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カレー屋再建物語

本来賑わうはずのディナータイム。

2人力合わせて、お店を建て直そうと思い

店構えや味を変えた。


がらんとした店内。


お客さんはいない。



店の趣味が悪いのだろうか。

タケルの食べる表情を見ても味が落ちたというのは火を見るより明らかであった。



店を守らないと。

そうでないと私らはーーーー




『いらっしゃいませ。』


『あー、うん。いらっしゃいました。』


凍りつく。

タケルがそこに立っていたからだ。

タケルにはなんとなくこの店の窮状を知られたくなかった。


タケルはこの絶望的な世界でたった1人、

何も知らない平和の象徴。


私はそう思っていたから。

私らが置かれてる窮地に彼をひきずりだしたくなかった。



『話聞かせてくれよ。』


あの無垢な笑顔で

そんな優しい顔で

そんな風に言われたら。

頼りたくなるじゃないか。











『で、何があったんだ?前の店主もいないしよ。』


『あー、タケルさんは私らのことを知ってるでごさりますか?』


『お前はケイでそっちはレンだろ?』


ケイが尻をふりふりしながら、屈むように見てくる。


む、胸がっ!





当時に怒気が流れこんでくる。


レンがなんでか知らないが包丁を研ぎ始めた。




『いやあ、そういう事でなくてですね。私らがなぜここにいるかですよ。』


『なんでって、、、』


改めてケイやレンを見る。

ケイもレンも褐色肌。

ケイはサファイアの瞳。

レンはルビーのような赤い瞳。



名前こそ日本人だが。




『お前ら、外からの出稼ぎか??』


『まあそんな感じでごさりますよ。』


『大変なんだな。』


外の世界からわざわざここまで来るというのは

外の世界がいかに貧しいか。



そのことを物語っている。



『で、店主は??』


『店主も出稼ぎの人でしたよ。でも。彼はガラクタにされてしまいましたよ。』


一瞬目を伏せたかと思うとサファイアの瞳を力強く、射抜くようにしてこちらを見る。



『ガラクタか、、、』


またガラクタか。


『その、、カレーに混ぜてたんだよ。薬物をさ、、』


レンが口を挟む。



『マジかよ。俺普通に食べてたんだけど、、、』



『そうなんだ。いつ食べに来たの?』


ケイがまた尻をふりふりさせる。

サファイアの瞳に、輝きはない。



『あー、いや、そんな気がしたんだけど、そんなわけねえか。』


この世界が47回目なのは俺しか知らないからな。

いや、厳密に言うと違うか。



『でーーー、そんな薬物混ぜてたカレー屋の評判は地に落ちたというわけか。』


『タケルさん、グサリますよ。』


ケイがサファイアの瞳をうるうるさせている。


『ああごめん。ストレートすぎたな。』


『私らはさ、ここに借金してんだわ。』


『は?』


『出稼ぎにもいろいろしがらみがあってさ。カレー屋で利益出せなきゃ、もっと稼ぎのいい肉体を使った労働に借り出せれてしまうんだ。』



レンは左肘を掴みながら、少し顔を赤くしている。俯きがちだ。



『それってつまりーーーー』


レンとケイを見る。

こいつらは顔は整っている。

ケイはボンキュッボンだ。

レンはすらっとしているが、これを好む男も多い。


つまりは。



『ど、ど、ど、どうすれば、それを回避できるっ!?』


ダンとテーブルを叩く。


ケイとレンは顔を見合わせる。



『ああ、まあ、カレー屋で利益を出せれば問題ない。』


『来月までに黒字にできれば問題ないでごさるよ。』



『わかった。』


俺は腹を括った。



『俺がプロデュースしてやる!必ず!カレー屋姉妹の貞操は俺が守る!』


カレー屋再建。

一筋縄ではいかない。

また、俺はこうやって何かに抗うことにしたのだ。


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