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作者への反逆〜転生したので、春の運命を書き換えてみせます〜  作者: 太幽


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第16話「つぶら」

第16話「つぶら」



小牧・長久手の戦いが終結し、秀吉と家康の間に和議が結ばれたのは、天正十二年も終わりに近づいた頃だった。


村にはようやく平穏が戻り、人々は次の春に備えて田畑の手入れに精を出していた。椿は十兵衛たちと暮らす家の縁側で、ぼんやりと空を眺めていた。冬の雲が低く垂れ込め、今にも雪が降り出しそうな空模様だ。空一面を覆う曇天は、彼女の心の中と同じだった。忠助を救う方法も、圓との再会がどうなるかも、何も見えない。ただ、冷たい重みだけが広がっている。


胸の奥に、小さな棘が残っている。あの白い犬、忠助のことが頭から離れない。崖から落ちる運命を、どうすれば変えられるのか。まだ答えは見つかっていなかった。


(忠助。お前は今、どこで何をしてるんだろう。戦場の匂いを嗅いで、主の命令を待って、ただじっと)


彼女は手のひらを見つめた。忠助の鼻先が触れた場所。もう感触は消えているのに、その温かさだけは、なぜかまだ残っている気がした。


「春」


声がして顔を上げると、衛門が立っていた。その表情はいつになく硬く、手には一通の文が握られている。


「衛門さん、どうしたの」


「時雨から報せだ。緊急の用件らしい」


椿は立ち上がり、文を受け取った。走り書きの文字。時雨の几帳面な筆跡が、いつもより乱れている。


『圓、動く。京へ向かう模様。目的は不明。至急、相談したい』


「圓……」


衛門の娘。二十五年もの間、生き別れになっていた実の娘。本編では秀吉の側近として育てられたくノ一で、後に衛門と再会を果たす。その圓が、なぜ今。


「わからん。だが時雨が緊急と判断した以上、ただごとではない」


衛門の声は平静を装っているが、その拳は固く握られていた。指の関節が白くなっている。


「衛門さん、私、時雨に会ってくる」


「いや、私が行く」


衛門の声に、迷いはなかった。


「圓は私の娘だ。二十五年、ただそれだけを願って生きてきた。今、動きがあるなら、私が直接確かめたい」


椿は衛門の目を見つめた。その瞳の奥に、長年抑え込んできた父としての想いが揺れている。本編で「犬」として語られた男の、誰にも見せなかった素顔。


「……わかった。でも、私もついていく。時雨の連絡役として」


衛門は少し考え、小さく頷いた。


「よかろう。準備ができ次第、出立する」



衛門と椿が京に着いたのは、三日後の夕暮れだった。


都は秀吉の天下統一が進む中、活気に満ちていた。新しい時代の到来を予感させる熱気が、町全体を包み込んでいる。道行く人々の表情は明るく、戦の影はもうどこにも見当たらない。町行く人々の笑い声が、衛門の耳には遠く聞こえた。二十五年間、彼はこの笑い声の届かない場所で、ただ娘だけを想って生きてきた。その孤独が、今、彼の背中を静かに押していた。


椿は都の外れにある小さな社で、時雨と落ち合った。時雨は黒装束ではなく、ごく普通の旅装束に身を包んでいる。その表情には、いつもの冷静さの奥に、かすかな緊張が浮かんでいた。


「時雨、圓は」


「まだ京にいる。だが、単独で動いている。秀吉の命ではないようだ」


「目的は」


「わからない。ただ、彼女は何かを探している。古い記録や、神社仏閣を巡っている様子だ」


衛門が一歩前に出た。


「圓は、私のことを知っているのか」


時雨は少し間を置き、静かに答えた。


「……予感程度に父が近くにいると感じてるはず。圓は、幼い頃からずっと、自分のルーツを探していた。秀吉様はそれを知りながら、あえて真実を隠してきた。圓を守るために」


