僕らは人間ではない
なんで加藤がPCの中にいるのだろうか。
「やあタケル。久しぶりだね。しっかり授業は受けていたかな?まあ、
もっとも授業をしっかり受けていた人がここにはたどり着かないんだろうけども。」
「どういうことなんだよ!?なんでお前がここにしかもPCの中にいるんだよ?」
「なんでって言われてもなあ・・・・。タケル。君があまりにも不甲斐ないから
僕が、いや・・・僕の体が壊されてしまったんだよ。全く。二重スパイなんてやるもんじゃないよね。」
何を言っているのだろうか、こいつは。
「いったい・・・・」
「だからさあ、なんとなく変だったろ?この世界はさ。特にさ、あの視聴覚室に
何回も言っているからわかるだろ?ガラクタの山にリリーのヘアードレスや、
おもちゃの鉄砲、画面がバキバキに割れたタブレット・・・・・。」
そうあれは、天野を救うための46回目だったか。
♦♦♦
視聴覚室のガラクタは日に日に増えているように見えた。
『ん?』
中には、おもちゃの鉄砲のようなものや、画面がバキバキに割れたタブレットのようなものまで捨てられている。
『はて?』
少し漁ると
ヘアードレスが見つかった。
『リリーのものと似てるな。あいつもここに捨ててるのか??』
♦♦♦
確かにあれはリリーのもので、おもちゃの鉄砲は加藤の・・・・
「つまり・・・・。」
「そうつまりだ。あそこにあるガラクタは君が繰り返したと勘違いしている、48回目
だったかな・・・僕の残骸であり、リリーや天野や君の残骸だ。レンもあそこに捨てられていた
だろう??あそこは僕らの中間処理施設のようなものさ。」
「いや・・・・どういう・・・・」
「はあ。。。まだわからないかな。僕らはタイムリープなんてしてない。ましてや、
僕らはアンドロイド。今の君は48体目の機体でしかない。そして、
キミだけだ。これを知っているのは、キミと僕だけ。」
「え・・・・。」
「だって納得いくだろ??僕らは人間ではないのだ。君は泣くような悲しい気持ちになっても
涙が流れないし、僕らの体には血ではなく油、キミがそうだね。この世界では体液と
呼ばれているものだ。」
俺は自分の体を見た。
「なあ・・・・加藤。」
「なんだい?」
「人間ってなんだ?俺らは別にただの人じゃないか。」
「はあ・・・だから普通。まあいいや、人間の定義なんてどうでもいい。
僕らはアンドロイドであり、キミは記憶だけ毎回毎回、僕のこの片目の光によって
何度もサルベージされて、そのデータをキミの別の機体に移植した。」
「な・・・」
「タイムリープなんてしていない。だってそうだろ?今回、苗村先生が処刑されてすぐに
新しい機体が出てきた。」
「新しい・・・機体??」
「ああ。君はどうやら、妹さんか何かと勘違いしているようだけど、あれは49回目の苗村先生の
機体だよ。」
なんてことだ。
俺は時間を巻き戻していたわけではなかったのか。
1つの疑問があった。
「なあ・・・・お前はなんでさ。」
「ん??」
「お前はなんで俺だけをサルベージしたんだ?そして今日ここに俺をいざなったのも
お前なんだろ??」




