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ママとビキニと、かわいい英雄  作者: 身から出た鯖
第3章
85/92

085 アプリルさんの冒険

「ふうぅ、お疲れさまでしたっ クリスくん♪」

「はふぅ おつかれさまですー」


 朝ごはんの前、

 ぼくとアプリルさんは、日課の軽い鍛錬を済ませたところ。

 レイナちゃんも途中までは参加してるけど?

 ジョギングはパスしてるから、先に上がっちゃってるんだ~


「じゃあアプリルさん? シャワー、お先にどうぞ」

「あ、ありがとうございます、でも」

「はい?」

「クリスくんをお待たせするのもなんですし、一緒に入りませんか?」

「だ、ダメですよぉ! もうお互い、元にもどってるんですし」

「ですがその、お互いに全部、見ちゃってますよね? しかも何度も」(ぽぉっ)

「うぅ それは、そぉですけどぉ」

「それにクリスくん、私の身体で【レッスン】、してたんですよね?」

「は、はいぃぃ」

「あっ そんな気にしないで下さいっ 私もその、クリスくんの身体でしちゃってましたから!」(かぁぁぁっ)

「で、ですよねー」


 うぅ、お互いのカラダに【馴染む】ためとはいえ?

 ボクとアプリルさんはカラダが入れ替わった状態で、アイナママたちと【レッスン】してたんだ。


(お互いに恥ずかしいから、そのことは話題にしなかったのにぃ なんで?)


 なんて、ぼくがドギマギしてると?


「改めてこう言うのもヘンですけど……あの【レッスン】のおかげで、男の子のことがわかったというか」

「そうなんです?」

「はい! その、自分の意志とは関係なく【おっき】しちゃったり」

「おぅふ」

「そうしたら【スッキリ】するまでは、もう頭の中が【そういうこと】でいっぱいになっちゃうとか」

「あうあうああう」

「おかげで私、だいぶ男の人のことが理解できた気がして……だから怖いのも、わりと平気になってきたんです!」

「そ、そうなんです?」

「はいっ これもみんな、クリスくんのおかげです!」

「いや、そんな」


 でも、なんとなくわかる気がする。

 【怖いもの】って、【よくわからないもの】でもあるんだよねぇ

 そして怖いから、さらに距離をとっちゃって、もっとわからなくなる。

 そういう意味ではアプリルさん、いい勉強? になったのかなぁ


「あの、クリスくんはどうでした? その、私の身体」

「お、女の子のカラダって、すごいなぁ、って」

「すごい? どんな風にですか?」

「そ、それは~」


 うぅっ アイナママやルシアママとの【レッスン】で、何度も何度も【びくびくっ】ってさせられて、スゴかったの♪

 なんていえないよぉ!?


「ええと、その、あっ 魔力? 魔力がすごいけど、防御力はないから? ビキニアーマーができるまで、ほんとたいへんだったんだなぁって!」

「あぁ、なるほど」


 ごまかせた!


「そ、そういえばアプリルさんはふだん、ビキニは装備しないんですか?」

「え? ええ、私には【姫巫女の戦装束】がありますから」

「ですよねー」

「けど、街に行くと若い女性は、みんなビキニなんですよね」

「ですねぇ」

「だからその、『なんであの子、ビキニじゃないの?』って感じで」

「あー」

「エルフだからといっても、ルシアさまやミラさん、マハさんは装備してますし。だから私も装備しようかな? とは思ったこともあるんですけど」

「あ、そうなんですか?」

「はい、その、クリスくんはどう思いますか?」

「ええと」


 アプリルさんの普段着は、白いブラウスにチェック柄のスカート。

 いわゆる日本の女子高生みたいな服だけど、人族の街ではすごい少数派。


(街の若い女のひとは、みんなビキニを装備しちゃってるからなぁ)


 それは冒険者じゃなくてもみんなそう。

 というか?【若い女性ならビキニが当たり前】みたいな感じになってるんだ。


「ええと、アプリルさんとしては、やっぱり普段からビキニは恥ずかしいです?」

「え? ええ、正直いうと。ですが、それが人族の街での【常識】なら、受け入れるべきなのかな、と」

「なるほどー」


 しかも最近は、レニーさんとかアイナママたちがビキニを装備してるから?

