無念
俺が営業活動を行なって数日。
客足は一向に増えなかった。
『お客さん来ないな。』
『・・・・うん。』
ケイは今日も仕入れだ。
ここのところ、1週間に1度だったものが3日に1回の仕入れに頻度が増えている。
『俺、もう一回営業回り行ってくるよ。』
『うん。』
レンは日に日に元気がなくなっているのがわかる。
不思議なことに、資金がつきて店を畳まなくてはならないということにはならない。
『こんにちはー、隣のカレー屋ですが!』
『あーはいはい。』
隣のお店の人が出てきた。
『あの、ランチやディナーにうちのカレーはいかがかなと思いまして、どうでしょうか??』
店主は軽くため息をつく。
『にいちゃんさ、あのカレー屋とどんな関係か知らないけどね、俺らはもうあのカレー屋は食べないってことで決めたんだ。』
『で、でも麻薬の件は、店長も変わりましたし!味も変えて、、、』
『あーいや、そうじゃないんだわ。』
店主はさらにため息をつく。
『とにかく帰りな。商売の邪魔だよ。』
店から追い出されてしまった。
次の店も。
その次も。
全て同じように断られた。
『な、、んでだよ。』
拳を固く握りしめて帰路についた。
店先にたつ。
中から何やら女の声がする。
しかも、聞きなれない嬌声だ。
『だ、、、め!』
『レン?』
引き戸をそろそろと開ける。
テーブル越しに褐色肌の女2人が重なりあっているのがわかる。
上にはショートヘアの女が、何やら銀髪ロングの女の肩に噛み付くように歯を立てている。
『はあ!美味しい!美味しいよ、レンちゃん!』
俺は全身に電撃が走ったように固まってしまった。
いったい、何が、、?
起きた?
え?
レンとケイはそういう関係なのか、、、?
ルビーの瞳がこちらを一瞥した。
虚ろな瞳で。
悲しそうにこちらを見る。
俺はたまらず走り出していた。
何が起きたのか。
俺が営業している間にお楽しみかよ!!
あてもなく走り続けた頃、レンとケイの店とは
別のカレー屋の前にたどり着いた。




