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白蟻レイドクエストに関しては、各地からのすごい数の応援者によって勝ち筋が見えた。

クリハラさんの指揮下の元、トールさんも決行日まで冒険者ギルドに通うことになり私たちは駆けつけた冒険者のために地上ではあるものの宿を開いた。


そして直面する深刻な人手不足(宿屋の方)


帰還初日にして私達はマキエ姐さんに泣きつきに行った。

そこで私達は予想してなかった提案を受けることとなる。


「……支店を、出さないか?」


「そうどす。これを機に従業員を一気に増やしてレイドボス終わったら中層と下層の両方に支店を出しまへんか?二店出さん時は一店舗で交代で働けば余裕も出来るやん?二店出せるようにしはったら追追他の迷宮でも行けるやろ」


それは……まあ、確かにそうだけども。

でも支店か。そうなると宿屋とか雑貨屋とかの空間も倍になる……でも確かにメリットは大きいと思う。現在アイアンですら需要に対して供給がギリギリで追いついていない状況だ。


「でも場所は危険な迷宮ですよ。そんな場所で働きたい人簡単に見つかりますか?正直、人は増やしたいと思ってますが難しい相談だと思っていたんですけど」


そういえばそうだった。相手は荒くれることもある冒険者。場所は迷宮と職場環境は良いとは言いきれない。そう思ったのだけれど、マキエ姐さんは余裕そうにふっと笑った。


「商人はどこでも商売しますえ。それにあんたらは下に潜ってるから知らへんでしょうが、迷宮宿屋で店を出したい言う人は結構な数おんねん」


そうなんだ。初耳すぎてダーツと目を合わせて首を傾げる。


「まず食のカイザー兄さんは迷宮宿屋で屋台を出したいと言うてはります。これはうちもええと思うんよ、ネロ君だけやったら人数増えよったら食事だけで手一杯やろ?」


それは……まあ確かに。昨日一緒に忙殺されたネロを思い浮かべる。地上に上がったら仕込みに人を雇わないととフラフラしてたしなあ……。単純な人の増員も良いけど軽食を提供する場が増えるのもありかもしれない。


「さらに支店を出すならゴロウ兄さんが目利きが出来る者をくれる言うてはるんよ。

魔鉄も羽ももっと欲しいらしいですわ。ファレナ姉さんも迷宮宿屋に娼館を設置した「それはダメです」」


咄嗟にダーツの耳を塞ぐ。聞こえてしまったかもしれないけれど、それはまだ未成年の弟妹も居るからダメだ。

マキエ姐さんは「まあ、色事は揉めるからそれでもええと思いますが」と引き下がってくれた。


「吟遊詩人も置きたいと言うてはりましたわ。金を持った冒険者は良いカモどすからなあ」


そっちはまあ、良いかな。

陽気なドワーフさんたちは酔っ払って歌を歌って居るから吟遊詩人さんたちがいれば彼等も楽しめるかもしれない。


「さらにモモ婆も礼儀作法が甘い一般人の職と、冒険者から奴隷落ちした奴らをトールはんたちみたいに護衛させつつ狩りに行かせたいみたいどす」


なるほど。私たちの元に話が来た時点である程度人材の確保の目処がたっていたんだね。となると残る問題は新人教育と空間の準備と細々した物か。


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