時雨は遠くを見つめた。


「だが、今回の動きは違う。圓は明らかに、自分の意思で動いている。秀吉様の命ではない。私の知る歴史にはない動きだ」


「そうか……」


衛門は深く息を吐き、空を見上げた。夕焼けが、彼の横顔を赤く染めている。


「私は、二十五年間、娘を探し続けてきた。その娘が今、すぐ近くにいる。なのに、どう声をかければいいのかわからない」


「衛門さん……」


「私は、父親として何もしてやれなかった。妻を守れず、娘を守れず、ただ生き延びることだけを考えてきた。そんな私が、今さら父親の顔をして会いに行っていいものか」


衛門の声は震えていなかった。でも、その言葉の一つ一つが、長年彼の胸の奥でくすぶり続けてきた後悔そのものだった。


椿は、忠助のことを思い出していた。戦場で「鬼の犬」と呼ばれ、主のために戦い、誰にも心を許さなかった犬。でも本当は、ただ誰かに撫でてほしかっただけなのかもしれない。


(衛門さんも、同じなのかもしれない。ずっと、圓に謝りたかった。ただ、それだけなのに、二十五年もかかってしまった)


時雨は衛門の前に歩み寄り、静かに言った。


「衛門、私は親を知らずに育った。物心ついた時には、すでに両親は鬼に殺されていた。だから、親に会えるということがどれほどのことか、本当の意味ではわからないかもしれない」


「時雨……」


「でも、もし私が圓の立場なら。もし父が生きていて、ずっと自分を探していたと知ったら。きっと、会いたいと思う。たとえ、どんな感情が湧き上がってきても」


時雨の声は、いつもより優しかった。


「お前には、会いに行く資格がある。いや、会いに行く責任がある。二十五年間、娘を想い続けた父としてな」


衛門は時雨の言葉を黙って聞いていた。やがて、小さく息を吐き、頷いた。


「……わかった。私は圓に会う。二十五年分の想いを、伝えるために」



圓が最後に立ち寄ったのは、都の北にある小さな尼寺だった。


古い寺で、かつて都で名を馳せた武士の娘が預けられていたという噂がある。圓はその記録を調べに来たのだろう。自分の存在の痕跡を、必死に探している。


衛門と椿、時雨の三人は、尼寺の門前で待機した。日が沈み、辺りは闇に包まれ始めている。門の前に吊るされた灯籠だけが、ぼんやりと周囲を照らしていた。


椿の胸の奥で、忠助の存在がふとよぎった。


(忠助も、いつか自分のルーツを探したりするのかな。戦場で生まれた犬に、ルーツも何もないかもしれないけど。でも、誰かに愛された記憶は、きっと探すんだろうな)


彼女は小さく息を吐き、目の前の現実に意識を戻した。


やがて、一人の女が寺の中から現れた。


黒装束に身を包み、顔の下半分を布で隠している。年は三十を過ぎたくらいか。細身ながら、その立ち姿には無駄がなく、くノ一としての訓練を積んだ者のみが持つ鋭さが漂っていた。


(圓……)


椿の胸が高鳴った。本編で読んだ、衛門の娘。秀吉の側近として、影で歴史を動かすくノ一。その圓が今、目の前にいる。


圓は門を出たところで足を止め、三人の気配に気づいた。


「……何者だ」


冷たい声。その手はすでに、懐の短刀に伸びている。時雨と同じ、影を生きる者の目だった。


「待ってくれ。敵ではない」


衛門が一歩前に出た。圓の目が、衛門の顔を捉える。


「私は衛門。かつて都で武士をしていた者だ」


「衛門……」


圓の眉が、微かに動いた。その名前に、確かに反応している。


「聞いたことがある。秀吉様が探していた名だ。だが、なぜあなたがここに」


衛門は懐から、ぼろぼろの産着を取り出した。桃色だった布地は色褪せ、刺し子の模様も薄れかけている。二十五年間、彼が肌身離さず持ち続けてきた、唯一の手がかり。


「これが、私の唯一の証だ。二十五年前、私は都を追われ、妻子と生き別れた。娘の名はつぶら。二歳だった」


圓の目が、大きく見開かれた。彼女は産着を受け取り、じっと見つめた。圓の細く冷たい手に、産着がそっと置かれた。二十五年間、衛門の節くれだった手が守り続けてきた温もりが、今、娘の手に移っていく。その手が、わずかに震えている。


