花見
チャイムが鳴った。
「よし昼休みだ!!加藤、桜見に行こうぜ!!」
「あ、、うん。」
タケルは私の腕を引っ張る。
非常に面倒ではあるが、重要監視対象としてタケルを認識した。
その為に校庭での花見に同行している。
校庭に出ると、非常に奇妙な光景が広がっている。
学校の敷地の外が見えるのであるが、その光景は
いわば世界が滅亡したかのようながれき、廃ビルの山。
廃ビルには、植物がつたっており、ある場所では水びだしになっている。
その手前に広がるのは、桜が咲き誇っている校庭がある。
外界は雑多な感じで植物なぞ手入れはされていないのに、
この学校だけ、しかも育てるのに時間のかかる桜が植えてある。
「すげえよなあ!!この桜!!ほら、寮のまわりなんて何もないから!!」
桜が舞い散る。
風が吹き、髪がばさっとたなびく。
私は自分の髪を抑えながら、その様子を見る。
「すげえよなあ。こんな世界になってもさ、桜だけは守ったっていうかさ。」
こんな世界になっても、か。
私はこんな世界になる前のことなんて知らない。
タケルは何かを知っているのだろうか。
そんなはずはない。
この世界にいるアンドロイドの目的は・・・・・。
「なあ、加藤、あの桜の下に行かないか??」
「え・・うん。」
私は腕を引っ張られる。
少しプログラムが忙しく書き出される。
このプログラムはなんだろうか。
あまり感じたことのない感情を必死に書き出して、学習を繰り返す。
「見ろよ!!木の下だと壮大だよなあ!!」
「・・・・・。きれいだな。」
私のプログラムになかった、「きれい。」の3文字。
どこで学んだのだろうか。
つい、タケルの横顔を見る。
タケルはニコリと微笑みながら桜を見る。
こちらの視線に気づいたのか、こちらを一瞥し微笑んでくる。
「な・・・・。」
放熱プログラムを発動させた。
なんでこんなに機械が熱くなるのかはわからない。
この状態を解析するも、結論が出てこない。
「なあ・・・・加藤。昼飯、食わねえか。」
放熱をいったん止める。
「何を今、言った??」
「いやだから・・・・そんな怖い顔しないでくれよ。」
「食事は裏切りもののすることだ。」
「はあ・・・・・まあそういうと思ったよ。お堅いよな。加藤は。
お堅いくせになんだから眼帯していて・・・・中二病というか。うん。中二病の
美少女って感じ!!アニメとかゲームとかラノベに出てきそうな感じ!!」
タケルははにかむ。
放熱を再度始める。
「その中二病というのは・・・お前は好きなのか??」
「うーん、好きというかそういうやつがいても面白いかなあ。」
タケルの桜を見る姿を見る。
中二病を調べる。
私はその後も中二病とは何かを調べ続けた。