 【アラサー】の女性冒険者さんたちが感銘を受けて、ビキニに戻ってるんだって。


「う~ん、だったら街に行くときだけ、ビキニを体験してみたらどうかなぁ?」

「あっ やっぱりクリスくんも、そう思います?」

「はいー あ、ちなみにエルフの森だと、ビキニアーマーってどうなんです?」

「やはり魔法の威力が上がりますし、若い女性は装備してますね」

「やっぱり若い女の人だけ?」

「その、エルフは寿命が300歳ほどですから、120歳くらいまでは【若い女性】と言っていい年齢なんです」

「あ、そっか~」

「ですが、エルフの歳はわかりにくいですから、わりとそれ以上のお歳の方でも……」

「あー」


 ともあれ、エルフの森でもビキニは普通、と。


「じゃあアプリルさんは?」

「私はその、【姫巫女の戦装束】を装備することがみんなに知られてますし。ですから普段は装備してないんです。その、今回みたいな緊急時、それから自己鍛錬の時以外は」

「あー」


 ということはアプリルさん、あんまりビキニ姿を見せるにの慣れてない?


「だったら──」

「ですがっ クリスくんもああ言ってくれましたし! 私、勇気を出してみようかって!」

「おぉう」

「そ、それにその、クリスくんっ」

「は、はい?」

「私が街でビキニ、装備してたら……クリスくんは嬉しいですか?」

「え?」

「う、嬉しくないですよね、私なんて──」

「すっごくうれしいです!」

「ホントに?」

「もちろん!」

「そ、そうですか~ えへへ♪」


 そりゃまぁ、たしかに?

 最初はぼくも、アイナママがビキニで街を歩くのが、ちょっとヤだった。

 そもそもアイナママ自身が恥ずかしがってたし?

 ほかのひとたちにアイナママのビキニ姿を見られるのも、やっぱりヤだから。


(けど?)


 この世界じゃ、女性がビキニなのはあたりまえ。

 そもそも命を守る装備だし、恥ずかしいモノなんかじゃないんだ。

 それにアイナママが恥ずかしがってたのも、自分で【いい歳をして】って思ってたからだし?


「うん、だったら私、街ではビキニ装備しちゃいます!」

「おぉう」

「で、ですからそのぉ、クリスくん?」

「あ、はい」

「一緒に私のビキニ、選んでもらえませんか?」

「え、ぼくが?」

「はいっ クリスくんが選んでくれたら私、頑張れると思いますし!」

「そうなの?」

「ダメ、ですかぁ?」

「そ、ソンナコトナイデスヨ?」

「よかったぁ♪ えへへ、断られたらどうしようかと思っちゃいました~」

「そ、そうなんだ」


 って、どうしてぼくなの?

 ぼく、男のコですよ?


「あ、じゃあお礼に背中を流しますね♪」

「え? ちょ──」

「ですから、クリスくんにはもうこの身体、全部見られちゃってますし! は、恥ずかしいけど、今更ですもんね」

「えっ? えっ?」

「あ、急がないと朝食に間に合いませんよ? さぁ急ぎましょ!」

「ちょ──」


 結局……ぼくはアプリルさんにお風呂に連れて行かれちゃって。

 背中どころか、いろんなところを洗われちゃって。


「もぅ クリスくんったらぁ」

「うぅぅ」

「まだ私の身体で【おっき】してくれるんですね? えへへ♪」

「い、いいからそこは洗わないでぇっ?」


 ◇◆◆◇


「あはぁ☆ ふたりで一緒に飛ぶと、本当に早いですよねぇ」

「ですねぇ」


 もうすっかり慣れた風精霊魔法の【飛行魔法】。

 ぼくたちふたりががりで発動すれば、ひとりの時より速く飛べちゃうんだ。

 それには手をつないだり、カラダをくっつける必要があるんだけど?


(アプリルさん、なんでまだ手を離さないんだろ?)


 街のそばに降りてから、ずっとつなぎっぱなし、なんですけど?

 いやまぁ? 見た目には【お姉さんに手を引かれる】なのはわかってるけど~


(でもアプリルさんが楽しそうだから、いっか)


 そのままぼくらは、アルタムさんのお店へ向かったんだけど>

 確かにアプリルさんを、


『なんでビキニじゃないの?』

『エルフだから?』


 って感じで見てるひとは多かった。

 特に女の人。


(やっぱり女の人って、同じ女の人の服装とかのチェック、厳しいんだなぁ)


 そう思うと、アプリルさんもやっぱり女のコだし?