「……この布、なぜか懐かしい。覚えていないはずなのに、指が覚えている」


「圓、お前は私の娘だ。二十五年間、ずっと探していた」


圓は何も言わず、産着を見つめ続けている。長い沈黙が流れた。風が吹き抜け、灯籠の火が揺れる。その炎が、彼女の瞳の中で揺らめいていた。


「……私、幼い頃、自分が拾われた子だと聞かされた。本当の親は、もういないと。でも、心のどこかでずっと信じていた。いつか、父が迎えに来てくれると」


圓の声は、かすかに震えていた。


「でも、待てども待てども、父は来なかった。だから私は、父はいないものとして生きることにした。自分の力で、強く生きていくしかないと」


「すまない……」


衛門の声が、震えた。


「すまなかった。私は、お前を守れなかった。母も守れなかった。二十五年間、ただ生き延びることだけを考えてきた。父親として、何もしてやれなかった」


「……なぜ、今なの」


圓の目から、涙が一筋こぼれた。


「なぜ、二十五年も経ってから、私の前に現れたの。今さら、父の顔をして現れても、私はどうすればいいの。どうやって、この気持ちを整理すればいいの」


「お前に、謝りたかった。ただ、それだけだ」


衛門は深く頭を下げた。


「許してほしいとは思わない。ただ、お前に伝えたかった。私は、ずっとお前を想っていた。それだけは、本当だ。都を追われた日も、流浪の日々も、桃太郎たちと出会ってからも、ずっと」


圓は産着を握りしめ、声を殺して泣いた。その肩が、小刻みに震えている。くノ一としての仮面が、音を立てて剥がれ落ちていく。


時雨が、そっと圓の肩に手を置いた。時雨は、かつての自分を圓に重ねていた。誰も信じず、誰も愛さず、ただ任務だけをこなしていたあの頃の自分を。だからこそ、彼女を放っておけなかった。


