リリーと屋上デート
昼休みになる。
『リリー、屋上行こうぜ!』
『え?なんで、タケルさんと屋上行かなくてはいけなくて?』
『いや、ああ、うん。俺がリリーと過ごしたいからだよ。』
リリーは俺と屋上で過ごす約束を忘れていたようだ。
忘れるというか記憶から欠落している。
だから、誘い直した。
『まあ、タケルさんは随分と情熱的なのですね。いいですわ、お誘いに乗りますわ。』
両手を拍手をするように重ねて満面の笑みを向けてくる。
それが嬉しくて、そしてとても悲しい。
『ふ、ふーん、スパイの手解きなら私がレクチャーしてやるぞ?』
加藤が顔を赤くしながら、擦り寄ってくる。
『間に合っているからいい。』
しっしっと追い払う。
『わ、私を邪険にしたことを後悔させたるからなっ!』
加藤はスタスタ去っていった。
何せ時間がない。
リリーと今は過ごしたいのだ。
『で、、何をするのですの?』
『リリー。タコさんウィンナーって知ってるか?』
『はあ、、なんですの。それ。』
『ウィンナーは知ってるよな。』
『はい。でも、添加物が入ってるからあまり食べないように言われてますの。』
『うむ。だから学校では食べれないよな。だからな、擬似昼飯というか昼休みに弁当を食べるなら何を食べたいかを語り合おう。』
『はあ。別にあまり食には興味がないですわ。』
リリーを見る。
胸は豊胸手術とはいえ、他はとてもしなやかな肢体だ。摂取するものも、必要最低限といったところだろう。
『リリーはいつも何を摂取してる?』
『何って、国から支給されるじゃないですか。ふあああ、本来ならそれを摂取する時間ですのよ。』
リリーはあくびをする。
頭にエネルギーがいってないのだろう。
『食事に興味はないか。』
『そうですわ。今日日、食事なんかに興味がある方がいたことが驚きですわ。それに、、、』
リリーはあたりを見渡す。
『あまり、持ちませんのよ。そろそろ話題を変えてくださいまし。』
『なんだ、それは覚えているのか。』
リリーはヘアドレッサーを直す。
『おしゃれですの、これは。』
『そういうことにしておくか。』
『でも便利ですのよ。髪型もキープできますし。寝る時もつけてますわ。』
『そりゃあ、大したロリータ魂だ。』
『消費が激しいですの。』
リリーは予備のヘアドレッサーを取り出す。
『全く、これがなきゃ、病院にもいけやしない。』
リリーはぼやいていた。
『なあ、リリー、そのヘアドレッサー、どこで手に入れてるんだ?』
『あら?ロリータに興味がありまして?良ければ今日の放課後にでもご案内させていただきましてよ。』
リリーの目が輝く。
同志を得たと言わんばかりのキラキラした期待の目だ。
『じゃ、じゃあ行くか。』
『うんうん、決まりですの!じゃあ、放課後にまた!ふあああ。』
リリーは足早に去っていった。
30分くらいか。
『俺も摂取しとくか。今日はケイのところいけそうにないし。』
こうして放課後リリーとのデートに漕ぎ着けたのだった。




