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「……増員は正直必要だと思う。と言うかギルドに居たあの人数がアイアンの冒険者達にプラスされたら僕達の手に余ります。前に百人以上の兵士たちを相手取った時に何とかできたのは彼等が食事の支度など全部やってくれたからですから」
正におっしゃる通りで。さらに言えば兵士さんよりも素材の持ち込み量も多い。
「支店も総合的には良いと思いますけど……でも、アイアンは魔法から術師が離れると迷宮の魔力が発動して魔法を消されるから、アイアンでは支店は出せないと思います」
「あ、そうだった……!」
「……ああそうでしたなあ。そんな問題もありましたわ……となると今から人手を増やして、開店は次の迷宮……いや、アイアンにいる間は地上に支店を置くのもええなあ……」
地上に支店?
そりゃ迷宮出せないなら地上に支店を置くしかないけれども、そんなの需要あるのかな。
と、首を傾げているとマキエ姐さんに「大ありどす」真顔で詰め寄られて言われた。
「ええどすか、マリィの名前と共に迷宮宿屋、マジックバッグはもはや有名なんどす。そこにうちらがだした空間商店街。商店街の方は国中どころか他国からもお客様が来はる千客万来。つまり、需要も高かったら空間に泊まるちゅうステータスも魅力的やで。迷宮宿屋を疑似体験出来るってコンセプトにしたら貴族も一般人も楽しめるやろしマリィの予測の数十倍は客が押し寄せるはずや」
なるほど。なるほど。地上に宿屋を置きたいというマキエ姐さんの気持ちはよく分かったけれど。
「それ、わざわざ商店街と分ける必要ありますか?商店街の方を増設して宿を作った方がいいんじゃないですか」
「そやけど、増設したら迷宮で支店としては使えへんで?」
「どうせアイアンでは使えませんし、それなら地上にいる間にこっちを増設して、潜ったら支店を作った方がいいかと。だってほかの街に行っても地上に宿泊施設があった方がいいでしょう?」
そういうとマキエ姐さんは感極まった表情でむぎゅっと抱きしめてきた。
「おおきに。宿泊施設欲しかったんやけどこれ以上手間かけるのは悪いと思っとったんよ」
「これくらい良いですよ。代わりに増員と……地上支店や将来の迷宮第二支店の人員確保、お願いしますね」
そんなこんなで増員と、近いうちに迷宮宿屋地上支部、移動したら迷宮第二支店の話が始動した。
「わかりましたえ。早急に手配しましょ。一応地上支店の方はシュタインに店長を任せよう思っとりますけどよろしおすか?」
「ええ、構いませんよ。僕は姉さんの傍から離れる気はありませんし専任の店長もシュタインさんならば安心できます」
「……ほな将来的に迷宮第二支店の店長も用意した方がええんやな。それなら他のもんを地上店長にしてシュタインを迷宮に送り込んだ方がええかもしれんどすなあ……」
しかし、支店か……地上は兎も角として、確かに同じ迷宮であっても店舗を二箇所出すのはとてもいいと思う。
なにせ最深層ではトップクラスでないと利用できないが、ギルドにはトップクラスばかりがいる訳では無い。
初心者達は迷宮宿屋を利用したいほど困ることは無いだろうが、中堅層には需要があるのだ。