「圓、私は時雨。同じくノ一として生きてきた者だ」


圓は涙で濡れた顔を上げ、時雨を見つめた。


「あなたが、噂の……」


「私は、復讐のために生きてきた。誰も信じず、誰も愛さず、ただ敵を討つことだけを考えて。でも、今は違う。私を信じてくれる仲間がいる。私を愛してくれる人がいる」


時雨は椿の方をちらりと見た。


「彼女が、私を変えてくれた。そして今度は、私があなたを助ける番だ」


圓は椿を見つめた。


「あなたが、春……」


「うん。私は椿。衛門さんの仲間で、時雨の友達。そして——あなたの味方でもある」


圓は困惑した表情を浮かべたが、今はそれ以上追及しなかった。


「……私、どうすればいいのかわからない。父に会えたのは嬉しい。でも、二十五年の空白は、あまりにも大きい。この手に、どう収めればいいのか」


「それでいいんだよ」


椿は圓の手を握った。冷たく、細い指。時雨と同じ、影を生きる者の手。


「すぐに答えを出さなくていい。ゆっくりでいい。衛門さんは、もう逃げたりしないから。ずっと、あなたのそばにいる」


圓は椿の手を見つめ、小さく頷いた。


「……わかった。少しずつ、時間をかけて」



その夜、四人は尼寺の近くの茶屋で向かい合っていた。


衛門と圓は、少しぎこちないながらも、互いのこれまでの人生を語り始めた。衛門は都を追われてからの流浪の日々を。圓は秀吉に拾われ、くノ一として育てられた日々を。


圓は湯飲みを見つめ、しばらく言葉を探すように黙り込んだ。やがて、ゆっくりと顔を上げ——


「秀吉様は、私に『お前の父は生きている』と教えてくれた。でも、会うことを許してはくれなかった。『今はまだその時ではない』と」


圓は湯飲みを見つめながら、静かに語った。


「私は、その言葉に従ってきた。秀吉様は私の育ての親。逆らうことなどできなかった。でも、心の奥ではずっと、父に会いたいと願っていた」


「圓……」


「今回、私が独断で動いたのは、もう待てなかったからだ。秀吉様の天下統一が進み、私の役目も変わりつつある。このまま一生、父に会えずに終わるかもしれない。そう思ったら、いてもたってもいられなかった」


衛門は深く息を吐き、圓の手を取った。


「私は、桃太郎たちと出会い、新たな生きる意味を見つけた。この村で、仲間と共に生きていくことを選んだ。圓、お前さえよければ、共に来ないか」


圓は衛門の手を見つめ、長い沈黙の後、静かに首を振った。


「父上、私は秀吉様のもとで生きていく。私を育ててくれた恩を、返さなければならない。それが、私の選んだ道です」


「……そうか」


衛門の声は、少し寂しげだった。だが、その目には理解の光が宿っている。


「お前が自分で選んだ道なら、私はそれを尊重する。だが、これだけは覚えていてほしい」


衛門は圓の目をまっすぐ見つめた。


「私は、ずっとお前の父だ。何があっても、それだけは変わらない」


圓の目から、再び涙がこぼれた。彼女は何も言わず、ただ衛門の手を握り返した。


椿と時雨は少し離れた席で、二人の様子を見守っていた。


「圓、少しずつ心を開いてるみたいだね」


「ああ。時間はかかるだろうが、衛門も圓も、お互いを求めていた。それは間違いない」


時雨は湯飲みを手に取り、白湯を一口すすった。


「私は、八歳まで両親の愛情を受けて育った。父の手の温もりも、母の優しい声も、今でもはっきりと思い出せる。だからこそ、あの日すべてを奪われた時、私の世界は壊れた。復讐だけが、生きる意味になった」


時雨は自分の手を見つめた。火傷の痕が、灯りの下でかすかに浮かんでいる。


「圓、あなたは二十五年の空白を埋めようとしている。それは、とても苦しいことだと思う。でも、あなたにはまだ父がいる。言葉を交わし、互いを知る時間が残されている。それは——私には決して叶わないことだ」


椿は時雨の手を握った。冷たく、細い手。でも、確かな強さがこもっている。


「時雨、あなたには私がいる。光も、弥助も、衛門も、みんなあなたの家族だ。そして、もうすぐ喜備丸も生まれる」


時雨は少し驚いた顔をしたが、すぐに小さく笑った。


「……ああ、そうだな。私には、新しい家族がいる」



夜が更け、衛門と圓はまだ語り合っていた。二十五年分の空白を埋めるには、一夜はあまりにも短い。でも、二人は確かに、その一歩を踏み出していた。


椿と時雨は茶屋を出て、月明かりの下を歩いていた。冷たい風が吹き抜け、二人の髪を揺らす。


「春、私は明日、秀吉の陣営に戻る」


「うん。圓のこと、よろしくね」


「ああ。彼女はこれから、自分の道を選ぶだろう。父と共に生きるか、秀吉の側近として生きるか。どちらにせよ、私は彼女の力になりたい」


時雨は空を見上げた。雲の切れ間から、月が顔を出している。


「私も立派な母になれるだろうか…」


時雨は無意識に、左手首の火傷の痕をなぞっていた。誰かのために団子を作ろうとして、失敗したあの日の記憶。その記憶が、今、彼女に「母になる」ことへの静かな覚悟をくれているようだった。


