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ママとビキニと、かわいい英雄  作者: 身から出た鯖
第2章 ルシアママは、エルフの魔法騎士
80/92

080 ぼくからママたちへのプレゼント

 アイナママ、ルシアママ、ごめんね? ウソをついて。

 【ステラママの遺したアイテム】そんなのは、ホントはないんだ。

 でもそれは、ミヤビさまとの約束だから、ホントのことが話せないんだ


(だってこれから使うのは、【勇者魔法】だから)


 ぼくがルシアママを【剣技】で超える、そんな魔法が【勇者魔法】にはある。

 【超越身技(オーバークロック)

 その魔法の発動中に限り、筋力、知力、攻撃力、防御力などのパラメーター。

 それを【英雄級】冒険者の3倍相当の能力値に高めてくれる魔法。


(そんなまさに勇者らしい、チートな魔法だけど?)


 欠点は、その消費魔力量が莫大なこと。

 だからこそ、20万を超える【MP】(マジックポイント)もつ勇者だからこそ使える魔法なんだ。


(それはアイナママたちのおかげで、MPが増えた今でも全然足りない。けど──)


 本来ならMP不足で使えないはずの【超越身技(オーバークロック)】を、今のぼくが【4秒だけ】発動させる魔法がある。

 それは──


 ◇◆◆◇


 そうしている今、毒のブレスは室内に充満してゆく。

 そうしたら、ぼくらは風の結界に閉じ込められた状態になってしまう。


「ぼくは左から、ルシアママは右からおねがい!」

「ああ、わかった」

「じゃあ数え3つで行きます!」

「さんっ」

「にっ」

「いちっ」

(【増魔倍押(マーチンゲイル)】っ そして【超越身技(オーバークロック)】!)


 ふたつの勇者魔法を同時発動する。

 そして──


「いまっ!」


 風の結界を、飛行魔法で飛び出した!

 見ればルシアママも、ぼくとシンクロするように駆け出していて──

 そんなルシアママの信頼に、ぼくの胸がかぁっと熱くなる!


「「てやぁぁぁっ!」」


 シュバッ! シュババッ!


 ふたりの剣の刃に風をまとわせた【ソニックブレード】が、やすやすとヒュドラの首を落としてゆく。

 そしてルシアママが4本目の首を落としたその瞬間──


「たぁぁっ!」


 シュバっ!


 ぼくが5本目を首を落とす。

 この間、わずか4秒──

 すべての首を失ったヒュドラは、もう再生することはない。

 そのカラダをぱぁっと光らせて、ポトリと魔石を落とした!


 ◇◆◆◇


 パッ

-------------------------------------

増魔倍押(マーチンゲイル)

 種別:勇者魔法

 状況:常時

 対象:術者

 効果:魔法の発動に対し、規定量以外のMP量を適用する事で、

    その威力を変動することができる魔法。

    その威力は規定量に対する比率に準ずる。

    戦闘時のみ発動、魔力消費は任意のMP量。

-------------------------------------


 つまりMP消費が100の魔法なら、200で2倍。

 そして500で5倍! と、倍率を変えられるんだ。


 これはもう、なりふり構わず──)


【【見敵殲滅(アナイアレイト)】、倍プッシュだ、!』


(──って時に使うんだろうなぁ おぅふ、なんという男之浪漫(おとこのロマン)


 そして『増魔倍押』の説明には最後にこうあるんだ。

 【魔力消費は任意のMP量】って、


 これ、逆に少ない魔力量ならどうなるの?

 本来のMP消費量の、1/2とか1/5とか?

 そう疑問に思って、以前実験してみた事があった。


(で【増魔倍押(マーチンゲイル)】を発動後、MPを1だけ残して、残り全てを【超越身技(オーバークロック)に全投入したら──)


 ホントなら? 魔力不足で発動しないはずの【超越身技(オーバークロック)が発動した。

 そして今のぼくのMP量でも、4秒だけなら発動する、という結果になったんだ。


 ◇◆◆◇


「やった!」

「おぉっ 本当にやってしまうとは!」

「クリスっ ルシアっ!」


 笑顔でよろこぶルシアママ

 そして涙を流しながら、駆け寄ってくるアイナママ。


「ありがとうっ ふたりのおかげで勝て──」


 その時、


 パッ

-------------------------------------

 【レベルアップ報告】

 出典:万物真理【管理ログ】より


 パーティーメンバー【アイナ】がレベルアップしました。

 パーティーメンバー【ルシア】がレベルアップしました。

                            下画面があります▼

-------------------------------------


(え? これって【万物真理(ステータス)】のレベルアップレポート?)


