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ママとビキニと、かわいい英雄  作者: 身から出た鯖
第3章
81/92

081 女子力高いって、いわないでぇ!?

 パッ

-------------------------------------

 排水の完了を確認しました。

 自己診断プログラム起動──起動しました。

 現在診断中──オールグリーン


 ただいまより、簡易自立モードを起動──起動しました。

-------------------------------------

 ──フッ


 ◇◆◆◇


「………ん」


 朝日のまぶしさに、ぼくが目を開けると……


「すぅ すぅ 」

「くぅ くぅ」


 ぼくは両側から、しっかりと抱きしめられていて──


「アイナママ、ルシアママ……今日もきれい」


 アイナママは、サラサラの明るいブラウンの髪がととってもきれい。

 いつもはメガネをかけてるけど? いまは外してその長いまつげがよく見える。

 そんなアイナママはぼくの【育てのママ】。

 実の娘のレイナちゃんと変らぬ愛情をもって、ぼくを育ててくれたんだ。


 ルシアママのきんいろのウェーブの髪は、まるで本物の金糸みたいにかがやいてる。

 そしてその髪から覗く、とがったお耳。ルシアママは【エルフ】なんだ。

 ルシアママはぼくを【養子】にしてくれた【義理のママ】。

 それはぼくを産んでくれたママが、亡くなってしまったから。


 そして、ここにはいない、ぼくの【産みのママ】のステラママ。

 ぼくが小さいときに亡くなってしまったけど?

 きっと天から見守っていてくれるって、ぼくは信じてる。


 そんなきれいでやさしい、アイナママ、ルシアママ、ステラママ。

 ぼくはこの3人のママがだいすきだ。


(えへへ、ゆうべはアイナママとルシアママ……はじめて3人で【レッスン】しちゃった♪ あぁ、ゆめみたい)


 今までは一日おきだったけど?

 ゆうべはすっごく【いいこと】があったから。


(ルシアママの左手首、ちゃんとあるし。閉じててひとみはみえないけど、まぶたの傷も消えてなくなってるし)


 そう、ルシアママは──

 かつて人族に侵略戦争を起こした【魔王】と戦い、その左手首と左目を失った。

 それは神殿の最高位の神官、【聖女】の名を持つアイナママでも直せなかった。

 けど、凄まじい【再生能力】を持つ魔物【ヒュドラ】の魔石を使うことで、十数年ぶりに左手首と左目が元に戻ったんだ


(ヒュドラを討伐したことで【6体の魔物】もぜんぶ封印できたし? あの【悪霊】に入れ替えられた、ぼくとアプリルさんのカラダも元通りだし? あぁ、なんだかとっても順調? えへへ~)


 けど、そんなぼくも、あのヒュドラ討伐のあと、すごく怒られた。

 理由はヒュドラ討伐のために、勇者魔法の【超越身技(オーバークロック)】を使うために、ぼくのMPをすべて使って、魔力枯渇で昏倒しちゃったから。


(う~ん、まえもってちゃんと説明しておけばよかったなぁ)


 ちなみに一般的には、MPは総MP量の1割を切ると目眩を感じる。

 で、ゼロになると昏倒するんだ。

 じゃあ1だけ残せば? と思って、実験のときはそうしたんだけど?

 まさに昏倒寸前のキツい目眩に、のたうち回ったんだ……


(世の女性冒険者さんたちは、あんなのに耐えてるんだなぁ ホント、頭が下がる思いだよ~)


 なので? ならいっそ昏倒した方が楽?

 そう思って、ヒュドラ戦の時はぜんぶMPを使っちゃたんだけど……


(事情を知らないママたちに、すごく心配をかけちゃった)


 そしてその晩、針のムシロに座る様なお説教を受けたんだけど?

 でも、そのお説教は自業自得!


(むしろ愚かな行いをしたぼくを叱って欲しい!)


 そう、ぼくにとって──

 ぼくが原因でママたちを心配させるのは、果てしなく罪が深いんだ!


(そもそも魔物のいる所で昏睡前提とか、やっぱマズいよねぇ。あぁ反省──)

