好き。
人は本当に嬉しいとスキップをしてしまうようだった。
『た、タケル、大丈夫か?』
『あ、加藤!おはよう!今日も制服、似合ってるよ♪』
『そ、そうか?き、今日はちょっとその、スカートの丈を短くしたんだ。少しくらいなら、見ても、、』
『あー、大丈夫大丈夫。るんるんるー。』
頬に両手を当てて顔を紅潮している、加藤を横目に俺はスキップしながら登校する。
『おはよー!皆の衆!』
元気よく教室に入る。
『あら、タケルさん。おはようございますですわ。』
リリーの胸が顔にあたる。
『ああ、リリー。ごめんよ。』
『ええ大丈夫ですわ。』
不可抗力だ。
さっさと胸から顔を話し、謝る。
俺は構わずスキップしながら席に座る。
リリーがじっとこちらを見てくる。
『なんだい?リリー。どうしたんだい?』
『いえずいぶんと陽気なタケルさんを見たのは、なんだか懐かしいような気がしましたの。まあ、でも私ら第50高校に入って、はじめて知り合ったばかりですものね。失礼しましたわ。』
『そうかい。ノープロブレム。』
リリーは自分の席に戻っていった。
俺はリリーの発言は特に気にかけることなく、ルンルンで授業をこなしていった。
その日は総合演習で、加藤が例の花畑を跳躍で飛び越えてクラスを湧かせた。
俺はそんなことが起きているのは横目にスキップしながら、演習をこなしていた。
苗村先生が担架で運ばれるのもお約束であった。
そして昼休みは天野と過ごした。
『天野、絵画展いつ行こうか?』
絵を描いている天野を見ながら、俺は質問する。
『そうですね。。私らに時間があるのは土日くらいですから、、次の土曜日はいかがですか?』
『そうだな。待ち合わせはどうしようか?天野の寮に迎えに行くか?』
『はあ、、、』
天野は筆を一瞬止めた。
『あ、いやいや冗談だよ。天野がいるのは、、、』
『現地集合がいいです。』
『ああそうだな。現地集合にしよう。』
『ありがとうございます。』
天野はそのまま無言で筆をはしらせていた。
冗談にしては天野に不快な思いをさせてしまったかもしれない。
俺は少し浮かれていたのだろう。
少し冷や汗をかきそうになる。
『じ、じゃあ、授業あるから。』
イスから立ち上がる。
天野は筆を走らせたままだ。
特に返事はない。
またやってしまった。
視聴覚準備室の扉を開ける。
『タケルさん。』
天野に袖を引っ張られる。
振り返る。
天野の顔が赤い。
手を口にあてて、下を見ている。
『タケルさんは、その、、どうして、、ガラクタの私に構っていただけるのですか?』
俺はそのあとのことはよく覚えていなかったが、
なぜか学校を出て走り出していた。
なんでかわからない。
でも、そこには何か使命感。
ラブコメがあるのだと思いながら走っていた。
『ちくしょおぉぉぉっ!!』
ああ、俺は今回はちゃんとラブコメができるのだろうか。




