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46回目

桜並木を歩く。

学校に続く坂道には桜の木が大量に植えられており、俺は毎年のこの道を桜が散るのを見ながら、のんびりと歩く。


「きれいだな。」


少し汗ばむくらいの暖かさが身体にまとわりつく。

実際に汗はかかない。


「春だなあ、平和だあ・・・・」


こんな日は学校に行かずにさぼりたくなる。

さぼってしまうか。

来た道を振り返る。





「手を挙げろ。裏切者はヤってしまうよ?」




背中に銃を銃を突きつけられる。

急激に走る緊張。


身体全体が硬直する。

銃・・・。

なぜ銃だとわかったのだろうか。


銃っぽいものという表現が本当は正しいのだろうか。


恐る恐る手を挙げる。


かちりと安全装置が外される音がした。


ここで・・・死ぬのか??



こんな人生のエンディングはあってならない。

俺は恐る恐る振り返る。


視線だけをそっと。


二やついている女生徒が1人。



茶髪。

ショートヘアがよく似合っている。

スカートから伸びているスラっとしながらも程よい肉付きの

おみ足はついつい目がいってしまう。

胸元は程よい美乳なのだろう。


ただし、この女。




眼帯をしている。


当の本人からすると



「決死のスパイ作戦があってな。その際に右目がやられてしまって、、それ以来の眼帯だ。」





本人曰く、「隻眼の女子高生スパイ」なのだとか。



加藤玲。

その女生徒の名前だ。


『やあ、加藤。』


『タケル。授業はサボるなよ?』


『生徒会長さんがただの男子生徒に、構うとはよほど暇なんだねえ。』


『こういう1人1人を更生し、鼓舞していくことで組織はより強くなるんだよ。』


加藤は腕を組み、視線を逸らす。

少し顔が赤い。



『はいはい、そうですか。』



毎回同じやりとりなので、少し変化球を加えてみた。


加藤は前髪をこよりを作るように捻りながら、気まずそうに目を泳がせている。

顔は相変わらず赤い。



『お前もスパイごっこしてないで、そういう風にしおらしくしてるとかわいいのな。』


ぼそっと口走る。



加藤の顔はみるみる赤くなる。


『わ、わわわ!私、私がかわいいのか!!?そうか!そうか、タケルは私のことをかわいいと思うのか。』


頭から湯気が出ている。

あんまりやるとオーバーヒートするか。


加藤は両手をほっぺたに当てて、目を閉じて首をふりふりしている。



『そ、その、タケルな、わわわ、私もだな。うん、私も、、、お、お前を、、、』



そんな加藤をよそ目に俺は通りがかりのベレー帽の美少女に視線を送っていた。



『よう、天野おはよう。』


『はい。天野です。あなたのお名前は?』


『いやだな、狩野タケルだよ。』



こいつと会うのは来週だったはずだが、

今回は少しスケジュールがまかれているのだろうか。



こいつの名前は天野ハルカ。

声が高めで控えめなお嬢様という佇まいだ。


しかもぽやんとしていて可愛いのが天野だ。

コミュ障で無口で、でも体つきはエロいのだ。


S組だが、教室では見たことがない。



『天野、教室こいよ。お前がいると教室も華やぐんだ。』


『わ、わたし、人が多いところ、苦手で、、』


両手をスカートの前に揃えて、俯く天野。

控えめな感じが好印象だ。




『あ、まあそうだよな。強要はしねえよ。またな。』



『あ、うん。気をつけてね。』


『あいよ。』


『じゃあ、バイバイ。』



天野は控えめに手を振り校舎へ向かっていった。

昼休みは天野のところに行くか。


よし、じゃあそれまでは授業をサボるとするか。


校舎を背に進行方向を変えようとする。





『タケルはああいうのがタイプなのか?』



眼帯の美少女が、今度は俺の頭に銃を突き立てていた。



『加藤、頭にゴミがついてる。』


銃を押しのけて加藤の頭のゴミを、

撫でるように払う。


『ひゃう!?』



加藤は顔を赤くし、びくりと身震いする。



『じゃあ加藤また教室でな。』



俺はささくさと去った。


46回目となると手慣れたものだ。




















『タケル、、お前はなんでいつもガラクタなんかに興味を持つのだ、、、、』



加藤が何か呟いていたが、俺には全く聞こえなかった。


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