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買取所は店仕舞いしたものの、雑貨屋の方は一応まだ営業中なので雑貨屋の周りで椅子に座ってぐったりしたり地面に寝っ転がってダラダラしたりして雑談をする。
「ダーツ、トールさん達にお給料渡した上でまだ雇えそう?」
「余裕で。と言うか最近のトールさん達って一般兵以上の給料受け取ってくれないんだよね。魔物狩って売って稼げるから賃金は普通でいいって」
「え、そんな安月給で雇えるような人達じゃないでしょ……」
「銀の華に護衛依頼出したら、一週間で百万は軽いよ」
ここに来て初めて知る事実。トールさん達の給料問題を知って、全員が黙り込む。
いやだってさ。Aクラス冒険者=一般兵って無いよ。大隊長クラスレベルは渡さないと行けないと思う。
「ちなみに経費ということでツルハシを五本押し付けるのに成功したわ」
「ナイスリリエラ」
「僕も護衛団の食事にはたまにオークキングの肉を入れてるよ」
「良くやったネロ」
「そういう話堂々と俺の前でしないでよ……食べにくくなるじゃないか」
どうせお金で渡しても受け取ってくれないんだから、物品で渡すしかない。ぼやく本日の護衛のムサシさんの言葉は無視だ。
あと、貢げそうなのは……。
「ダーツ、魔鉄をガドルさんに渡して装備のメンテナンスをしてもらうのはどう?」
「残念だけど姉さん、護衛団の稼いだ魔鉄は殆どガドルさんに流れてるよ」
くっ、ダメであった。
地上に上がるまでまだ半日ほどある。その間、弟妹たちと野外で寝たり(ただの寝落ち)ダラダラ話したりで時間を潰した。
そして、白蟻の情報収集を兼ねた二回目の遠征を終えると
地上では懐かしくて大好きな人達が待っていてくれた。
「おかえりなさい、マリィ。それからムサシとトールもご苦労様でした」
出口でそう言っていつもみたいに。そう、いつもみたいににっこりと笑うマイクさん。
「おかえりマリィ!」
「大きくなって……ねえな!」
「来ちゃった!」
「マリィちゃん久しぶり!」
ハンナさんに抱きしめられて、おっぱいに顔をむぎゅっと埋められてもごもごしてると何本もの手が私の頭をぐしゃぐしゃ掻き回して行った。
みんなだ!ラクーンギルドの、大好きなみんなだ!
ハンナさんに抱きつきつつも、私の後から出てきたダーツがマイクさんに駆け寄るのが見える。
ネロもリリエラも、レオとリオも顔見知りの冒険者さんたちに嬉しそうに駆け寄った。
店内に居たお客さん達が去っていく中、トールさんが一緒に女王蟻の調査をした人達を残した。
するとダーツの頭を撫でたマイクさんがすっと佇まいを正してトールさんの前へと歩み出た。
「ラクーンギルドより職員マイク、Bランクパーティ『ハルティ』Bランクパーティ『ロベルタ』、それからCランク冒険者を十五名、アイアン迷宮ボスレイドのために助っ人にまいりました」
「……そうか。助かる」
はっとハンナさんを見上げると、ハンナさんはにこっと笑って再度むぎゅっとお胸に埋められた。
来てくれた。皆が来てくれた!助けに来てくれた!!
会えて嬉しくて
助けに来てくれたのが嬉しくて
ぶわっと涙が溢れ出して、それに気づいたハンナさんや皆に頭を撫でてあやされた。
ーーーけれど、助けに来てくれたのはラクーンの皆だけじゃなかった。