「……ん、あら、クリス……もう起きていたのね?」

「うん、アイナママおはよう」

「ええ、おはよう。ちゅっ よく眠れたかしら?」

「えへへ うん、いっぱい運動しちゃったからね」

「もう、クリスったら あら……」


 そんなアイナママが見つめてるのは、ぼくの──


「もう、ゆうべあんなに、わたしとルシアに『ぴゅっ』ってしたのに」

「えへへ だってぇ~」

「ええ、わたしひとりの時よりも、大きくしていたんじゃないかしら?」

「そ、ソンナコトナイヨ?」

「うふふ、そういうことにしてあげます。でも、いつもは甘えん坊のくせに、ああいうときは元気なんだから」

「だから~ アイナママたちが、とってもすてきだから」

「もう そんな嬉しいことを言う子は、こうです……あむ♪」

「んぁっ」


 そんなぼくが、アイナママの【おくち】にハァハァしてると~


「ん、もう朝か? ……んなっ!」

「ちゅく、ちゅ──あら、ルシア? おはようございます、んちゅぅ」

「な、何をしてるのだ! アイナ!?」

「何って……んちゅ 朝の【お清め】ですが? ちゅぅ」

「く、クリス! アイナはいつもこんなコトをしているのか!?」

「んっ え? あー、そうかも?」

「なにぃ! ええいっ なら私もするぞ! アイナっ 私に半分よこすのだ!」

「いやでふー、んちゅぅぅぅ」

「んあぁぁぁっ」


 そしてぼくは、ママたちに【ダブル】でされちゃって~

 朝ゴハンのしたくの時間まで、たっぷりと【お清め】されたのでした。


 ◇◆◆◇


「あ、レイナちゃん、アプリルさん、おはよー」

「おはよ、クリス」

「おはようございますっ クリスくん」


 ぼくが台所に行くと、レイナちゃんとアプリルさんが出迎えてくれた。

 ふたりは最近【朝シャン】にハマってるから、今日もとってもステキ。


「今日もふたりとも、髪すっごくキレイだね」

「もう、クリスったらぁ」

「えへへ ありがとうございます、クリスくん」


 うん、ふたりともとってもかわいい。


「でも、クリスくんって本当にマメですよねぇ」

「ぼくが、マメ?」

「ええ、毎日こうして、ご挨拶の次に褒めてくれますし♪」

「あー、そうかなぁ?」

「そうですよー、しかも髪型とか髪飾りとか、変えてもすぐ気づいてくれるし」

「そういうトコあるわよねー クリスってば」

「えへへ そう?」

「ふふ、クリスは【女子力】が高いからな」


 そういいながら、オフロ上がりのルシアママが来たんだ。

 最近ルシアママ、【朝湯】にハマってるからなぁ


「おはよっ ルシアママ」

「おはようございますっ ルシアさまぁ」

「ああ、おはよう」

「レイナもアプリルも、今朝もとびきり可愛いぞ? ちゅっ ちゅっ」

「あぁん、ルシアママぁ」

「あぁ、ルシアさまぁ♪」


 なーんて感じでルシアママ、ふたりのほっぺに、ちゅっ ってしてるー


「って! ルシアママ?【女子力】って──」

「ああ、クリスはいつも、男子らしくありたいと思っているだろう?』

「え? そりゃぁ、まぁ?」

「故に、その正反対であるところの【女子らしい仕草】に、人一番敏感なのだ」

「そうなの!?」

「ああ、特に女子が努力している部分、そこは特によく見ているな。そしてクリスはその女子的な努力を、褒めずには居られないのだ」

「あー、そういうトコあるかも?」

「ええ、どうりで的確な意見が多いわけですね」

「ただ残念なところと言えば──そのクリス自身が【男子らしさ】を体現出来ず、むしろ【女子力】の方を発揮してしまっている事だろうな」

「な、ななっ」

「そしてクリスは、あまりにもカワイすぎるのだ、ちゅっ」


 そんなルシアママが、ぼくのほっぺにもちゅっ ってしてくれるけど?


「か、かわいいって言わないでよぉ!」

「ふふ、そういうところがカワイイのだ」


 そんなぼくが【おこ】になってると、


「はいはい、ルシア? クリスを可愛がるものそれくらいにしてください」

「あ、アイナさんっ 私も手伝います」

「うふふ、ありがとうアプリルさん。貴女はきっと良いお嫁さんになりますね」

「えへへ♪ そうでしょうか~」

「ええ、そしてレイナ? あなたも手伝って頂戴?」

「はぁい、アプリルさん、行こっ?」


 そんなレイナちゃんとアプリルさんが、炊事場の方へ駆けてく。


「レイナももう少し、進んで家事をしてくれると良いんですが」

「ああ、いやいや、レイナはかなり頑張っているぞ?」

「そうでしょうか?」

「ああ、アイナが留守の際、この家の家事を取り仕切っていたからな。無論アイナには敵わないまでも、あれはいつでも嫁に行けるレベルだろう」

「そう、ですね……貴女がそう言ってくれるのでしたら」

「とはいえ、気持ちはわかるぞ? アプリルがああも出来た娘だからな」

「ええ、ほんとうに、特にあの【学ぶ姿勢】は大したものですね」

「あれでエルフの森の【大宮司】の、跡取り娘なのだがなw」

(おぉぉ)


 アプリルさん、アイナママたちからも、すっごい高評価だぁ

 かわいくて良家のお嬢様で、がんばり屋でひとなつっこい。

 そのうえ歌って踊れるなんて、ほんとうにアプリルさんはすごいっ


 ◇◆◆◇


「あぁ、アイナさんのお料理、本当に美味しいですぅ」

「うふふ、アプリルさん? お茶のおかわりをどうぞ♪」

「ありがとうございますっ あぁ私っ 本当にこのおうちの子になりたい!」

「ははっ それでは私が【大宮司】に叱られてしまうなw」

「うぅ だってぇ 美味しい食事に快適な家具のかずかず! そしてなによりもっ みなさんが親切で優しくて……私、大好きですっ」

「まぁ、アプリルさんったら、うふふ」

「えへへ、わたしもお姉ちゃんが出来たみたいで、うれしいかも」

「ああ、皆の頑張りもあって、ひとまずの危機は去ったのだ。アプリルもまずは肩の力を抜き、しばらく骨休めすると良い」

「ありがとうございますっ ルシア様ぁ」

「ですが本当に、一時はどうなることかと……」

(あー)


 そもそも?