「時雨はもう、立派なお母さんだよ!本で読んだ時雨は、喜備丸にちゃんと『時雨の焼印』を託してた。それは、あなたが誰かを愛することを知ってる証拠だよ」


時雨は少し照れたように口元を緩めた。


「……そうか。」


椿は立ち止まり、時雨の目をまっすぐ見つめた。


「時雨、あなたはもう一人じゃない。これからもずっと、私はあなたの友達だ。それだけは、歴史がどう動こうと変わらない」


時雨は椿の手を握り返した。その手は、もう冷たくはなかった。


「……ありがとう、椿。お前がいてくれて、本当によかった」



翌朝、衛門と圓は、尼寺の門前で向かい合っていた。


圓の顔には、昨夜のような混乱の色はもうない。代わりに、静かな決意が宿っていた。くノ一としての仮面でも、娘としての涙でもない、一人の人間としての顔。


「父上、私は秀吉様のもとで生きていく。私を育ててくれた恩を、返さなければならない」


「……そうか」


衛門の声は、少し寂しげだった。


「だが、私はもう迷わない。父上が生きていること、ずっと私を探していたこと、それを知ることができた。それだけで、私は前に進める」


圓は衛門の手を取った。


「父上、私はあなたの娘であることを誇りに思う」


衛門の目から、涙が一筋こぼれた。彼は何も言わず、ただ圓の手を握り返した。大きく、節くれだった手が、娘の細い手を包み込む。


「圓、私もだ。お前は、私の誇りだ」


それは、本編で衛門が最期に圓に伝えた言葉。でも今は、最期ではなく、新しい始まりの言葉として。


二十五年の時を経て、父と娘は確かに結ばれた。


その光景を、椿と時雨は遠くから見守っていた。朝日が昇り、四人の影を長く伸ばしている。朝日が二人の影を長く伸ばし、やがてその影は一つに重なった。二十五年の時を経て、父と娘の影が、初めて寄り添った瞬間だった。


(これで、また一つ歴史が動いた。衛門と圓の再会。それは本で読んだ通りだ。でも——その裏側で、私は確かにここにいる)


椿は目を閉じ、深く息を吸った。冷たい朝の空気が、肺を満たす。


(あなたの書いた物語は、形を変えてこれからも続いていく。私はそのすべてを見届ける。そして——)


彼女は拳を握りしめ、朝日を見つめた。


(忠助、次はお前の番だ。お前の運命も、ちゃんと見届けるからな)


【次回予告】


(——衛門さんと圓、ついに再会した! 二十五年越しの父娘の絆、しかも「最期の言葉」じゃなくて「始まりの言葉」として! これぞ私が守りたかった未来だ! 太幽、見てるか! お前の書いた悲劇を、私はこうやって書き換えてやったぞ!)


「……って、感動に浸ってる場合じゃない。次は——忠助だ」


「忠助。後のシロ。秀吉の愛犬であり、戦場で『鬼の犬』と呼ばれ、崖から落ち、桃太郎に救われ、老夫婦に愛され、そして——欲次郎と意地子に殺される。そのすべてを、私は知っている」


「秀吉はついに関白となり、天下統一への最後の階段を上り始める。でも、その影で、私は再びあの白い犬と対峙する。崖から落ちるその時まで、いや、その先もずっと——私は、お前を見捨てない」


「……って、太幽、犬のエピソードだけで何話使う気? でも、それがいいんだよな! 忠助の物語は、『時雨の焼印』の中でも屈指の名エピソードなんだから! 中学時代歴史の成績1だった奴が書いたとは思えないくらい、犬の心理描写がリアルでさぁ……!」


『犬は成績と関係ねぇだろ!』(本人登場)


(あ、やばい、また太幽の暴露しちゃった。まあいいや、どうせこの時代の人にはわかんないし)


「次回、第17話『シロの選択』。忠助、お前の運命はもうすぐだ。でも——私は、お前を見捨てない。約束したからな」


「よし、行くぞ! 歴史の裏で、一匹の犬の運命に寄り添う——それが、私の影の戦士としての、次の戦いだ!」


---


【第16話・完】


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