 やっぱり回りから『ダサい』って感じで見られるの、ヤだったのかも?

 だったらさっきぼくに聞いたのも【背中を押してほしい】って感じ?


(うん、きっとそうだよねぇ)


 なーんてことを考えながら、ぼくたちは街を歩くのでした~


 ◇◆◆◇


「アルタムさんは、ビキニショーツを重ね穿きしてるんですね?」

「あ、そうなんですよー 姫巫女様。 だってこの【変身ヒモパン】? 普段も穿きっぱじゃないとダメなんですよね?」

「え? ええ。でもそれ【姫巫女の戦装束】で、そんな名前じゃあ──」

「ですけど、さすがに普段からコレだけで外を歩くのは勇気がいりますからね~ だからこうして、変身ヒモパンの上からいつものを重ね穿きしてるんです」

「アルタムさん? それってビキニアーマーの【加護】はおりるんですか?」

「あー、大丈夫ですよ? クリスくん。今もちゃんと加護、降りてますから」

「そうなんだ~」


 そういえば日本でも?

 ビーチとかで、ビキニを重ねて着てる女の人を見たことがある。

 アレはそういうファッションだったのかなぁ?


「ちなみにアマーリエさんは、制服のショーツの下に、変身ヒモパンをキッチリ隠して重ねてますね」

「な、なるほど?」

「そしてレニーさんは……変身ヒモパンの上から、黒いレースのショーツを重ねてます」

「あっ それって」

「ええ、あえてスケスケのレースを重ねて、あえてヒモパンの布をうっすらと見せてるんです。やられました、めっちゃオシャレですよねぇ」

「レニーさん、すごいですっ!」

(そうなの!?)


 お、女の人のオシャレって、よくわからないなぁ、


「で、姫巫女様は、ついに普段からビキニを装備することにしたんですね?」

「あ、はいっ その、今更ではありますが」

「いえいえ、じゃあレベル20代のというと──」

「………………」


 というか?

 ぼくとアプリルさんのカラダが戻ってから、アルタムさんたち【姫巫女の従者】の3人は、ちょっと変わった気がする。

 なんというか、ぼくがアプリルさんだったときはベッタリだったけど?

 今はアプリルさんとは、普通に【女友達】みたいな感じ。


(やっぱりこれって、ぼくがアルタムさんたちを従者にしたってことなのかなぁ? う~ん、これもミヤビさまにきかないとわかんないなぁ)


 なーんてぼくが考えてると?


「お、おまたせしました!」

「あっ アプリルさん、どんなのにしたんで──え?」

「ど、どうですか?」

「どど、どぉって」


 そのアプリルさんの格好は、

 首廻りと腕は、ふだん着てる白いブラウスとリボン。

 だけどギルドの受付嬢さんみたいに、おっぱいまるだし状態にバッサリカット。

 そして例の変身ヒモパンに、すっごいローライズ──股上の浅い、チェック柄のビキニショーツを重ね穿きしてる。

 あの【姫巫女の戦装束】のスカートみたいに、


「ひ、ヒモパンの上の方が、見えちゃってますけど?」

「ぼっ 冒険してみました!」

「ぼうけん!」


 ブラは白いおとなしめの三角ビキニ、なんだけど?

 その上に、変身ヒモパン並にきわどい極小ブラを重ねてる。

 その極小ブラ、ショーツと同じチェック柄なんだけど?

 アプリルさんはおハダが白いから? ぱっと見そっちしか付けてないみたいに見える!


「そそ、それって?」

「どうですかクリスくん! コレっ絶対流行(はや)りますよ!」

「そうなの!? アルタムさん」

「いやぁ レニーさんにはやられましたが……こっちはブラも重ねてますし? しかも装備してるのが超絶美少女の姫巫女様ですからね! 断言します、ひと月後にはみんなこの着こなしになってますよ!」

「えぇぇぇ」

「く、クリスくん、どうでしょう?」

「ええと」


 そう、女のコにこう聞かれて、ぼくがいえるコトバなんて──


「すっごくかわいいです、アプリルさんっ ぼく、ドキドキしちゃいます」

「ほ、本当ですか? えへへ、嬉しいです♪」


 そんなふうに照れながら笑うアプリルさんは、


(ほんとうにかわいい!)


 ◇◆◆◇


 そしてひと月後──

 アルタムさんのいうとおり、

 街の女の人のビキニは、【重ね】が大ブームになってましたとさ。

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