俺は勘違い野郎
校門に続く坂道を歩く。
春から夏に差し掛かる季節、新緑が美しい。
こんな日は、、学校をサボるに、、
『裏切り者は、、、あれ?』
後ろから厨二病的なセリフを言いかけた女の声がしたが学校はサボらないことにした。
彼女がいるから。
教室の扉を開ける。
『よお、リリー。』
『あらタケルさん、おはようございます。』
リリーはしおらしく、両膝に手を置いて座っている。
『き、今日もかわいいな、リリー。』
『?頭おかしくなりまして?』
彼女を褒めるのは当たり前だと思うのだ。
リリーを見る。
顔が赤くなっている。
『ははーん。』
『なんですの?』
リリーに近づき、肩に手をあてる。
『まあ、そうだよな。こんな公衆の面前でいきなりそんな事言われても、そりゃあ照れるよな。悪かったよ、マイハニー。』
ニカッとはにかんで見る。
『タケルさん、セクハラですわ。』
肩に置いた手を払われる。
『次やったら、、あれ、次やったらなんかしますわっ!』
リリーはそっぽむいてしまった。
なるほど、リリーはツンデレであったか。
いいさ、お昼は一緒に屋上でリリーお手製のサンドイッチでも食べてイチャイチャしてやるんだからなあ!
『授業を始めますよー、おっとっと、ぷぎゃ!』
苗村先生はつまずいて教卓に額を強打した。
『誰かっ、担架を!』
ますます苗村先生はポンコツ化してるなあ。
『はっ!』
チャイムが鳴る。
下校のチャイムだ。
『今日、リリーとイチャイチャしてないぞっ!』
昼休みも誘ったのだが、、
『はあ!?なんで、タケルさんと屋上で過ごさなきゃなんですの!?』
すごい剣幕で断られた。
『ふふ。スパイに色恋はNGだぞ?』
『スパイじゃねえよ、しっしっ。』
加藤にはバカにされるわ、リリーはツンデレどころかツンしかない。
気がついたら下校時間だった。
リリーは相変わらずライフルの組み立てに手こずっていた。
『な、なあ、リリーちゃん?』
『・・・・。』
『おい、リリー。』
『なんですの?タケルさん。』
『いや、何って。下校時間だぜ。帰ろうよ。』
『はあ?なんでタケルさんと帰らないといけないのですか?』
『いや、なんでって、、そりゃあ、俺たち恋人だろ??』
リリーは手を止める。
目を丸くしてこちらを凝視する。
『ふっふっ、あははは!タケルさん?頭でも打ったんですの?私達が恋人?バカ言わないでくださいまし。』
リリーはライフルをしまう。
学校のカバンを手に持ち、教室の入り口に向かう。
入り口でこちらを振り向く。
『タケルさん、私達はただのクラスメイトですの。それ以上でもそれ以下でもありませんわ。では、ごきげんよう。』
リリーは口元こそ笑っていたが、明らかに目は怒っているようだった。
1人教室に取り残される。
これはいったいどういうことなのだろうか。
45回目のタイムリープをもってしても、俺にはわからないことが多かった。




