11
「シンさん!?」
「久しぶりだな。元気にしてたか?」
とりあえず集団で冒険者ギルドに行っても三十名以上の大所帯は狭いからと、トールさんとエストラさんと私、マイクさんとハルティのリーダーガバウさんとロベルタのタランさんとメルディさんだけが外で、後のみんなは中に入って貰ってダーツと弟妹にはみんなの案内を任せた。
そして行ったアイアン冒険者ギルドには懐かしい顔ぶれが揃っていた。『ツバサ』の面々だけでなく、ラクーンで宿屋をしていた時に泊まりに来た冒険者達がいっぱい居たのだ。
扉の近くにいたシンさんに声をかけられたけれど、顔馴染みのみんなはほぼ全員笑顔で手を振ってくれた。
所狭しとばかりに、高位冒険者が溢れるアイアンギルド。
その奥から出てきたクリハラさんと、前に検問で見かけたお貴族様。
モモ婆とダーツに任せて私は対応をしてなかったが……二人ともやけに好意的な表情を浮かべて、クリハラさんに至っては真っ直ぐ私の前に来ると勢いよく頭を下げた。
「ありがとうございますマリーロズ嬢。あなたのお陰でアイアンが救われる道筋が見えました」
「あ、はい」
作戦参加のことに対してだろうか。
それならばトールさん達の助けになりたいだけだから気にしなくて良いのだけれど。
「私からも感謝を。此処に居る救援に駆け付けた冒険者達は君のおかげで集まってくれたようなものだ。君がアイアンを救ってくれたようなものだ」
お貴族様にも持ち上げられるけれど、いや、まだ白蟻討伐出来てませんし。
救うも何もまだ視察しただけなんだけどなと戸惑っているとマイクさんによって補足がされた。
「十日ほど前にアイアン冒険者ギルドから各地の冒険者ギルドに大規模レイド作戦の増援要請が届いたんです。アイアンは精一杯出したつもりでしょうが提示された金額は場所によっては移動費と宿泊などで消えてしまう程の物でしたが……参加者名簿にマリィ、君の名前があったんです。良くも悪くも、マリィに釣られる形でこれだけの冒険者が応援に駆けつけたんですよ」
え、でもここにいる大半は元お客様=マジックバッグはもうもっている筈だ。
今更私に関わって……二個目が欲しいのかな?
私の名前に釣られてやってきたのはわかるけれど、報酬が低くても来る意味が分からない。
「ーーー助けに来たのよ、マリィ。人手が足りなくて困ってたんでしょ?」
納得できなくって首を傾げていると、ハンナさんがそう言って笑った。
周りの人たちも殆どが優しい笑顔で頷いている。
助けに、来てくれた。ラクーンの皆だけじゃなくって、関わった大勢の人が。
本当に純粋な好意だけかなんか分からないけれど、とにかくもう。
嬉しかった。
「……っ」
嬉しくて嬉しくて、再び涙腺が崩壊して泣きじゃくりながらトールさんにしがみついて。
「ぁりがどう、ござい、まずぅ!!」
泣きながらそう言えば、また色んな人に頭を撫でられた。
【緊急】アイアンレイドボス討伐依頼
概要 アイアン迷宮にてスタンビードを誘発する可能性の魔物が発生したのでそれを討伐、または補助するものを募集する。
報酬 A級冒険者一人200万ロイ
B級冒険者一人150万ロイ
C級冒険者一人100万ロイ
プラス危険手当、素材を売ったお金を危険度別に割り当て。
討伐対象
測定不能 超大型蟻
Bランク 蟻種、モグラ種……
、
、
、
、
、
依頼者「冒険者ギルドアイアン」「領主アイギス・ラウラ」「マリーロズ迷宮宿屋護衛団」




