俺らはただの道具
『おーい、リリー待ってくれえ!』
『なんですの?タケルさん。』
リリーは1人でスタスタ帰ってしまいそうになっていた。
『いやいや、ロリータ服の店に行くって話だったろ??』
『そうでしたの?』
リリーはタブレットを取り出す。
『あー、そうでしたの。』
『なんだ、リリー、手帳がわりか?』
リリーはさっさとタブレットをしまった。
少し顔が赤い。
『た、タケルさんには関係ないですの。じゃあ、早くロリータ服のお店いきますのよ。』
リリーはスタスタ歩き出した。
『ま、待ってくれえ。』
ロリータ服のお店は、またもやマンホールを開けたところにあった。
いわゆるファッション街で、かつての原宿を彷彿させるようにいろんな店が入っている。
『あ、ありましたの!』
リリーの行きつけの店らしい。
『あらあ、リリーちゃん。』
これまたロリータがよく似合う、女性店員が出てきた。
『あら?今日は彼氏と一緒?』
『か、彼氏ではありませんのよ。クラスメイトでロリータに興味があるからお連れしましたの。』
『あらあ、ロリータ好きなの。どんなものが好みなのかしら?』
青髪の店員はにこやかに対応してくれる。
『その、ヘアドレッサーが特に好きでさ。』
店員は笑顔を絶やさない。
『ヘアドレッサー、ピンポイントでお好きなのね。なかなか変わったかたね。あら、まさか、、リリーちゃんにヘアドレッサーだけ身につけさせて他はすっぽんぽんに、、、』
『かあああっ!それ以上はダメですの!全く。』
リリーが慌てて会話を止める。
『ふふ、冗談よ。何か訳ありってのはよくわかったわ。ヘアドレッサーは便利なのよ。リリーちゃん、タブレット見てちょうだい。』
『ええ。ああそうよね。』
『そう、ネットをジャミングしてくれるから一切の通信を遮断する。で、彼氏さんはなんでこれが欲しいのかしら。』
『か、彼氏じゃあ、、』
『それは、、リリーとラブコメしたいからさっ!』
『・・・・っ。』
リリーの顔は真っ赤だ。
『あらあ、、ラブコメはこの世界ですとご法度ですのに。命知らずね。』
『知るもんか。』
『まあ、私の商いもこんなところでやってるくらいだからご法度なんだけども。』
そう、俺らには飯を食うのも、ファッションを楽しむのも、ましてやラブコメなど許されていないのだ。
『私たちは、、、そうね、タケルさん。』
『ああまあ、そうだな。俺らは敵を倒す為だけの存在だからな。』
悲しいけども、そういう存在なのだ。




