食事
午後は簡単な座学だった。
『つまらない授業だったなあ。』
『また、苗村先生倒れたわね。』
午後イチのことだ。
『ええ、ですからあ、お米やお肉や野菜というものを食べてもですねえ、添加物とか入っていると体によくなかったりするのでえ、あんまりあんまりなんですねえ。』
栄養学だ。
『しかるにい、食事っつうのはですねえ。。。ぐわっ!!』
苗村先生はバランスを崩して黒板に後頭部をぶつける。
『ぷぎゃあああ!!』
黒板消しがピンク髪に落ちる。
『あれはスパイとしては失格だな。クックック、、、、』
眼帯の美少女は厨二病的に笑う。
『あー、先生髪の毛がカラフルになりましたわ。意外とオシャレですわね。』
苗村先生の髪は、黒板消しのせいでピンクに青や黄色が混じっており、カラフルになった。
リリーは胸元で腕を組み、うんうんと頷く。
『誰か!担架を持ってこい!』
そんなやりとりがあった。
苗村先生は非常に弱くなったものだ。
つまらない学校生活。
『いやいや、次こそは酒池肉林、ハーレム全開ラブコメ路線にすると決めたっ!』
その為にも腹が減ってはなんとやらだ、
すでにマンホール街の合言葉は突破し、
飲食街にいた。
『ああ、タケルさん!ここであったが最後っ!腹切りぃー。』
ケイと街中で会った。
『よお、ケイ、今日もお前のいる店に行こうと思ってな。』
『なな!ワタシがいるからお店に来るか!』
ケイはまたお尻を振りながら俺に擦り寄る。
『け、ケイ、人前でダメだよ。』
ああ胸が、、、、
『当たらせねえよ!!』
見事なドロップキックが横っ面に炸裂する。
『あばばっ!』
10メートルは吹っ飛んだ。
『だから、悪かったって。また姉貴の勘違いで、、』
こうやってケイが擦り寄り、レンにお見舞いされるのが通例となってきた。
『でも、タケルも悪代官あるよ?ワタシが言葉弱いの知ってて、拐かすような発言ばかり。』
ケイの絶望的な思い込みと語彙力の無さは今に始まったことではない。
レンが姉貴を守ろうとする行動もだ。
『まあいいけどよ。』
チキンカレーを頬張る。
『はあ、美味いなあ。』
チキンカレーのコクがすごい。
米がすすむ。
『ごちそうさまー。』
『はあ。しかし、久方ぶりの客がタケルだと赤字だよね。』
レンが銀髪をさらりと後ろに払う。
『久方ぶりの客?ここはデリバリーメインだし、飲食店街の賄い専門だから大丈夫だろ?』
『うん、まあ、そうなんだけどさ。』
窓の外を見る。
こころなしか活気がない。
いや、屋台が畳まれていたり、店そのものが減った気がする。
『また、捕まったのよ。』
『またか。くそっ!』
恫喝するように声を荒げた。
ダンと机を叩く。
『タケルさん、机壊れる。』
『あ、悪い。』
ケイが怯えた子猫のように部屋の隅に座り込みながら、絞り出すように声を出す。
ケイにはこんな姿見せてはならないのだ。
『タケル、アンタの怒りはわかるけど、姉ちゃんの前ではよしてくれ。』
肩を叩かれる。
俺はチキンカレーを貪り食べた。
途中から少ししょっぱさを感じながら、食べ続けた。
その日のチキンカレーの味はあまり覚えていない。