 そういえば? 前世でも勇者のパーティーメンバーだった、

 アイナママ、ルシアママ、ステラママの3人には、レベルが上がったら報告するように登録しておいたんだっけ?


(というか~ ぼくだけは上がらないんだよねぇ はぁ~ ん? って、まだ続きがあるの?)


 パッ

-------------------------------------

 パーティーメンバー【アイナ】のレベルアップに伴い、

 現在の装備が装備不可能になりました。

 強制解除されます。


 パーティーメンバー【ルシア】のレベルアップに伴い、

 現在の装備が装備不可能になりました。

 強制解除されます。


 今後の戦闘の継続のため、速やかな対処をお勧めします。

-------------------------------------


「──え?」しゅるっ ハラリ

「──あ?」しゅるっ ハラリ

(なっ! ビキニアーマーが、かってにパージされたぁぁ!?)


 おかげでアイナママとルシアマアの、おっぱいとおまたが丸出しに!


「きゃぁぁぁっ!」

「むぎゅぅ!」

「あぁっ ズルいぞアイナっ わ、私もっ きゃー(棒)」

(る、ルシアママまでぇ!?)


 ぼくはふたりのママに【ナマ】で抱きつかれ、


(あ、もう、限界ぃぃぃ きゅぅ~)


 その【幸せサンド】のままぼくは──

 魔力枯渇で昏倒したんだ。


 ◇◆◆◇


「【リターンスピリッツ】!」


 ぱぁぁ


 ぼくとアプリルさんのカラダが、暖かな光に包まれる。

 そう、これはアイナママの、魂を正しい身体に戻す魔法。


「さて、いかがですか?」

「ええと、あぁっ もどってるぅぅ」

「ええっ ちゃんと私の身体になってますっ」

「アプリルさんっ」

「クリスくんっ」

「「戻れてよかったぁぁぁ」」


 ひしっ


 そのうれしさのあまり、思わず抱きあって喜んじゃうぼくとアプリルさん。

 なんというか、ずっとアプリルさんのカラダで過ごしてたから?

 もう他人のような気がしなくて~


「ふふ、よかったよかった」

「ルシアママ ありがとう!」

「ああ、だがな? そろそろ離れたほうがいいぞ?」

「え?」

「レイナが嫉妬のあまり、泣きそうになっているからな」

「な、泣いてなんかないわよっ ルシアママ!」

「ははっ そうかそうか」

「ただ、もとに戻れてよかったなって、思っただけなんだからね!」

「レイナちゃん、ありがとう」

「ありがとうございますっ レイナちゃん」

「ふーんだ!」


 うーん レイナちゃんは怒っててもかわいいなぁ


「あなた方の【なりきり】が様になっていましたので、大丈夫だと判断しました。ですが万が一、身体から魂が抜けてしまったば場合は──」

「ぜったいにそばを離れずに、その場で待機! だよね?」

「ええ、それならば、わたしがもとに戻せますからね」

「アイナさん、本当にお世話になりました! ですが……」

「ああ、確かに【6体の魔物】はすべて封印、もしくは討伐したが」

「ええ、悪霊はまた、その姿を消していましたね」


 そしてあの悪霊が、6体の魔物をすべて封印されたからといって?

 そのままルシアママのカラダを諦めるとは思えない。


(嫌がらせがシュミみたいな、イヤなヤツだからなぁ)