 自分と他人のカラダを入れ替える能力を持つ【悪霊】。

 コイツがルシアママのカラダを狙ってきたのがきっかけだったけど?

 そのために悪霊は、千年前にエルフの森を襲った【6体の魔物】、封印されていたソレを盗み出しちゃったんだ。


(けど? ぼくらがそれを6体とも、封印しなおしちゃったけどね)


 おかげでぼくたちは悪霊が潜んでいたケストレルの街に、泊まり込んで毎日捜索してたんだけど~

 ひとまずは魔物がぜんぶ封印されたから、まずはひとあんしん♪


(でもアプリルさん、6体の魔物がじぶんおおうちから盗まれたから? すっごく責任、感じてたみたいだしなぁ)


 ぼくとしても、アプリルさんが元気になってうれしいし?

 なによりアプリルさんには、笑顔が似合うからね~


「ん? じゃあ街でのおしごとは、もう終わりなの?」

「ああ、8割がたはカタが付いた」

「ですが、その【黒幕】と言える者がまだ残っているのです」

「そうなの?」

「ああ、だがヤツの手足となっていたモノは、全て片付けた。それがアプリルが、ここへ来た原因でもあったのでな」

「え? じゃあアプリルさん、もう帰っちゃうの?」

「あ、いえ、すぐに、という訳ではないんですが……」

「うぅ、やっぱり帰っちゃうの?」

「レイナちゃん……」


 レイナちゃんが悲しそうなお顔で、アプリルさんをみてる。

 ぼくだって、このままお別れしちゃうのはすごくさびしい。


「レイナ? そんなわがままを言っては──」

「いえ、ですが、まだその【黒幕】が残っていますし!」

「アプリルさぁん」

「そもそもこんなに早く事が済んだのは、ルシアさまにアイナさん、そしてクリスくんやアルタムさんたちのおかげですっ ですから私も最後まで、皆さんと共に──」

「そうだな……アプリル、ぜひその力、私達に貸してくれ」

「ルシアさまっ」


 ルシアママ、自然な感じでアプリルさんの手をとって、じいっと目をみてる。

 うん、ルシアママは【男子力】が高すぎると思うよ?


「え、ルシアママ! その左手──」

「ん? あぁ、治った」

「なおったぁぁぁ!?」

「えっ どういうことですか?」


 すっごく驚いてるレイナちゃんと、よくわかってないアプリルさん。


「ルシアママ? ぼくの【女子力】うんぬんより? レイナちゃんやアプリルさんに、ちゃんと説明してあげなきゃ」

「あ? ああ、そうなのだが」


 なんだかくちごもるルシアママ。

 なんで?


「ええとね、アプリルさん? ルシアママ、だいぶ前に魔族とのたたかいでケガしちゃって、左手首と左のお目々がなかったの」

「えっ?」

「今までは義手を使ってて……だからガントレット、外さなかったでしょう?」

「そ、そういえば!」

「でもね? ゆうべアイナママの治癒魔法で、もとにもどったんだ」

「す、すごいっ アイナさんっ」

「ですが、それはクリスの作ってくれた、この指輪のおかげですよ。この指輪の魔石のおかげで【再生魔法】の威力が、とても高まったのです」

「クリスくんが、指輪を?」

「ええ、クリスはマジックアイテムを作る才能があるのですよ」

「クリスくん、すごいです!」

「いやぁ~」


 ん? でも、ルシアママが、ガントレットをしてないのはともかく?

 なんで──


「ねぇルシアママ? なんでまだ、左のお目々を髪で隠してるの?」

「そ、それは……」

「えっ わたしもみたいみたい~っ」

「うぅ、レイナまで」

「そうですよ? せっかく治ったのですから」

「だ、だがなぁ」

「だが、何なのです?

「その、隠してないと? なんだか落ち着かないというか」

「えー」

「それにその、格好いいし?」


 ルシアママ? 中二病をこじらせてますね?

 でも──


「うわクリスなにをする!」

「せっかくキレイなひとみなんだから、見せてあげなきゃ、ね?」


 ぼくは強引にルシアママの髪をかきあげて、その目をレイナちゃんたちに見せたんだ。


「わぁ、ルシアママ、きれい」

「はいっ とてもお美しいです」

(おぉぉ、レイチャちゃんたち、大絶賛だぁ)


 なのに?


「うぅ、は、はじゅかしい~」

「えっ!」


 ルシアママ……どうやら恥ずかしかったみたいです。

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