言葉をひねりだすことはできなかった。
だって。
それを見てしまったから。
ケイが尻を振ってきたのも
胸元をちらつかせてきたのも。
おそらくは。
レンの細い体を見る。
レンの体にはもうほとんど残っていないから。
俺の体液にすがろうとしてきたのだと・・・・。
そう感じざるを得なかった。




