気になる。
『狩野さん、、狩野さん!』
ボーーッ、、、
『おい、タケル、ちゃんとしない裏切り者はヤッちゃ、、、おーい、タケル!』
はあ。。
ポヨン。
『タケルさん?』
『うわ!リリー、ごめん!!』
あたりを見渡す。
ああ総合演習の時間だった。
つい、ボーっとしてしまっていた。
『全く、ちゃんとしてくださいまし。』
『あ、ああ。悪い。』
リリーの胸で我に帰るとは、リリーの胸恐ろし。
しかしリリーはなぜ胸を押しつけてきた?
『タケル、お前ふざけてるな?』
加藤がライフルを突きつけてくる。
『加藤。』
『なんだ?』
『お前、体育着、似合うよな。』
『なっ、た、タケル。ダメだぞ。たしかに私はスタイルがいいが、そのこの姿であんなことやこんなことをこの私としようなど、、、』
加藤は頬に両手をあて、顔を赤らめている。
『どうしたのですの?タケルさん、今日はずっとボーっとしてますわ?心配になりますわ。』
『ああ、ちょいと疲れていてね。ちゃんと集中するよ。』
ライフルを持ち直す。
あたりを見渡す。
このあたりは地雷源はなかったはずだ。
リリーを見る。
リリーは背筋を伸ばし、胸をバインバインいわせて歩いている。
行軍の演習ではないのだ。
それは何度も何度も苗村先生から説明があった。
どちらというと市内戦やゲリラ戦を想定した演習だ。
背筋を伸ばして行う演習ではないのだ。
リリーの記憶障害ははじまっているのだろう。
胸がぎゅっと締め付けられる。
俺は今回、リリーとはラブコメをしない。
だって助けられないから。
この日の演習はつつがなく終わった。
昼休みになる。
視聴覚室前に立つ。
どんな顔をして会えばいいのか。
『はあ、、、、』
いやいや。
何も気まずいことなんてないではないか。
『私の、、大事な人なんです。』
天野の大事な人。
それはどんな人なのだろうか。
絵描きっぽいな。
天野はあの男に絵の手解きを受けたのだろうか。
天野のエロい体つきを思い出す。
手解き。。
手解き。。。
『いやだああああっ!!』
頭をかきむしる。
天野はそんな、絶対純情な乙女なんだ!
しかし、あの体つきは、、、
『ふごおおっ!』
頭を抱える。
『どうかなさいましたか。』
『いや、どうって、、、うわあああっ!』
俺の隣には件の、天野ハルカが口に軽く握った握り拳をあてて慎ましく立っていた。