 ともかくあのヒュドラやキマイラが、街を襲う前に討伐できてよかった~

 そしてぼくにはひとつ、考えがあったんだ。


 ◇◆◆◇


「クリス? 私とアイナに用があるそうだが」

「あ、そうなんだよ! ルシアママ」

「【レッスン】なら、私だけを呼べばいいだろう? ん♪」

「ルシア? 貴女また、抜け駆けを──」ゴゴゴゴゴ

「いやちがうからね? それよりもっとだいじなご用だから!」

「ふむ、大事な用とは」

「なんでしょうか……?」


 そんなママたちにぼくは~


「ええと、まずはアイナママ? 右手をだして?」

「右手ですか? はい」

「えへへ、サイズはあってるはずだけど~」


 ぼくはアイナママの右手の中指に、大きな石のついた指輪を差しこんだ。


「まぁ」

「えへへ これ、アイナママへのプレゼントなんだ」

「わたしに? あぁ、クリス」


 アイナママ、眉をきゅ~ってして、喜んでくれてる。

 喜んでもらえて、ぼくもとってもうれしい。


 すっ


 すると、ルシアママがワクワクしたお顔で右手を差し出してきた。


「え? ルシアママのはないよ?」

「がーんっ!」

「えっ! ちょ、泣かないでぇ!?」


 ぐずぐずと泣き崩れるルシアママを、ぼくはあわててフォローする。


「ちがうからっ ルシアママにはもっといいものをあげるから!」

「ぐすっ、いいもの?」

「うんっ それにはその、アイナママの指輪が大事なんだ」

「この指輪が、ですか?」

「うん、それね?【ヒュドラ】の魔石のカケラなの」

「まぁ」

「なんと」


 そう、すべての首を失ったヒュドラは、光になって魔石を残した。

 とはいえ? またエルフの森のときみたいに【復活】するといけないから?

 この指輪のぶんだけすこし削って、あとは【志那都風(しなつのかぜ)】で封印したんだ。


「で、この魔石でどうするのだ?」

「うん、あのヒュドラの【再生能力】、すごかったよね?」

「ああ、どんなカラクリかは知らんが、凄まじい再生力だったな」

「ええ、わたしもあんな早い再生は、初めて見ました」

「だからね? ヒュドラの魔石が持っているチカラは【再生力】なんだ」

「そうなのか?」

「うん、それでステラママの遺してくれたご本に、【魔石加工学】っていう魔導工学書があってね? 魔物の【魔石】を加工して、その特性を活かしたマジックアイテム作り、そういうのが作れるご本なんだ」


 ぼくがそういうと、アイナママが息を呑んで──


「クリス、これはまさか──」

「うん、そうなんだ」

「ん? 何なのだ? 私にはまだ要領が掴めないのだが……」

「ルシア、わたしの治癒魔法の【リジェネレイト】で、あなたの失った左目と左手首を、元に戻せるかもしれません」

「なんと……」


 そう、アイナママの治癒魔法は、傷を癒やしHPの回復はできるけれど?

 【死者の蘇生】と【大規模な欠損の回復】、この2つはできないんだ。


「だ、だが……私が目と手首を失ったのは、もう十年以上前なのだぞ?」

「うん、だからルシアママ? しっかりとイメージしてね?」

「な、なにを──」

「その手首と目がちゃんと自分にあるって、強くイメージするの」

「イメージ……」


 大事なのはその【想い】なんだ。

 だからそれさえあれば、あとはアイナママの魔法が後押ししてくれる!


 ◇◆◆◇


 そしてビキニアーマーを装備したアイナママがもどってきて…


「では、ルシア? 始めます」

「あ、ああ……頼む」


 ぼくも初めて見る、ガントレットを外したルシアママの左腕。

 そして髪をかきあげて、大きな傷の残る閉じたままの左目──


「【リジェネレイト】!」


 キラキラキラ……


 アイナママの杖から放たれる神聖魔法が、ルシアママのカラダにふりそそぐ。

 そしてその、聖なる光に包まれると──


「あぁっ ルシア、貴女──」

「お、おぉぉ! 見えるっ そして、左手があるっ」

「よかった……」

「あ、あぁぁ! く、クリスぅ アイナぁぁぁ」

「よかったですっ ほんとうに、よかった!」

「ルシアママっ!」


 ルシアママに、失われたはずの左目と左手が戻った。

 そしてルシアママは、まるでちいさな子供みたいに泣いちゃって……

 けど『嬉しい涙だから止めなくていい』って、いっぱい泣いたんだ。


 そうしたら、もう……

 ぼくもアイナママも一緒に泣いちゃって──

 気がついたら3人で抱きしめあって、わんわん泣いたんだ。


 ◇◆◆◇


 そしてその晩、ぼくたちは──

 はじめて3人で一緒に【レッスン】をしました。


「アイナママもルシアママも……ぼく、だーいすき」

これにて【第2部】完となります。

ご愛読ありがとうございました。

引き続き【第3部】をお楽しみくださいませ♪


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